2018.07.09 Monday

リペア ファイル その471

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    エピフォン Casino Coupe / スモークド乾燥処理・ブリッジ交換・アッセンブリー交換

     

    先回のTakamineといっしょに「スモークド乾燥」処理したエピフォン・カジノクーペ。小ぶりなカジノです。

     

    「スモークド乾燥」とは、ギターを煙で燻して音響効果改善を図る処理のことです。煙は熱を木材の内部まで運ぶことが知られています。そのときに木材の細胞になるリグニン・セルロース・ヘミセルロースの構造に変化が起り、音伝導率がアップし、剛性もアップすると考えています。(実際に科学的なデータを取っていませんが、効率的な乾燥方法として古くから行われた技術です。それを自作の窯で実験を繰り返し、その効果に確信を得ました)

    「スモークド乾燥」処理の効果として「音量のアップ」「反応速度が早くなる」「サスティーンが長くなる」などがあります。

     

    30時間強「スモーク」したエピフォンカジノクーペ、全体にヤニが付着しています。それをエチルアルコールで拭き取ります。その後、バフで磨いて仕上げてます。

      

     

    ”チューンーO−マティック”ブリッジが装着されていましたが、オクターブチューニング幅が狭いため、もっと正確にチューニングできる”ナッシュビル・タイプ”のブリッジに付け替えました。ブリッジピンの径が違うため一端穴埋めしてから、穴を開け直しました。(ブリッジ下も中空でした。センターブロック付きよりもホローボディ率が高い楽器です)

      

     

    おそらく韓国製だと思われるアッセンブリ一式を米国製のものに交換しました。(CTS製のポット・スイッチクラフト社製のトグルスイッチ・同社アウトプットジャック・オレンジドロップコンデンサー・ベルデン社製配線材)

      

     

    弦はトマスティックのジャズギター用のフラットワウンドを張りました。ブランコテールピースなのでサスティーンは短め、これがジャズには合いますね。

      

     

    交換した”ナッシュビルタイプ”のブリッジ。サドルの可変範囲が広いのが特徴です。いろんな弦に対応できますね。(ジャズ弦の3弦は単線でない)ピックアップはドッグイヤータイプのP-90が載っています。ニッケルシルバーカバーは外来ノイズにも強いです。

      

     

    ヘッドは面長のタイプ。カジノのヘッドはこれじゃなきゃ。クーペはカジノより一回り小さいので取り回しが、エレキとほとんど変わりません。扱いやすくていい感じです。軽いし。

      

     

    出音は、オリジナルよりワンランクもツーランクもアップしています。生音も大きくなっています。上位モデル”エリーティスト・カジノ”にも負けないですよ。アンプを通してフロントを鳴らせばもうそれはアーチトップの音です。これはいいです。

     

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    2018.07.05 Thursday

    リペア ファイル その470

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      タカミネ / スモークド乾燥処理・フレットすり合わせ・ブリッジ裏補強(弦アース加工)・PU取り付け

       

      持参された2本の楽器をいっしょに「スモークド乾燥」処理をしました。その上でそれぞれ調整・リペア・改造を施しました。このタカミネはJapan製ではないですが、依頼主がずっと気に入って使ってくれていました。少々トップに膨らみが出ていましたので、そこも修正しました。

       

      30時間以上「スモーク窯(かま)」で薫煙してあります。仕組みは「スモークドチーズ」を作るのと同じようなものですが、楽器全体に煙が回るように位置や向きを変えながら行っています。そのため結構大きな窯が必要です。その中でニカワが溶けない程度に温度を上げて煙の量と熱量を調節しながら、薪をくべて火加減しています。

        

      うっすらヤニがボディに付着するのでエチルアルコールで拭き取り、そのあとバフで磨いて仕上げます。

       

      ブリッジの後ろやや膨らんでいます。それほど顕著でないので「トップ矯正」は行わず、ブリッジ裏のプレート部を補強しながら弦のボールエンドの位置を下げて、サドルに掛かる力を増やそうと考えました。同時に「弦アース」も取っておきます。

        

       

      エレアコ化するためにLR baggsの「LYRIC」を取り付けることに。このときにブリッジプレートに付けた弦アースをプリアンプに繋ぎノイズ対策をしました。

        

       

      使いこんであるのでフレットも磨耗しています。指板の狂いは出ていないので、フレットピークを低いフレットに合わせて削って行きます。轍(わだち)の底まで削りますのでフレットは台形になっています。それを三角ヤスリを使って、再び山頂のあるフレットに削り出します。

        

       

      その後、ヤスリ傷を各種ペーパーを使って消しながらピカピカになるまで磨いておきます。

       

      「タカミネ」のドングリ頭のヘッドではなく、マーチンに似せたロゴとヘッド。一時、ギブソンとマーチンのヘッドを足して2で割ったようなヘッドをタカミネが採用していた時期(イーグルスが使っていた)がありますが、それとも違いますね。ドレットノートにカッタウエイは現在も定番。

        

       

      ピックガードはマーチンのそれより少し角ばっています。

      出音はスモークド効果で音量があり反応が早くなったとコメントを頂きました。特筆ものはそのノイズの少なさでエレアコに弦アースの効果は大です。エレキでは当たり前なんですけど、エレアコではまだまだ少数派です。

       

      次回はもう一本の「スモークド乾燥」処理したギターのリポートです。

       

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      2018.02.24 Saturday

      リペア ファイル その438

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        The Flatiron    Aタイプ・マンドリン / 「スモークド乾燥」処理・フレット交換

         

        先に紹介した「津軽三味線の棹・駒」といっしょに燻煙したフラットマンドリンです。”ブルーグラス”には欠かせない楽器です。デビット・グリスマンやパンチブラザースのクリス・シーリが有名ですね(ほかは私が知らないでだけですが・・・)あでやかな音色で”華”がある楽器です。今回はこの個体のポテンシャル(存在能力)を引き出すべくスモークしました。

         

        30時間燻したあとは、全体にヤニ成分が付着しているのでエチルアルコールで拭き取り作業をします。それからバフで磨いてクリーニングします。

           

         

        指板が波打ちしていたのとフレットが磨耗していたので「フレット交換」することに。(スモーク前にフレットを抜き、指板に煙が浸透しやすい様に段取りしてあります)指板を調整して、フレットはドイツ製のジェシカー♯43080を打ち込みました。トラスロッドがないので弦を張った状態でベストなネックを”フレットタング”(フレットの脚)を調整して作り出します。

          

         

        打ち込み終わったらフレット全体のピーク(頂上)を整えて、再び頂点をヤスリで切り出し 最終的にはペーパーでヤスリ傷を磨き落としてピカピカな状態に仕上げます。

          

         

        4コースで各コース同じゲージの復弦で構成されています。調弦は各弦”4度”間隔で細いゲージから『E-A-D-G 』、バイオリン属と同じです。スムーズなフィンガリングを目指してフレット端も面取り処理してあります。

          

         

        フラット・マンドリンには”Aタイ”と”Fタイプ”があり、Aタイプは肩の張りのない丸っとしたデザインで、Fタイプは低音側にバイオリンのネックの渦巻きを模した”スクロール”があるデザインです。フラット・マンドリンに対してバックがイチジク状の"ナポリ型"があります。昭和時代に流行った「ギタマン(ギター・マンドリン クラブ)」は、このナポリ型を使い主にクラシック畑の演奏をしました。マンドリン属は世界中にいろんなパターンで広がって興味深い楽器です。

          

         

        さて、完成したスモーク済みマンドリンを演奏された依頼主からメールを戴きました。

        マンドリンの感想を書きます。

        そもそも音がどう変化するのか関心がありましたが、しばらく弾いてなるほどと思いました。
        この効果を私なりに表現するなら、楽器の材質が変わるわけではないので、

        スプルース、メイプル、はそのままでその材の
        最も良いコンデイションのものが奇跡的に組み合わさって、できた1本という感じでしょうか。

        具体的な音の感想ではマンドリンはギターほどサステイーンが長くなく、

        特にフラットマンドリンはぺらぺらになりやすいのですが、

        音一つ一つが立体的でいわゆる粒が立っている状態です。

        輪郭もしっかりしていて腕さえあればかなり説得力のある演奏になると思いました。

        より一音一音にこだわった丁寧な演奏を心掛けねばと。

        マンドリンを弾いていながらマンドリンの良い音ってどんな音かいまいち分かりませんでしたが、

        今回の経験でイメージすることができました。

         *

        感想ありがとうございました!

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        2018.02.20 Tuesday

        リペア ファイル その437

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          津軽三味線の棹・駒の”スモークド乾燥”処理

           

          Aタイプのフラットマンドリンに「スモーク乾燥」を施す際に、「試しにこれもやってみたい」とお持ちの津軽三味線の棹と駒もスモーク庫に入れて燻しました。ギター・ヴァイオリン属は扱いますが、日本の楽器はほとんど手にしたことがなかったので、興味津々で細部まで観察させてもらいました。

           

          津軽三味線は”太棹”でほかの三味線より(弦長が)長くできています。棹は3分割できて持ち運びが楽になっている(らしい)。この棹は”紅木(こうき)”と呼ばれるインドカリン属の硬い木でできています。希少木で高級材です。棹には2枚のホゾがありそれを保護する木製の蓋が装着されていました。

            

           

          ホゾの構造。日本建築の技術をそのまま応用したホゾで、ホゾ穴には金属が埋め込まれています。この小さなホゾに強度と精度が求められる技術が集められています。ほれぼれする仕事です。

            

           

          それをスルスルと合わせて行くと・・

            

           

          上下左右”クリアランス・ゼロ”でぴったり収まりました。驚愕の加工技術!!!(クリアランス・ゼロで収まるなんて考えていなかった。ほんのわずか段差ができると思っていたから・・)

           

          ヘッドと糸巻き。一体構造ではなくここも継ぎ木の技術で加工されていました。津軽三味線の太い弦には”さわり”という「ビョーン」とシタールのようなビビリ音が出るような突起があります。この出の加減を裏側のネジでやれるようになっていました(特許のようです)。

            

           

          胴の中を貫通する構造です。バンジョーに似ていますね。今回は胴はスモークしていませんが、胴には犬の皮がニカワで張られているそうです。ホゾを繋ぐと一本の棹になりました。つなぎ目を感じさせません。スゴイなぁ。

            

           

          こちらは駒です。いろいろな素材があるそうですが、これは”竹”でできています。弦の当たる下側は中空になる加工が施されていて、この技術力に唖然・・・ ”竹”の表面はガラス質で 刃物で削るにもよっぽど切れないと刃が立ちません。その素材にこのような細かい加工が。日本の加工技術の高さよ。

            

           

          姿もうつくしいです。軽さと強度を合わせ持っています。駒の理想系だと思わずにはいられません。

          後日マンドリンの引渡しの日に、セットアップした津軽三味線をお持ちくださいました。少し演奏してくださいましたが、その音量に驚きました。ギターより音が大きいんです!これが津軽三味線なのか!バチで叩くように弾くので、そのパーカッシブなサウンドも驚きでした。スモーク効果はいかほどか、評価を下すにはもう少し時間がかかりそうです。

           

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          2018.02.03 Saturday

          リペア ファイル その433

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            VG KTR-LGE  /  スモークド乾燥・ナット調整

             

            OEMメーカー「寺田楽器」のオリジナルブランド”VG"。加工技術の高さは業界内でも有名です。その”VG"を楽器店「Music Land KEY」が”Key to the rock"シリーズのアコギ部門で使ったのが本品。ネットで検索したらこのシリーズは本格派が揃っていて「KEY」のやる気を感じました。

            前回のブログでお伝えした”ヘッドウエイ”共々「スモークド乾燥」処理をおこないました。

             

            「燻す」と樹木に含まれる油分・ヤニ成分がギターに付着します。針葉樹ほどこの油分が多く、書道で使われる「松煙墨」は松脂を燃やした煤をニカワで固めて乾燥させたモノです。当工房では広葉樹を主に使っていますが、その中にも油分があるという訳です。

              

            ある文献を読んでいたら「熱」がどんな「媒体」によって運ばれるかで いかに対象物中に浸透するか、が書かれていました。例えば「水分」を使うのが「蒸気乾燥」という強制乾燥になります。「炭素」を使うのが「薫煙乾燥」になり、当工房の「スモークド乾燥」はそれに当たります。

             

            煙に含まれる「炭素」によって「熱」が木材の内部に入って行き、細胞内の水分を追い出しながら、木材内の”内部応力”が取り、また強度をアップさせる、と考えられています。

             

            ナットを再整形しました。弦の直径の半分くらい出るようにしてやるように上面を削りつつ、傾斜を鋭角にして弦の接地面を”点”に近づけています。(クリアーな音を求めて)

              

             

            力木はわざと(?)粗く加工されていました。ギブソン社の力木の特徴が三角形で材を弾き割った後が残っている感じなので、それを再現しているのだと思います。「B-25」を模したモデルなので細部までも作り込まれています。

              

             

            依頼主からコメントを戴いています。「ボディ全体、ネックがしっかり効率良く振動して音量もしっかり出ています。高音はハギレ良く、小振りなボディなのに低音も力強く鳴ります。これは面白いギターです」スモーク効果で音量があり低音も出て、このボディでは上出来だと思いました。

            全体的に魅力的なギターでした。

             

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            2018.01.30 Tuesday

            リペア ファイル その432

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              Headway Hj-311  / スモークド乾燥・ナット調整・サドル調整加工

               

              ごひいいきにしてくださるお客様から入手された2本のギターの「スモークド乾燥」処理を調整を任されました。今回はヘッドウエイの作業内容について。「スモーク」は合計30時間ほど行いますが、その間に”天地返し”して 全体がまんべんなく燻されるようにしています。

               

              火の粉から保護するために袋を掛けていますが、ギターにはヤニや煤が付着します。それをエチルアルコールで拭き取ります。さらに全体をバフで磨いております。(ホームセンターで売っているような「スモーク」用燃焼材ではなく、裏山から切り出した広葉樹の薪を燃やして煙を発生させているので、少量の火の粉も舞います。煙と温度が肝です)

               

              J45風なで肩のサンバースト・ボディ・単板モデル。ヘッドウエイは作りが丁寧ですね。まだ、こなれた音が出ていなかったのと、各弦の分離がいまいちだったのでそこを改善します。

                

               

              サドル下にアーチ状の窪みをつけ音の分離を狙います。かつて修理したクラシックギターからの応用です。指板のアールとサドルのアールと不一致でしたので、指板アールに合うようにサドル中央(1弦と6弦の弦高を確認して、そこを残すようにしてを削りました)

                

               

              ブリッジピンからサドル頂点までの角度も十分です。

               

              ナットも再整形し少し鋭角にしました。グレーベン風のヘッドとデザイン。

                

               

              「スモーク乾燥」後の特徴は、「音量アップ」と「立ち上がりのよさ 」です(この手の研究をされているほかの施設でも 同じような結果が出ているとお聞きしました)が、この機では弦を張ってすぐにその効果が出てきませんでした。調整を繰り返していると段々よくなって来ました。こういうケースも過去にあるので”慣らし”が必要なこともあります。

              依頼主からメールを戴きました。

              「最初は「あれっ、音が引っ込んでいる?」と思ったのですが、数日弾き続けると音が変化が・・・。

              低音にふくよかさが出て、フィンガーではそのベース音に乗って気持ち良く弾いてしまいます。
              また、調整により弾きやすくなりました。欲を言えばプレーン弦にもう少し元気?があると・・良いのかなあ」

               

              と課題もいただきました。

               

              スモークド効果でトップの剛性が上がっている分、力木などを弱くしてもいいと思うのですが

              力木を”はつる”ことはよっぽどしません。もう少し様子を見てもらおうと思います。

               

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              2017.12.03 Sunday

                「スモークド乾燥」処理済み ストラトキャスター・ボディ材の販売

              0

                「スモークド乾燥」処理をしたストラト・ボディ/ネックの販売を致します。

                 

                栗・2ピース    ¥41,040
                アッシュ・1ピース ¥35,640
                アルダー・2ピース ¥28,080

                ローズ指板ネック  ¥30,240

                 

                ともに 税込み価格。また送料も込みとなっております。HP内のShopよりお買い求めください。

                 

                下の写真は『栗』材。2.3kg

                  

                国産の希少材『栗』は、木目が力強く茶道”数寄屋つくり”でも通好みの材として有名です。楽器材としてはアッシュとほとんど同じで、高域から低域までバランスよく鳴ります。

                 

                下の写真は『1ピース・アッシュ』。2.2kg(ライトアッシュではありませんが、アッシュ材としては軽めの個体です)

                  

                アッシュ材は、高域から低域までバランスよく鳴り、くっきりしたサウンドが特徴です。

                 

                下の写真は『2ピース・アルダー』2.1kg

                  

                アルダー材は、中高域の膨らみがあり、抜けが良いサウンドが特徴です。

                 

                ペ−パーの320番まで磨いてあり、すぐに次の作業に入れると思います。全体に若干燻し色がついており、どの材も同じような色になっています。キャビティーのザクリ部は燻し色そのままです。フェンダー社のスケールで3シングルピックアップ・キャビティやシンクロナイズド・トレモロユニット用のザクリが施してあります。コンタクター・ボディ加工も同じようにしてあります。 

                 

                下の写真は『メイプル/ローズ指板 』。

                   

                国産の既製品ネックをスモークしました。22F仕様。木地仕上げ(塗装していない)ナットなし。

                ジャンボタイプ・フレット。Cシェイプ・グリップ

                指板R/14インチ。ペグ穴はクルーソンタイプ。ナット幅41.5ミリ 22F幅56.5ミリ

                1Fネック厚21.5ミリ 12Fネック厚24.5ミリ

                 

                 

                以上の材は「スモークド乾燥」処理により、レスポンス・サスティーンに優れるようになりました。

                木材を燻す「スモークド乾燥」は、木材内のセルロースとリグニン・ヘミセルロースなどの物質を、煙の成分および熱によってセルロース間の結合水を減らしていく効果があり、その結果セルロース同士が結びつき強固になり、音の伝達率が上がると言われています。
                実際に弦振動の反応が早くなり(レスポンスが上がる)、結びつきが強固になった分サスティーンが伸びるのを感じてもらえると思います。

                 

                 

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                2017.10.17 Tuesday

                続・モディファイ(modify)・テレキャスターbyスクワイヤー

                0

                  以前アップしていた「モディファイ(modify)・テレキャスターbyスクワイヤー」にずっと手を入れていました。

                  なんとなく、気に入らないところがあったので自分好みに改造を加えました。その結果、オリジナルのパーツはスモークド乾燥処理してある”ボディ”と”コントロールパネル”と”ジョイントプレート”だけになってしまいました。

                  この楽器をHP内のShopで販売します。 ¥129,800(ケースなし)(まったくもうけなしのサービス価です)

                   

                   

                  ネックも差し替えてあります。国産の既製品・単品ネックで当工房の「スモークド乾燥」処理が施されているものです。

                  ボディも赤く塗り替えました。赤色といっても千差万別で人によってイメージが違いますので、市販の塗料を使いました。GSLクレオスの「Mr.COLRE レッドFS11136 サンダーバースカラー」(色の確認したい方は検索してみてください)ラッカー仕上げです。

                   

                   

                  ピックガードも白ワンプライで製作して、以前とはまったく違うイメージになっています。

                   

                   

                  ワイヤリングも換えてあって、3way スイッチを 4wayスイッチにしてあります。その結果、フロント+リアの配線が「シリーズ」と「パラレル」の切り替えができるようになり、より太い音が出せるようになりました。カントリーからブルースまでこなせます。またボリュームポットにスムーステーパーフィルターを搭載したので、ボリュームを絞ってもこもらないでハイ落しません。

                   

                    

                   

                  差し替えたネックには”9notes"のロゴを入れました。燻してあるのでネックはくすんだ色ですが、よく鳴ってくれるネックに仕上がっています。(もちろんボディも)

                    

                   

                  仕様

                  ネックおよびボディ 「スモークド乾燥処理」
                  ネック:国産ワンピース”メイプル”ネック 21F ヴィンテージタイプフレット
                  ナット:牛骨
                  ペグ:ゴトー社製 SD91
                  ボディ:アルダー(ボディ厚40ミリ)
                  ブリッジ:オールパーツジャパン社製3連ブラスサドル
                  ピックアップ:フロント 国産ビンテージタイプPU(ギターワークス社製)
                          リア   国産ビンテージタイプPU(ギターワークス社製)
                  4WAYスイッチ:Oak社製(USA)
                  アウトプットジャックプレート:キャッツアイ型
                  ポット:CTS社製(USA)×2 スムーステーパーフィルター付き
                  キャパシター:オレンジドロップ(USA)
                  シールド:ベルデン社製♯8503
                  ハンダ:ケスター社製”44”
                  総重量 3.3kg

                   

                  〈ウイークポイント〉

                  ネックを途中で差し替えることにしたのでネックポケットは前の寸法でできています。そのため左右にわずか隙間ができてしまいました。隙間にカラーリングをしたシムを挿んであります。仕込みはタイトに仕上がっているので振動ロスはありません。

                   

                  4年ほど少しづつ手を加えてやっとついに完成しました。赤いギターは見ているだけで元気が出ますね。サウンドも多彩でありながらテレキャスサウンドの特徴が生かされています。弾いてて愉しくなるギターだと思います。「乞うご期待!」

                   

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                  2017.07.13 Thursday

                  「スモークド乾燥」処理済み マホガニー角度付きネック材の販売

                  0

                    スモークド乾燥を施した「マホガニー角度付きネック材」をHP/SHOPで行います。

                     

                    マホガニー材をスモークする(燻す)ことによって、音の伝達性を高め、同時に剛性が高まりました。

                    最適なネック用の素材です。

                     

                    アコースティック用・クラシックギター用 ネック材(ヒールブロック材付き)  

                     

                    全長 620弌淵悒奪鰭 190弌Ε優奪部 430弌× 幅 80 × 厚み 25〜28

                    ブロック材 長さ 100 × 幅 60 × 厚み 80弌

                    ヘッド角度15°

                    ¥12,000(送料・税込み) ここをクリックしてShopでお求めください

                     

                    エレキギター用 ネック材(ヒールブロック材付き) 

                    全長 620弌淵悒奪鰭 190弌Ε優奪部 430弌× 幅 80 × 厚み 25〜28

                    ブロック材 長さ 150 × 幅 85× 厚み 27弌

                    ヘッド角度15°

                    (注意・LPディープジョイントの場合はネック部の長さが不足します)

                    ¥11,000(送料・税込み) ここをクリックしてShopでお求めください

                     

                     

                    「スモークド乾燥」は、木材内のセルロースとリグニン・ヘミセルロースなどの物質内のヘミセルロースを減らしていく効果があり、その結果セルロース同士が結びつき強固になって、材の剛性アップ、音の伝達率 向上に繋がります。

                     

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                    2017.06.21 Wednesday

                    リペア ファイル その322

                    0

                      国内製作家作・ヴァイオリン / スモークド乾燥処理・セットアップ

                       

                      すでに愛機として使用しておられるプロの演奏家のヴァイオリンを「スモークド乾燥」処理して欲しいと依頼を受けました。大変躊躇しましたがお引き受けすることに。ヴァイオリンのニスはほかの塗料に比べて不安定で、熱に弱いことを知っているからです。しかし、数年の経験から目途が立ちそうだったのでトライしました。

                      と言っても不安がない訳ではなかったので、事前にデモンストレーションを行い実験をしています。

                       

                      問題のひとつはニスに煙のヤニ成分が付着するのをできるだけ防ぐこと。もう一つは、温度をあまり上げずにかつ効果的に煙を送ることでした。普通は30時間強のスモークですが、今回は温度を下げたので40時間強燻しました。第一関門のヤニ対策は成功しました。ヤニを除去しやすいパーツはそのまま燻してあります。こちらの方が色が濃く着きます。

                        

                      温度を低めに保ちつつ煙を送り続ける新たな方法を開発(ちょっと大袈裟かな)したので、「スモークド乾燥」後のタッピングトーンに変化が現れています。

                       

                      うっすらヤニが付いたのでクリーニングします。いろいろなクリーニング剤を用意し、ニスに合うものを選択しました。

                       

                      さぁ、セットアップです。私はヴァイオリンのセットアップは”小僧”レベルなので「仮セットアップ」です。「本セットアップ」は本業の方に依頼者よりお願いしました。20代後半にギターのリペアからヴァイオリンのリペアに鞍替えしようと画策したことがあって、友人の工房で見習いしましたが、結局断念しました。理由のひとつとして、右手のボーイングがうまくできないので 音出しができなかったことです。今回もこのスモークがどの程度うまくいったか、音出しできなくて確認できなかったことが心残りでした。

                        

                       

                      楽器の完成度は高く気品があります。一枚甲の裏板には見事な杢が出ています。

                        

                       

                      スクロールは力強く、Fホールの姿も美しい。

                        

                       

                      依頼主からメールを戴きました。

                       

                      ヴァイオリンも行き着けの工房で調整してもらい、本日から使い始めました。

                      驚くほどの変化です!レスポンス、音量が素晴らしく向上しています。
                      材の剛性が上がったことの効果だと思いますがダイナミックレンジもかなり拡大した印象があります。
                      ffからppまでの落差は正に劇的で、奏者の私が引き込まれてしまいそうになります。
                      コンテンポラリーの楽器なので元の音色は直線的なものだったのですが、力強さは残しながら倍音が増え、豊かな音色が加味されたことも嬉しいです。

                      大抵大幅な能力向上が伴う手入れはどこかにマイナス効果も出るものですが、今のところ一切感じません。
                      これはやはり、構造変化によるものではなく材自体の変化による恩恵だと思います。

                      調整したヴァイオリンの作者も材の剛性向上ぶりに驚いており、表板もさることながら裏板は最早別モノといっていいくらいに変化しているそうです。

                      良い事尽くしで少し怖いくらいなのですが、かなり厳しく見ても、やはり欠点らしい欠点が見つからないカスタムです。

                      改めて難しい施工を受けて頂き、最大の効果を発揮して頂いたことに感謝致します。ありがとうございました!

                       

                       

                      よかったぁ。ありがたいお言葉で苦労も吹っ飛びました。長時間の窯焚きの間 緊張して温度調整をしていました。その甲斐がありました。私も「スモークド乾燥」処理に新たな1ページを刻むことができた仕事でした。

                       

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