2018.03.04 Sunday

リペア ファイル その440

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    ジャンボ J−50 / フレット浮き・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット・サドル交換

     

    ヘッドのロゴが削られていたので、最初はどこのメーカー/ブランドか解りませんでした。後で依頼者が知らせてくれて解りましたが「ジャンボ」というメーカーでした。1976年出版の「楽器の本」で調べてみるとカタログと説明文があり、信州の諏訪で”田原良平”氏が監修したメーカーのようです。

     

    フレットが浮いていたので瞬間接着剤を流しこみ圧力を掛けて締めました。

      

     

    ネックも反っていたので「アイロン矯正」して修正します。

     

    それから「フレットすり合わせ」したのですが、フレットはずい分低くなっていたのでピークを切り出すのが結構大変、三角ヤスリで先鋭な山を作り出します。後はペーパーの番手を変えながら磨き上げて行きます。

      

     

    ナットとサドルも新調します。なんとロングサドルなんですね。マーチンを模したい気持ちが伝わってきます。

      

     

    ヘッド側にロッドがありマーチンとは違いますが、ここはメンテナンスのことを考えたんでしょうか。

      

     

    ネックの反りを矯正したので、弦高も下げることができました。

      

     

    ヘッドに付き板はハカランダですね。ペグはグローバーが標準装備です。

      

     

    トップ・バック単板モデルなので”そのサウンドはいかに?”と私も楽しみでしたが、納得の音圧と豊かな余韻でジャパンヴィンテージの底力を確認した次第です。先の「楽器の本」(つい最近再販されたそうです)には、幻になってしまったほかのメーカーのラインナップも搭載されていました。「yamaki」「Three S」「Weston」「Elite」「Kansas」など今はなきブランドが懐かしいです。こういう知る人ぞ知るメーカーは、案外リサイクルの片隅で眠っているかもしれませんね。

      

     

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    2018.02.28 Wednesday

    リペア ファイル その439

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      ESP・ PPJベース / ボディ ザクリ再加工・ピックガード作製・配線やり直し・ネック順反り/フレット交換・指板面塗装

       

      80年代のESP製オールホワイトカラー(ボディ&フレットボード・ネック)『ラウドネス・山下昌良モデル』、プレシジョンPUが2連続で付いていて、その下にジャズベのPUが搭載されていたのを、前の持ち主がネック寄りのを自前でダンカンPUに取り換えてありました。ザクリに苦心の痕がありますね。

       

      ガタガタのザクリ部を整えるため一度きれいにルーターでくり貫いてしまいました。そこにアッシュで埋め木をします。

        

       

      フロント・ダンカン、リア・PJの2PUに改造するためザクリをやり直し、内部に導電塗料を塗っておきます。

       

      オリジナルPGを作製します。以前に自作したPGの日焼けした痕を隠す大きさでトリミングしました。素材は”赤べっ甲”柄を指定されましたが、この柄は全体がしまっていいですね。

        

       

      ネックの反りがロッドで調整できず弦高が高い状態でした。ロッドが効かない場合は、フレットタングでクサビを打つ感じで”逆反り”を作るしかないです。指板の調整でも両端をやや多めに削って逆反り状に整形してあります。

        

       

      フレットタングを一本一本調整して打ち込んでいます。その後指板面の塗装に入ります。

       

       

      塗装後フレットに載った塗料を磨き落とします。指板面はボディと同じ”ホワイト”で塗ってありますが、日焼けしてやや黄色が交じっていて色調整が難儀でしたが、うまくきました。80年代にボディも指板も”ホワイトカラー”で仕上がっているベースなんてESP以外なかったんじゃないかな。

        

       

      電装系もやり直し。国産ポットが使われていましたが米国CTS製に交換しました。2PU(2V1T)にしたのでひとつはダミーになっています。アウトプットジャックもスイッチクラフト社製に交換。

        

       

      完成。仕込み角度を変更しサドルを持ち上げて弦止めとの角度をきつくしました。ボディにより多く振動が届くようにです。アジャストできないフロント・ダンカンPUにはエスカッションを作製し持ち上げました。

        

       

      なんと船型ジャックプレートが側面につけられている!シールドをストラップに一度引っ掛けることを前提に作っていますね。こういう細かい仕様がESPの本領ですよね。「カミは細部に宿る」

        

       

      オリジナルに手を加えたカッコウですが、うまく収まったかな。これでメタルをガンガン弾いてください。
         

      この時代のESPにあこがれてパイプオルガン製造の道からこの業界に入った私です。ランダムスターなど次々に名作を生み出していて眩しかったなぁ。まだESP主催の製作学校はできてなくて、米国の”ロバートベン”の紹介記事を読んでそこの門を叩きました。ギターの改造は好きな作業です。

       

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      2018.02.15 Thursday

      リペア ファイル その436

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        フェンダー・テレキャキャスター 70’S  /  フレットすり合わせ

         

        バブルガム・ブラザーズのギタリスト”土門秀明”氏の70‘s貫禄のテレキャスター。ボロボロですが、サウンドは”切れッ切れ”でテレキャスらしく、ファンキーでもあります。

         

        フレットが擦り減っています。楽器の設定はなるべく変えないようにやるのが依頼ですので、『フレット交換』でなくギリギリまでフレットを攻めて『すり合わせ』します。

          

         

        ずい分低くなったフレットの頭を”三角ヤスリ”で根気に山頂(ピーク)を付けるため削り出します。

          

         

        削った痕をペーパーで消して行きます。♯180番・♯240番・♯320番・♯600番・♯1000番と番手を変えながら磨き上げて行きます。最後はバフで仕上げます。フレットピークが再び付いてピッチも正しくなり、コードもきれいに鳴るようになりました。

          

         

        低くなったフレットに合わせて、ナットの弦溝も若干下げます。

          

         

        この時期のTEは”TELECASTER"のデカールがヘッド先端に貼られており、リテイナーも2個つけられています。PUは何度か載せ換えたそうですが、現在はオリジナル。サドルだけチタン製に交換されていました。

          

         

        PGが外されていますが、まるでPGが装着されているように見えますね(そこだけ白い)。ビキニを外した日焼けした女の子みたいでセクシーでした。手放したギターも多いそうですが、このテレキャスだけは手元に残ったとのこと。決めてはこの楽器の”音”ですね。楽器は個体ごとに音が違います。いい個体との出会いは一期一会でしょう。

         

         

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        2018.02.11 Sunday

        リペア ファイル その435

        0

          ギブソン LP クラシック /  フレットすり合わせ・ロッド調整・ブリッジ交換・アウトプットジャック交換

           

          再びバンド活動を再開するために取り出したギターを、点検・調整するために当工房に持ち込まれました。20代は相当Liveで演奏されたんでしょうね。ギターにも味が出ています。

           

          点検の結果、フレットが磨り減って凹になっているので「フレットすり合わせ」をすることにしました。ネックの反りを見てトラスロッドを調整し、フレットの浮きがないかを確認してから、平ヤスリで凹んだ部分の底までフレットピークにヤスリをかけます。

           

          次に各種のヤスリ(ジャンボフレットなのでそれ用の)を使って、レベルを出したフレットピークに再び山頂(ピーク)をつけて行きます。それからヤスリ傷をなくすためにペーパーの番手を換えながらフレットを磨いておきます。

            

           

          ピカピカになったフレット。「すり合わせ」によってピークを出し直すとビビリ音やバズ音(雑音)がなくなり、音の立ち上がりやイントネーションが改善します。

           

          ギブソンオリジナルのABR-1ブリッジがヘタっていましたので、「ブリッジ交換」しました。ブリッジは2点の支柱で支えられていますが、長年使うと中央が下がって来ていまい、指板のアールと合わなくなって来ます。1弦と6弦の弦高は適性でも 3弦4弦が低くなってビビッたりベンドしにくくなって来たりします。 サドルが真鍮製(ブラスサドル)のクルーソン社製を選んでいます(ブラスサドルにメッキが施されている)。

            

           

          ヘッドに”Classic"のロゴが入っています。ペグはブッシュタイプですね。オープンタイプのハムバッカーPU。

            

          アウトプットジャックも磨耗していたので新品に交換しました。この部品は消耗品とお考えください。ジャックの抜き差しで金属が磨耗してきてガタが出だすと大きな雑音や音が出ないことが発生しますから。

           

           

          サウンドは高域から低域まで音のダイナミックレンジが広いです。高音の抜けがいいですね。マーシャルとの相性がいいのも頷けます。再びLiveで輝いてください。

           

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          2018.02.07 Wednesday

          リペア ファイル その434

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            ボディ組み換え・PG加工・キャビティ加工・PU交換・オイル塗装・ナット交換

             

            ESPのST用ボディを手に入れたので、現在休眠中の”ダンカンST”のネックとPU/アセンブリを組み替えて欲しいとの依頼です。見せたもらったボディ材は国産材「栓(せん)」で出来ていました。見事な”杢”が入ったワンピース材です。1H1V/フロイトローズ用のザクリが施されていました。

             

            これをS-S-Hにします。ルター加工する前にボール盤でおおまかに掘削しておきます。こうするとルーター加工時の刃の抵抗を減らすことができ、少しでも事故の確率を下げることが可能です。ルーター加工は間違うと大きな事故になりますからね。

              

            (元々ボディ裏にV用のザクリ加工がしてあり、丸い穴が開いています)アウトプットジャックはボディサイドにあり。

             

            ネックを取り付けるための加工をします。ネックポケットの寸法が合っていないので、「センター合わせ」と「ポケット深さ」「弦長」を確認しながら「ネックポケット加工」をし、ネックを仮組みしながらシンクロユニットの位置決めをしました。(と書くのは簡単ですが、結構慎重にやらなければならない工程です)

              

             

            ボディに「オイル塗装」します。無垢の木の感じを最大限に引き出す塗装です。私は以前「木工家具」工房をやっていたので「オイル塗装」と「拭き漆塗装」は得意です。いろいろな自然系オイルを試した経験の中でお勧めは、「AURO」と「OSMO」でどちらもドイツのメーカーです。この二つを使い分けながら”艶”あるボディを完成させました。

              

            オイル塗装はだれでも失敗しない塗装なんですが、塗る回数を上げていくとグチャグチャになりやすいので注意。よく乾燥させてから次のステップに行く のと、吹き上げる際に布や紙の繊維が塗装面に残らないよういにするのがコツです(私は拭き取り専用のペーパーを使っています)

             

            キャビティ内に”導電塗料”を塗ってボディは完成。次は支給された新規のPG(S-S-S)のリアをH用に開け直し、もう一台のギターからアッセンブリを外し、リアだけ新規のダンカンのPAF系のハンバッカーPUを取り付けました。アースをキャビティ内の導電塗料に落とし、PGのアルミ箔にもビスを通して通電するようにしてあります。

              

             

            スプリングは「Raw Vintage」社製のものに交換。人気があるスプリングですよね。実際いいし。(また安いのがいい) 裏蓋もスプリングカバーに合わせて同じ素材で作りました。

             

            ナットは磨耗していたので交換しました。アームを使う人はどうしてもナット溝が減ってしまいますよね。少しだけ溝は浅めにしてすぐ減らないようにしてあります。

              

             

            組み上げました!杢が浮かび上がって美しい!オイル塗装で上品でナチュラルな感じに仕上がっています。アウトプットジャックがサイドにあることでトップの木目がいっそう引き立っていますね。

              

             

            フロントPUは”ダンカンANTIQUITY”でミドルは逆巻きでした。リアのハムバッカーPUは出力が引くめで 前のシングルとの相性も抜群でした。「リア一発」という感じではなく、どのポジションも曲の雰囲気によって使い分けできる組み合わせです。

             

            「国産材」でエレキボディを作ることは80年代までは大手メーカーでも取り入れられていましたが、今は少ないです。この「栓」はアッシュ系のボディ材として有効ですが、ほかには「タモ」「栗」なども使えます。国産材は市場での流通量が少ないので馴染みがないでしょうが、もっと多くの材が使えると思います。たとえば「楢(なら)」「シオジ」「楡(にれ)」「ケンポナシ」「ケヤキ」「栃(とち)」「ミズメ」などなど、どれもいい木味を持っていますし、独特のサウンドも味わえるはずです。

            残念ながらアコギのトップ材に使える針葉樹系は、ヤマハも使っている「エゾ松」くらいしかありませんが、「杉」などを圧縮させる技術を応用したら使える日が来るかも知れませんね。研究の価値あり。

             

             

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            2018.01.25 Thursday

            リペア ファイル その431

            0

               G string テナーウクレレ / 表板剥がれ・裏板剥がれ

               

              見事なオール”コア材”でできたテナーウクレレ。塗装はラッカーの極薄で、ウクレレでは高級品ほど塗装が薄いです。ナイロン弦で楽器を鳴らすよう 薄くしてあるのですね。表板の厚さも大変薄く仕上げてあります。

               

              テナーウクレレの調弦は、アルトと同じ”GCEA”(太い4弦側がGで細い1弦側がA)調弦と”DGBE”(ギターの1〜4弦と同じ)がありますが、ウクレレらしく”GCEA”にチューニングすることが多いと聞きます。アルトに比べて弦長が長いためテンションが強くなりトップに大きな負担がかかり、トップの剥がれが起ることがあります。 そうなっています。

                

              ウクレレにはラダー(はしご型)ブレイシングが採用されることが多いですが、この楽器にはクラシックギターで見られるようなファン(扇型)ブレイシングが使われていました。

               

              接着剤を入れてローワーバウト(楽器の下側の丸い部分)全体に圧力が掛かるように”当て木”を作ってクランプでプレスします。同じように裏板も2回目のプレスで接着しました。

                

               

              くっ付きました。ウクレレには”バインディングなし”スタイルのものが多いので、この手の修理はやりやすいです。

               

              ヘッドには”G”をかたどったインレイが。口輪はワンリングです。”カーリー・コア”材が美しく、サウンドは切れがありつつ暖かです。テナーウクレレは、弦のテンション感はありますが運指は楽だと思います。

                

              これで無事完了、「めでたしめでたし」と行きたいところでしたが・・・引渡し後に連絡がありました。

              「またトップは剥がれた」と「エッー!!!」

               

              同じ時期に表割れを修理したギターにも「剥がれ」が出ました。さすがに「ショック」でしたが、原因を探って見ました。

              この2本は同じ接着剤(エポキシ系)を使っていました。まず考えられるのは、

              1・室温が低くくて「接着不良」が発生した。(ストーブを入れているのが・・・夜間が冷えたか・・・)

              2・硬化剤の量が少なかった。(季節に応じることが必要か)

              3.接着剤自体が古くなった。(2液混合タイプなのでそんなことはないと思うが・・・因みにユリア樹脂系の接着剤は古くなると接着力が落ちる)

              4・圧力不足

              5・経験があるからと”気持ちの油断・慢心”

               

              実際はその複数の要因だと考えられます。そこで新品の硬化時間の長いエポキシ系接着剤に換えて、部屋もがんがんに温めクランプ数も増やして再接着しました。(なんだがビビっているね、この図)

              接着後、弦を張って1週間様子を見ました。無事なのを確認してお客様に手渡しました。なにもかもうまく行けばいいのですが、お客様に迷惑をお掛けしたことはお詫びつつ、『失敗』は経験値を増やし謙虚にやり直す機会だと捉えるようにしています。何年やってもまだまだ勉強が必要な私です・・・

               

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              2018.01.21 Sunday

              リペア ファイル その430

              0

                ヤマハ FG−130 / ネックアイロン矯正・弦高調整(サドル溝堀直し・駒削り・サドル調整)

                 

                弦高が高くで演奏不可能な状態です。「リセット」など手を入れればまた弾ける状態にできますが、この手の国産ギターは低価格で取引きされているので、修理にあまりお金を掛けることができないことが多いのが現状です。それを踏まえて、ぎりぎりの予算内で可能な限りの作業をします。

                 

                まずは「ネックアイロン矯正」ロッド調整してから”仕込み角度”を修正してやります。12F 6弦4ミリあった弦高を3ミリまで下げることができました。しかし、この個体はそれ以上は何度やっても曲がってくれません。

                 

                そこで次ぎに駒側で対処することになります。サドルを下げるために駒を削ります。理由はサドルとブリッジピンとの間に落差が必要だからです。ここで問題発生。サドルの溝が浅く 駒を削るとサドルが溝がなくなってしまいます。そのため「サドル溝を掘り直す」加工が必要になります。その準備ため一旦 サドル溝をローズで埋め直します。

                  

                 

                ジグをセットしてルータートリマーでサドル溝を深く加工します。ブリッジピン穴も修正します。(そのままではピンが飛び出してしまうので)

                  

                 

                サドルとの落差がわずかですので、弦の誘導溝をサドル近くまで伸ばして「立ち上がり角度」を確保。これで12F 6弦2.5ミリ 1弦2ミリにできました。今回はこれで完了しましたが、駒をもっと削ると弦のボールエンドからの巻き上げ部分が、サドルに乗ってしまう現象が起きることがあります。そうなったらトップ裏に薄板が貼り付けてボールエンドの位置を下げてやる処置が必要になります。

                 

                現在のヘッドとは逆の 先端に行くにしたがって狭まるタイプです。YAMAHAのロゴではなく”音叉”マークが・・・

                弦を張って出した音のデカイこと!このボディでこの音量はたいしたものです。苦労して復活させた甲斐がありました。まさに「古いギターは言い音がするのさ」です。

                  

                 

                普及機なので市場に多く出回っていると思います。なので案外 押入れや倉庫で眠っていることも多いでしょう。湿度の高い押入れや倉庫で眠っている間にネックが反ってしまい、懐かしくなり取り出したときには弦高が高くで弾けない状態に、なんてことがあるんじゃないでしょうか? 合板トップでも30年も経つ枯れていい音を醸し出すようになりますよ。一度押入れを探して見てはいかがでしょう。

                 

                 

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                2018.01.17 Wednesday

                リペア ファイル その429

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                  マーチン  D16−A  /   バインディング外れ修復・ピックガード交換

                   

                  ”アッシュ”というアコギには珍しい材木がサイド&バックに使われているマーチン・ドレットノート。バインディングが外れてきました。”セル”素材で巻いてあるバインディングは、どうしても経年変化で痩せて来てしまいます。

                   

                  腰のくびれ部分は特に剥がれやすくセルが浮いて来ます。この修復には、セルをドライヤーで温めてから接着剤を入れて、テープとクランプで固定してやることで解決できます。

                    

                   

                  その後、はみ出た接着剤をきれいにしてから、細かい番手の水ペーパーで研いでバフで磨いて仕上げます。このギターのセル・バインディングは”べっ甲柄”でした。白バインディングとは感じが違いますね。

                    

                   

                  黒いピックガード(PG)を”べっ甲柄”に交換したいとのこと。ますはPGをドライヤーで暖めながら少しずつ剥がして行きます。焦るとトップのスプルース材も引っ張られて引き裂いてしまうので、気をつけながら・・・ このPGは新しいのか トップに両面テープが残ってしまいました(古いとテープもいっしょに剥がれてくれる)。それを”Zippo”オイルでクリーニングします。

                    

                   

                  何枚かの素材(塩ビ材)の中から明かる目の一枚を選択されました。これをリングにピッタリ合うように加工します。

                    

                   

                  PGの面の処理もしっかりやってギター本体に馴染むように仕上げました。黒PGとは全体の印象がすっかり変わります。素材の威力って大きいですな。この形はティアドロップ型と言いますが、「涙のしずく形」という意味です。アコギの定番の形ですが、マーチンギターの代名詞にもなっていますね。

                    

                   

                  ローズでもマホガニーでもないサイド&バック材のアッシュが使われていますが、サウンドはマホとロースの中間くらいです。これはいいサウンド傾向で、ほかの広葉樹も使えることを意味します。ローズ規制がかかり、これから別の材に需要が移って行くでしょうから、アッシュなどの「環孔材(導管が環状にならんでいる木種)」も使われて行くことになる と私は読んでいます。

                   

                  関連ブログ:

                  マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

                   

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                  2018.01.13 Saturday

                  リペア ファイル その428

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                    タカミネ LTD 2017 / 指板端丸め処理・弦高調整(ロッド調整・サドル調整)

                     

                    ブラックフェイスのTakamine LTD 2017です。毎年数量限定で発売されるLTDシリーズは、世界中にファンがいて完売される人気シリーズですが、2107はタカミネがある地元・『木曽 馬込宿(きそ まごめじゅく)』をモチーフにしてあります。

                     

                    タカミネは岐阜県中津川市の坂下町に位置しますが、木曽川を挟んで対岸には中仙道の『馬込宿』があり車で15分くらいの距離です。馬込宿は石畳が残る江戸時代の街道筋の雰囲気を残した木曽の山の中の観光地ですが、とても趣きがあり気持ちが癒される場所です。

                     

                    依頼主は使い込まれた米国製ギターをメインにされていますが、地元メーカー”タカミネ”を所望されてこの楽器を入手されました。ただどうしてもメインギターに手が伸びるとのことで相談に見えました。まず弦高が高いことがその原因でしたが、ほかには「ネックにぎり」が、使い込まれたギターと比べると角が立っているように思われます。そこで指板の端を丸める処理を施しました。

                     

                    指板バインディングの面をヤスリを使ってなだらかなアールに加工します。

                     

                    次に指板上面の角を丸めます。お手製の”スクレーパー”をを使ってエッジを丸く加工します。エレキメーカー『フェンダーカスタムショップ』や『ハイエンドギター』ではお馴染みの処理ですね。こうすることで なめらかな握り具合を得られます。

                     

                    指板には石畳が描かれています。石畳の脇には「灯篭の明かり」「菅笠」「花馬」「水車」が見えます。実際に馬込宿では「水車」がランドマークになっています。ピックガードに描かれているのは、「石臼」の溝のパターン。米・麦・蕎麦などの外皮を取るのに「石臼」は必需品でした。擦れて使い物にならなくなった臼は、庭の”飛び石”などに使われました。

                      

                     

                    プリアンプは最新のチューブアンプ「CTP-3」が搭載されています。ミニ真空管を使ったアンプで”ウォームなサウン”を表現します。2ピックアプ対応になっていますので、純正のアンダーサドルピエゾ(パラスティックピックアップ)以外に後付けのマグネットPUやコンタクトピエゾを増設できます。

                     

                    2wayサドルでたしかなイントネーションを実現しています。新設計のブリッジはサドルとピン穴が落差ができるようになっており、サドルへの立ち上がり角度がえられやすい構造です。今回弦高調整のため、ロッドを閉め直すとともにサドル底面を少し削りました。

                     

                    ボディサイズがOMタイプですが、豊かな音量がありました。それにしても『馬込宿』をモチーフにするとは何だが「灯台下暗し」って感想です。「木曽路はすべて山の中である」は島崎藤村『夜明け前』の有名な冒頭文ですが、”タカミネ”も”9notes”も山の中にあります。

                     

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                    2018.01.09 Tuesday

                    リペア ファイル その427

                    0

                      Taylar NS32-CE /  力木はずれ

                       

                      ごひいきいなっているギタリスト「土門秀明」氏のギター「テーラーのナイロン弦」。30分くらい弾くとどこか共振する音がする、とのこと。プリアンプのコード類かと思いましたが、どうもそうでない模様。「共振の原因」を探ることになりました。

                         

                       

                      この写真は原因にとなる「力木」を探し当てたときのカットですが、ココまで来るのにあっちこっち手を入れました。まずはネックとのジョイント用のビスを締め直す(テーラーはボルトオン・ジョイントのため)、その次は裏・表の力木を一本一本調べて行く。特にサイドとのつなぎ目が外れるケースが多いのでそこを重点的に調べました。ここは終盤でした。

                       

                      接着剤を流しこんでジャッキアップの要領でクランピングし接着圧力を掛けます。その際 ボディの上下はクランプで挟んでボディの膨らみを抑えます。

                       

                      質のいい黒檀でブリッジが一体整形されています。サドルの下にはピエゾが敷かれていますが、生音でもバランスの取れたクリアーな音がします。エレアコ仕様ですが、クラシック/ガットギターのポイントをうまく押さえた楽器に仕上がっています。

                        

                       

                      ネックヘッドは”スカーフジョイント”されていますが、高度な加工です。

                        

                       

                      サイド&バックはマホガニーの単板で温かい音です。12フレットジョイントですので、ブリッジはローワーバウトの中心に来ていますね。力木も大変細く、弦振動に敏感にできています。メーカー仕様のクラシックギターの力木は、頑丈な力木のものが多いので「音優先設計」か と感じました。接着不良は論外ですが。

                        

                       共振音がなくなってストレスなく演奏できるようになったと思います。

                       

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