2019.04.26 Friday

リペア ファイル その533

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    Maruha F-120M  /  ・サドル交換(弦高調整)・ナット交換・指板・全体クリーニング・糸巻交換工賃

     

    「幻のギター」とも呼ばれている国産マルハ製のフォークタイプギター(OMサイズ)。これを当工房設立当初からお世話になっているからshopからリペアを託されました。アコギ・クラギには精通されているのでこちらも何かと勉強になっています。このマルハもそうです。

     

    糸巻(ペグ)が経年変化でガタが来ていたので、ロトマチック式のペグに交換しました。糸巻は消耗品とお考え下さい。

      

    ”Maruha ”のM字のロゴにト音記号(🎼)が入っていますね。

     

    サドルを牛骨に交換。サドル溝にピッタリに成型したらゲージで高さを決めます。ブリッジピン穴が丸く開いていただけなので、これではピンを引き抜くいですから、

      

    面をとっておきます(1〜3弦まで面取ったカット)

     

    ブリッジの弦用の溝が切ってなかったので専用のブレードを使って切っています。その後、低くなったサドルまで弦の誘導溝をブリッジ上面にトリマーで加工しておきます。

      

    このような作業でサドルへテンションが掛けることができるようになります。

     

    ナットも牛骨で新調。依頼主によるとマルハのギターは0フレット仕様が定番なので、それがないこの楽器は珍しいとのこと。

      

     

    全体をクリーニングして小ぎれいになりました。ネックの状態が良い個体でしたのでストレスなしに演奏に入っていけます。古い日本製のギターは『弦高が高い』ことが多いので、ネックの”順反り”がひどくない楽器は再生の可能性が大です。(費用があまりかからないという点で)

      

     

    その出音は乾いて軽やかで演奏が楽しくなるものでした。「名器」と呼ばれるメーカー・銘柄でも”手を入れてなんぼ”です。あなたの周りにある「名器」をメンテナンスとリペアで復活させてください。その音にきっと驚かれますよ。

     

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    2019.04.20 Saturday

    リペア ファイル その532

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      マーチン D−28 / バインディング剥がれ・ピックガード作製・交換

       

      しばらくぶりにギターケースを開けてみたら、ピックガードがズレてバインディングは剥がれていたそうです。湿度か熱かで木部が動いたりセルが縮んだりして、こうなったと思われます。こういう事例はときどきありますね。

       

      ピックガードは一回り大きいものを新規に作製。日焼け痕がラインを残しているのでそれに倣って作りました。

        

      (ピックガードの作製は簡単なようですが、きっちり作るとなるとそれなりに手間と時間がかかります。http://9notes.jugem.jp/?eid=780

       

      ピックガードは黒の塩ビ製です。

       

      裏板側のセル製のバインディングが3か所外れていました。こういうケースでは両腰のところが外れますね。片側はそのまま引っ張手も戻らないほど縮んでいたので、途中でバインディングをカットしてから接着します。

        

       

      接着剤を入れてバインディング用のテープで押さえてから型木で全体をクランピングします。そのまま一晩固定。

       

      カットして短くなって隙間ができたバインディングは、同じ素材をそこに合うように切り揃えて詰めて接着します。

        

       

      バインディングとバック本体の目違いをはらってから細かいペーパーで磨いておき、バフで磨き上げたら完成!

        

      (このような作業を合計3か所行っています)

       

      ”28(ニッパチ)”に使われるローズは柾目のいいモノが標準装備されています。こんな芸当が出来るのはマーチン社だけでしょう。世界的にローズ規制(ワシントン条約)が行われている中でどこまで持ちこたえられるか。歴史がある会社なので買付の独自ルートを持っているかも知れません。

        

       

      最近は板目の変わった杢をサイド&バックに使うのが流行していますが、板目は反るものなので将来 力木が外れることも考えられます。ましてや白太(しらた:木部の周辺部で養分や水分が多いため腐りやすく弱い)をブックマッチの中央で剥ぐのは、木工では御法度なんですがこれも流行っています。うーん。

      ローズに代表される有限な天然素材・希少木材を末永く使っていくために、制作にかかわるそれぞれが知恵を出し合って守っていきたいです。

       

      関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

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      2019.04.16 Tuesday

      リペア ファイル その531

      0

        フェンダーJAPAN・テレキャスター /  フレット交換(リフレット)・ナット交換・指板塗・リアPU交換

         

        メイプル指板のリフレットは、指板面への塗装作業が伴います。その際、ヘッドやネック裏の塗装の焼け色あるいは着色してある指板・ネックの色とサンディングして白っぽくなった指板面の色合わせが、リフレットのミソとなります。

         

        フレットを抜き去って指板調整しています。塗装面を削り落とした後、メイプル指板の長て方向のストレート性と指板のアールを定規を使い確認しながら削っています。

          

         

        指板のアールに合わせてフレットにも専用道具を使いアールを付けてから一本一本打ち込んで行きます。(フレットの脚/タングも調整しながらの打ち込みでネックの剛性アップを計っています)

         

        塗装です。ヘッドとの色合わせをしながらアンバー系の色で着色しています。色合わせが終わったらに肉付けするためサンディグシーラーを重ね、最後はクリアーを載せて仕上げます。

         

        フレットピークを整えるため「すり合わせ」します。同時にフレットに載った塗装も剥がします。(フレットに塗装が載ったままだとミュートしたような音になってしまいます)

          

        専用ファイルでフレットに丸みを付けた後、フレットをペーパー各種で磨きあげて行きます。

         

        完成!

          

        メイプル指板のリフレットは、塗装込みになるので若干作業代金が高めの設定になっています。(ローズ指板より維持費がかかることを理解したうえで、メイプル指板のギターを購入されるといいかと思います)

         

        ナットも交換してあります。

          

         

        リアピックアップもシングル形状のダンカンのHM(JBモデル)に載せ替えました。これでフロント・リアともHMでポジションによる音量差も解消されたことでしょう。フロントHMでリアシングルだとフロントの音量が大きくなってしまいがちですからね。

          

        それでもかつてはキース・リチャーズとかアンディ・サマーズはうまく使いこなしていましたが・・・ジェフベックはPAFを2機載せたテレキャスター・通称『テレギブ』を愛用していたこともありますね。本機はこれに近いように思います。(相変わらず私のコメントは古いな・・・)

         

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        2019.04.12 Friday

        リペア ファイル その530

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          ヤマハ SF3000  /  ポット交換

           

          現役のジャパンビンテージ ”ヤマハSF3000”です。’80年代製だというこのタイプは私も初めて見ました。オーナーはいろんなギターをお持ちですが、使いやすさからずっとこれをメインにして来たとのこと。本機に代わってお礼を言いたいくらいです。

           

          ヴォリュームポットが耐久年数を超えたのでしょうポストが抜けてしまいました。ポットを交換しました。国産ポットから米国製CTS社のミリタイプのを取り寄せてポット交換しました。(通常のCTS/インチサイズだとノブが入らなくなるので)

            

           

          トーンポットは2段式(on-on)になっていて、PUがシングル⇔ハムバッカーの切り替え(コイルタップ)ができるようになっていました。

            

           

          ついでにジャックもクリーンナップしておきました。アウトプットジャック本体は国産の高級品が使われています。

            

          プレートはボディのアールに合わせて曲げてあります。芸が細かい!

           

          ヤマハが開発したシンクロタイプのトレモロユニットは、アームの差し込み位置がサドルより後ろにあるため微妙なアーミングがやりにくいとのこと。本家のフェンダー品に軍配が上がりそうです。

            

           

          1PU/1V/1Tのシンプルな設定。リア一発でOKなプレーヤーはこれで十分だとか。(これにシングルとハムの切り替えができれば、どんな楽曲でも対応できるのでしょう)

           

           

          ヘッドデザインははSGと共通ですね。大きな傷もなく大切に弾かれた来たチェリーサンバーストのSF3000、30年以上弾き込むとPUも材木も自然と枯れて来て温かな音です。音楽的な表現力も増しているように感じます。

            

          国産ヴィンテージは、海外でも人気が出てきて流出している様子です。基本設計がしっかりしているメーカー品は、どこへ行っても通用すると思いますが、できれば国内で評価されて使われるようになるといいですね。

           

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          2019.04.08 Monday

          リペア ファイル その529

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            BURGIN GUITARS  / トップ膨らみ矯正・補強

             

            ニュージーランドの個人製作家/ルシアーによる”ワイゼンボーン”スタイルのスティールギターです。オールコア単板仕様で、大変よくできた楽器でしたが、トップのブリッジの後ろ辺りが大変膨らんでいました。

            もともと弦高は高い設定ですので弦高にはあまり関係しなかったですが、別のトラブルを生む原因になりますので矯正しました。(音もデッドになりやすい)

             

            力木(トーンバー)とエックスブレイジング中間が膨らんでいます。ボディ内を湿度調整しながらトップから力を掛けて矯正します。その際、ほんのわずか熱も加えてやると戻りがいいです。(ただし気をつけないと塗装が熱でやられて取返しのつかないことになりますので、十二分に注意します)

              

            これを何日も繰り返し、トップを少しずつ下げて行きました。

             

            矯正できたら戻らないようにブリッジプレートを増設してやります。(なるべく軽くそれでいて強くフレキシブルであること)

              

            接着します。

             

            完了しました。

             

            ワイゼンボーンスタイルの特徴は、楽器を膝に乗せてスライドバー弦を押さえて演奏することです(指板にフレットはなくスジが入っている)。内部はネック下も空洞になっていてアコースティックサウンドがよく響く構造になっています。

              

            依頼者はこれにマグネットPUをつけて出力していますね。

             

            オープンコードをボトルネック奏法で奏でる楽器ですが、日本ではまだまだあまり普及していません。その奏法による独特のサスティーンが生むサウンドは、人の琴線に触れてどこかの楽園にいざなわれる感じを受けると思うのは私だけでしょうか?

              

            ハワイもいいな。ニライカナイもいいな。でも極楽浄土はまだ早いな。

             

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            2019.04.03 Wednesday

            リペア ファイル その528

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              Gibson L-00 /  ネック傷タッチアップ・ネック塗装

               

              1937年製のギブソンL-00です。御年87歳のヴィンテージギブソンですが、最適なリペアが施されており大変いい状態(トップの膨らみはありましたが、それを考えての処理がしてありました)でした。リペア痕を見ればどのぐらいの器量の仕事か分かりますが、この楽器は1流の仕事がずっとされており、そのためこの楽器が残っているのだと感じました。

              過去の仕事からこちらが学ばされること大です。

               

              ネック塗装に数か所 傷があったので”タッチアップ”で修正しています。お預かり時間も十分いただいていたので、塗装痩せも計算しながら作業できました。

               

              ネックの艶とボディの艶が少し合わなかったので、ネックを”ややつや消し”塗装して全体のトーンを合わせています。(過去にオーバーラッカーが施されていた)

               

              ネックは手で触るので艶が上がることを考慮して”艶けし”具合を調整しています。

               

               

              ”ひょうたん”のような小ぶりなボディでトップは3ピース仕様、完全なブックマッチでなかったです。私はブックマッチがすべてだと思っていなかったので「我が意を得たり」とうれしくなりました。

                

              ラダーブレイシングゆえトップが膨らんでいましたが、(リセットによる)ネック仕込み角度とブリッジの再接着により、弦高は最適化されていました。

               

              ヴィンテージスタイルのヘッドに3連ペグ交換がされていました(ブッシュも古いタイプ)。ただ、ギブソンはヘッドの厚みが一定でなくくさび状になっているので、裏側からペグポストを差し込むとヘッド表面に対して斜めに入ってしまいます。これがペグの故障の原因になっていますが、そういう設計なので修正できません(なぜこういう設計なのか?ヘッドの厚みは一定にすべきですね)

                

              ロングサドルにはオフセット加工がされて、弦長も補正されていました。

               

              ダイネミックレンジは広くないですが、いわゆる”枯れたサウンド”でこの楽器にしか出せない音色を持つオンリーワンのギターでした。楽曲によってはすごい表現力を持つでしょう。

                

              ギターはヴァイオリン属に比べて修理がしにくい構造ですが、我々リペアマンが知恵を出し合い”ヴィンテージギター”をさらに100年以上残せるように頑張りたいです。

               

              ギブソンギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=631

               

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              2019.03.30 Saturday

              リペア ファイル その527

              0

                ASTURIAS JAZZMATES model Rose / トップ割れ・力木外れ

                 

                アストリアスのエレガットです。表単板仕様。どこかでぶつけたのかトップが割れています。ピックアップとプリアンプを外して作業しました。

                 

                サイドにプリ用の窓が開いているので内部の作業がやりやすかったです。(なぜプリ側が破損したか考えてみると、こちら側が重いのと構造上弱いからだとも言えます。このことはどのプリアンプ付きのギターにも言えますね)

                  

                割れ面に段差が出来ていたので、接着剤を摺り込んでから、内部からジャッキアップして上下からクランプします。

                 

                割れ面にパッチを張っていきます。

                 

                衝撃からか力木が複数個所外れていました。接着剤を入れてからクランプで圧着。

                  

                 

                今回は「塗装なし」で仕上げました。ウレタン塗装だったので凹んだところはエポキシで盛り上げてから水平に研磨し、最終的にはバフで磨いてあります。

                  

                全体をクリーニングし弦を張って完成!

                 

                アストリアスはアコースティックの楽器(クラシックギターやスティール弦のアコギからマンドリン・ウクレレまで)を何種類も手掛けており高品質で定評があります。また最近は”ダブルトップ”のクラシックギターが海外でも評判のようです。

                  

                この楽器もエレガットなれど生鳴りもよく、これからさらに使い込んでいけば、こなれた心地いい音になって行くことでしょう。

                 

                クラシックギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=648

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                2019.03.25 Monday

                リペア ファイル その526

                0

                  フェンダーmexico ストラトキャスター / PU交換・ピックガード作製

                   

                  ”ストラト弾き”の依頼主「2H仕様のストラトを持っていても案外出番がない」ということで、シングルのそれも「P-90」へ交換とそれに伴うピックガード交換をしたいと持ち込まれした。このギターにジャストフィットするピックガードは存在しませんので、新たに作製することに。

                   

                  すでにハンバッカーはギブソン「Burstbucker」に交換されていて、コンデンサーはバンブルビー、ポットも500Ωに交換されていました。ピックアップはシングルPUの「P-90」を選ばれていますが、あえて伝送系はこのままの仕様で行くことになりました。

                    

                  素材は同じ黒3プライをチョイス。大まかな形を写しました。

                   

                  ノコ幅の狭い”帯ノコ”でカットします。次にオリジナルを写し取るためこれをそのままテンプレートとしてルーターテーブルで「倣い加工」します。写真はないですが、刃物を45°の「面取り」用に交換してエッジを斜めに加工します。

                    

                   

                  3wayスイッチ用の穴の加工専用ジグ。細いビットを探して使っています。

                    

                  ビス穴位置をオリジナルから転写してボール盤で穴開け加工。その後ビスの「皿面」を取る専用のビットでビス穴を仕上げます。

                   

                  一度、ネックとボディとピックガードを組んで見てセンターを確認してから「P-90」用の穴を抜く位置をピックガードに書き込みます。(位置決めでは、ホールピースにバランスよく弦が架かるように配分します)それから糸鋸で小さめの穴をくり抜いてから、

                    

                  「P-90」用のテンプレートをセットしてトリマーで「倣い加工」します。

                   

                  アッセンブリー位置に銅箔を貼ってシールドします。

                    

                  ピックアップは巷で噂のメーカー”LOLLAR PICKUPS"。ピックアップはネックとリアで出力が変えてあるようですが、ホールピースの間隔は同じでした。カバーもダンカンより長て方向がや短かかったです。(テンプレートもそれに合わせています)

                   

                  「P-90」はボディ直付けですので位置決めがしっかりしないとピックガードにジャストで決まってくれません。1・6弦を張って位置確認してみます。さぁて、ピックガードを載せて・・・

                    

                  完成!

                   

                  そのサウンドは、「音に品があってきめが細か」感じです。「P-90」特有のワイルド感を残しつつ高品質になったような。高めの値段設定なれど通が載せ替え用ピッアップに指名するだけある”LOLLAR PICKUPS”です。いいですよ!

                   

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                  2019.03.20 Wednesday

                  リペア ファイル その525

                  0

                    カマカ K100 /  ネック外れ・フレット再打ち込み

                     

                    ウクレレといえばハワイです。カマカ・コアロハ・Gストリングス・コアロハはハワイ製のウクレレメーカーとして定評があります。この個体はKAMAKA製で杢なしコアでできていました。

                      

                     

                    持ち込まれたときは、ネックがユルユルで12フレットが抜け落ちていました。

                     

                    すぐにネックが外れてしまいました。なんと丸ダボ1本でジョイントされていました。これでは抜けてしまうのも無理ありません。ジョインとするヒール接合面を修正してから、サイジング(接着性がよくなるように接着剤で導管をあらかじめ固めておくこと)しておき、改めてエポキシ系接着剤を使いポニークランプで圧着しました。

                      

                     

                    つぎにダボをもう一本打ち込む準備をします。ロングドリルでヒールに斜めに下穴を開けてからローズ製の丸棒を叩き込みました。

                      

                     

                    ヒールに馴染むようにカットしました。これでネック強度が出たと思います。

                      

                     

                    抜け落ちた12Fにフレットを入れる準備をします。指板にフレットタングより少々きつめの溝を切ってから、フレットを打ち込みました。

                      

                     

                    フレットはマンドリンやウクレレに使う一番細いものを使用します。

                    修理完成!

                     

                    使い込まれたウクレレでしたので、出音はとてもこなれた角のない音色で優しい音です。マホガニーよりは音の輪郭がはっきりしている印象です。杢がないコアでもきちんとコアの音がしますよ。

                     

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                    2019.03.16 Saturday

                    リペア ファイル その524

                    0

                      ANTORIA  G2 110 / ブリッジ剥がれ・再接着・全体調整・クリーニング

                       

                      40数年前に購入したという”アントリア”というブランドのギター。このネームは初めて聞きました。どうやら日本製の海外輸出ブランドのようです。学生時代はこれをずいぶん弾かれたそうで、定年後に久方振りに出して見たら駒が浮いていたそうです。

                        

                      つくりは、オール合板製で力木はラダーブレイシングでした。

                       

                      弦の張力で駒の後ろ側が引っ張られ浮いていました。ラバーヒーターでブリッジ(駒)に熱を加えて完全に剥がします。

                        

                       

                      ブリッジ自体が変形していたので、アイロンで矯正しています。駒下にあたるトップも修正します。

                        

                       

                      接着面が剥がれたときに部分的にめくれていたので、ブリッジを接着しても合板製のトップの剛性は低いと判断し、ビスで補強することにしました。

                        

                       

                      ブリッジとトップを貫いたビスが裏面でワッシャーで留めてあります。この手の補強は一般的に行われていて、実際に有効です。(ギブソンなどに多いですね)

                       

                      レトロな雰囲気です。0フレット仕様でした。

                        

                       

                      ボディの胴の深さがネックヒール部とボトム部が同じ深さでした。通常はここは浅く→深くと胴にテーパーがついているのですが、同じなのでネックヒールが長いです。

                       

                      どことなしに短めなドレットノートです。きっとマーチンかギブソンをコピーしようとしながら、完璧にはできなかったのでしょう。ギターを知らない木工職人が舶来品を真似ようとして作ったギターでは、こう言うことが起こりえます。高度経済成長期の日本のフォークギター制作黎明期はこういうところからスタートしたんですね。

                      貴重な一本です。

                       

                       

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