2020.09.07 Monday

リペア ファイル その679

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    YAMAHA No.85 ヤマハ クラシックギター /  ペグ交換・ナット交換・駒(ブリッジ)接着・サドル作製

     

    1960年代製作と思われるヤマハのクラシックギター。昔ギタマン(ギター・マンドリンクラブ)で活躍していた叔母様が持っていたギターを甥っ子の依頼主がリボーン(reborn)/再生を希望されました。

      

    駒が外れて失われておりナットもガタがきていました。それでもタッピングトーンが乾いて澄んでいたので、このままでは忍びなく再生されようとした のでした。

     

    昔のクラギのペグの軸間隔は35ミリ以下のものが多く、通常のクラシックギター3連ペグが装着できないのでセパレートタイプのペグを取り付けます。

      

    こんなケースでは”キクタニ”販売のペグを選ぶことが多いです。(3連ペグのネジ穴は埋め木しておきます)

     

    駒が取れてしまった痕に新品の駒をあてがい、弦長と弦幅の位置を確認して接着準備をします。

      

    クランプするため裏側に”当て木”を必要ですが、クラギの力木はいろんなパターンがあるのでそれに合わせた”当て木”を毎回作製することになります。(力木をまたぐようにカットがはいっている)

     

    接着。

      

    サドルも新規に作製します。

     

    弦高は12Fで1弦2ミリ・6弦3.5ミリと低めにしてあります。(通常は12Fで1弦2.5ミリ・6弦4.5ミリ)

     

    溝がルーズなので古いナットを新しいものに交換しました。

      

    なぜか〄JISマークが刻印されています。ギターにも”工業規格”なるものがあったのですね・・・

     

    ヤマハのロゴも至ってシンプル。

      

    表板はスプルース。サイド&バックはメイプル(楓)。すべて単板仕様です。この時代はサイド&バックはローズではなくメイプルであるものをよく見かけます。私の推測では恐らくバイオリン材を流用しているからだと思います。

     

    指板をはじめ全体の汚れを落としバフで磨けば可愛いギターとなって復活しました。とても涼やかで気持ちのいい音でした。

      

     

    クラシックギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=648

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    2020.09.03 Thursday

    リペア ファイル その678

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      Fender マリブ / 力木外れ

       

      このシーズンは7月の長梅雨の影響もあってか「力木外れ」や「ネック反り」のトラブルが多かったです。アコギの内部は塗装がされていませんので、湿度の影響を受け木部が膨張し木目に対して直角に張り付けてある「裏板の力木」が外れるケースがままありました。

      力木が外れるとある周波数で共振して異音が発生します。ある弦ポジションのをつま弾くと”ビヨーン”とか鳴ります。

       

      弦を外して裏板をタッピング(叩くこと)すると外れている力木の上では「ダブった」様な音がします。そこにヘラをあてがうと隙間がある場合はヘラを差し込むことができます。(力木がくっついている場合は、ヘラが入らない)

      接着剤をヘラに載せて隙間に充填して行きます。

       

      内部に「つっかえ棒」をして外側からはクランプでかしめて力木を再接着。

      数か所外れていたのでその都度 同じ作業を繰り返し力木を再接着していきます。

       

      一番左のただの板が今回使った「つっかえ棒」。そのほかジャッキ機能がある「つっかえ棒」。

        

       

      マリブは弦長がショートスケールの小振りなギターです。

        

      ピックガードのカットやブリッジのデザインは「アールデコ」スタイル。(「アールデコ」スタイルのギターで一番有名なのは”D’Angelico”でしょう。ニューヨークの摩天楼がモチーフです)

       

      シングルヘッド。

        

      「力木外れ」はサウンドホールから手を突っ込んで作業しますので難儀します。とくに接着剤を拭き取ったり削ったりするが狭い空間ゆえ思うようにできないのが辛い。この時ばかりは童の手を借りたくなります。

       

      フェンダーギター修理 インデックス:http://blog.9notes.org/?eid=824

       

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      2020.08.29 Saturday

      リペア ファイル その677

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        モーリス W-80  /   フレット交換(オーバーバインディング)・ネックアイロン矯正・駒上面削り・サドル溝掘り直し・ブリッジプレート貼り付け

         

        1976年(昭和49年)発行の”ヤングギター”誌の裏表紙で”かまやつひろし”氏が抱えるモーリスW-80。「スーパースターも夢じゃない!」のコピーが一世を風靡しました。

        この時期に中学生だった私も強いインパクトを受けています。

         

        この楽器は、依頼主の叔母様のギターだったらしいですが、ネックが反り弦高が非常に高くて弾ける状態ではありませんでした。フレットもペタペタで低かったので「フレット交換」をしながら弦高を下げる作業をします。(予算の都合上「ネックリセット」までは手を加える選択肢はありませんでした)ペンタゴンインレイはセルではなく本物の貝が入っています。

          

        指板ヘッド側を多く削って仕込み角度を強くする選択もありますが、そのまま削るとインレイが薄くなり過ぎるので本来はインレイを外して再び掘り込む作業が必要ですが「アイロン矯正」の方がコスパがいいので、14フレット付近からネックを曲げて仕込み角度を強くしました。

         

        オーバーバインディング仕様ですのでフレット端を専用ジグで加工します。

          

        ネック強度を増すためにタングを調整してきつめにしたフレットを打ち込んでいきます。

         

        「すり合わせ」してからフレットピークを丸めで磨いて仕上げます。

          

        一部バインディングが破損していましたが、そこも補修してあります。

         

        ネック側で調整してきましたが、まだ若干「仕込み角度」が不足していて十分に弦高が下がりません。そこでさらに駒の上面を少し削る選択をしたのですが、この時期の国産ギターのサドル溝は浅くて、サドルを削ってしまうと高さ側の厚みが薄くなり過ぎサウンドに悪影響が出ます。そのためサドルを一旦埋めてから掘り直すことが必要です。

          

        駒の上面を削って・・・

         

        サドル用の溝をルーターで掘り直します。(このとき弦長を計測して弦長補正もやり直しておきました)

          

        ブリッジピンからのサドルピークまでの立ち上がり角度が欲しいので「誘導溝」をミニルーターで掘り込みました。

         

        駒が薄くなると弦のボールエンドから巻き返し部がサドルに乗っかってしまうことがあるので、ブリッジ裏にプレートを張り付けます。こうするとボールエンドの位置が低くなってサドルに掛かるモーメントも増えます。

          

        駒を染め直して完了しました。

         

        D-42を模したのかトップ面にはアバロン貝が巻いてあります。

          

        トップはスプルース単板。サイド&バックはローズ合板。

         

        いわゆる”縦ロゴ”インレイ。ナット底面は指板面に対して斜めに装着されているタイプ。

          

        弦高が低くなったことで”現役ギター”に返り咲くことができました。

         

        「変われば変わるもんだ」とは依頼主の最初のコメント。前に飛ぶサウンドの音圧は迫力を感じました。

        押し入れなどで長い間眠っていたギターは、ともするとネックが反ってしまっていますが、このように蘇ることも可能です。若い人には蘇ったギターは新鮮に映るでしょうし、昔若かった人にはタイムマシーンに感じるかも知れません。

         

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        2020.08.25 Tuesday

        リペア ファイル その676

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          Maton TE personal C.G.P /  ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ

           

          メイトン ギターズ/カスタムショップmaidの”Tommy Emmanuel"シグネーチャーモデル(サイン入り)。

          トニー・エマニュエルは、フィンガーピッカーにとっては神様的な存在ですね。(私も大好き。笑顔でギター弾くプレーヤーって案外少ないですが、彼とエディ・ヴァン・ヘイレンは超テクなのにそれを愉しそうに表現するんです)

           

          サインも入っています。

          C.G.Pとは「Certified Guitar Player」の略で”世界最高峰ギタリスト”という意味だそうです。まさにトニーはそうです。

           

          ネックが元起き状態だったので、「アイロン矯正」で修正しています。

            

          フレットピークのレベルを整えたいので平ヤスリで「すり合わせ」します。

           

          ピークがヤスリで台形になったので半丸ヤスリなどで再びピーク(山頂)を切り出します。

            

          ヤスリ痕がフレットに残りため、それを番手の荒いペーパーから細かいペーパーに換えながら磨いていきます。

           

          最終的にはバフで磨き上げて完成。

            

          (ハイフレットまで使うギタリストには、指板角度変更する「アイロン矯正」より「リセット」の方がいいのですが、コストパフォーマンスが「アイロン矯正」の方がいいので「リセット」前に一度これを試てみるのも手です)

           

          メイトンの”アンダーサドルPU”。タカミネのシステムと似ているのでバラしてみるとほとんど同じ。

            

          (関係者から聞いたところ)どうやらかつてトラブルがあった模様。

           

          メイトンのシステムには”ズームマイク”が付属していて、これをアンダーサドルPUとミックスするとトニー・エマニュエルの音がするぞ!

            

          シンプルながら的を得たコントロールシステム。

           

          アウトプットジャックはボディサイドに付いています。バックandサイドはフレイムマホガニーでした。

           

          ボディは小振りながら、スケールは650ミリ。トニー・エマニュエルはこれを弾き倒すごとくトップがボロボロになるまで使っているのを見るとだれもがこのギターを弾いてみたくなりますよね。たしかに塗膜が薄く仕上がっているのでトップが振動しやすそうです。

           

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          2020.08.21 Friday

          リペア ファイル その675

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            Martin D-28 /  バインディング外れ

             

            マーチン社のクオリティーの高さはほかのメーカーのお手本だと思います。「清々しさ」さえも感じるのは、デザインのシンプルさと”柾目取り”のせいかな。

             

            長梅雨のためかこの夏は「バインディング外れ」や「力木外れ」修理の依頼が多いです。

              

            材木が湿度のために膨張と収縮を繰り返すと先の現象が現れます。マーチンの「バインディング外れ」にはさらに「セルの縮み」が加わります。

             

            裏板の腰の部分2か所でバインディングが外れています。ネックヒール部はまだ付いていましたが、アッパーバウツ(上半身)のバインディングをそっと外して再接着することにしました。

              

            セルも縮んでいたので密着させるのは途中でセルを切る必要があったのです。腰のところで切ると目立つためアッパーバウツのバインディングを一旦外すことで、ヒール部に隙間を寄せることができます。

             

            再接着後、ご覧の通りヒールの後ろに隙間ができました(この分、セルが縮んだことになる)。

              

            古いセルバインディング(色を合わせるため)を使って隙間を埋めます。

             

            わずかな段差を細かいペーパーで取り除き、バフで仕上げます。

              

            きれいに仕上がりました。

             

            真っすぐ目の通ったローズ材(柾目)。

              

            セルで埋めた隙間もそれほど違和感ないと思います。

             

            イニシャル”D”はドレッドノートですが、弩級戦艦(どきゅうせんかん、dreadnought)の意味だとか。英国の馬鹿でかい戦艦にたとえて付けたそうです。

              

            もう少し調べたら「恐れ知らず」の意味であるとのことから、「デカくて怖いものなし」なんですね。日本的に考えると江戸幕府に開国を迫った黒船みたいなものかな。

             

            べっ甲柄のピックガード。HDだとトップは「ヘリンボーン」のバインディングですが、これはDなのでセルバインディング5重巻き。

              

            目立つ傷もなく大切にされた来たことが解る逸品でした。

             

            関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

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            2020.08.16 Sunday

            リペア ファイル その674

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              マーチン D-28SQ   /   ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ブリッジピン穴調整

               

              ネックが”スクエアネック/かまぼこ型”のマーチン D-28SQ 。ごっつい感じのネックですが、実は演奏しやすいです。素材も吟味されているのが見て取れます。

              ネックがやや”元起き”ですが悪いコンデションではありません。オーナーからの依頼は「もう少し仕込み角度を付けてサドル高を上げる」ことでした。そこを改良することでさらに「鳴り」をよくすることを目指します。

               

              14フレットから折れるようにネックに仕込み角度をつけるべく「アイロン矯正」します。希望設定角度まで何度もトライ!

                

              この時点でネックもやや反らしてあります。弦を張ったときに真っすぐになるようにフレットピーク調整(すり合わせ)します。

               

              頂点を擦ったので再び半丸を専用ヤスリでつけ直し。

                

              フレットにヤスリ傷が残るので、それを各種ペーパーできれいに取り除き最終的にピカピカに仕上げます。

               

              ブリッジピンの頭がやや出ていたので、リーマーで少しピン穴を広げました。

                

              ヴィンテージタイプブリッジは本体に弦溝が切ってなくピン自体に弦溝が切ってありますが、5弦と6弦はそれでも”きつい”のが現状だと思います。そこでピン穴の面取り部分を超えない程度にヤスリで溝を切り込みます(この楽器はサドルとピン穴が近いタイプなのとサドル高が十分なので誘導溝をそれ以上広げる必要なしと判断)。

               

              こうやってブリッジ本体に弦溝を切る方が弦交換も楽になるし、弦とブリッジの密着度も結果アップします。

               

              サドル高を上げるために仮に”敷板”しました。(オーナーは自分でサドルを作る技量がある方なので新しいサドル作製はお任せしています)

                

              仕込み角度変更で「サドル高」が十分になりました。

               

              ブリッジピン穴からサドルトップまでの角度が何度が適正なのか数値で示せたらいいのですが、そこはその個体にあった角度があるのでうまく説明できません。(本当は数値で示すことも可能な世界ではあります。ただしそれでも個体差は残るでしょう)

              この楽器の場合、サドルとピン穴が近いのであまりサドル高が高いと太い弦の折り曲がり角度が強くなり過ぎ(スティール弦は曲がったところが硬くなり)振動しなくなるので、弦長補正が不足してしまいます。(ベースではしばしば起こる現象)

               

              今回はそれ以上書かないですが、そのほかいろいろな条件で「適切なサドル高」が決まってきます。

               

              70年代仕様のヘッド。

                

              わずかですが、14フレットから仕込み角度が強くなっています。(天然素材である木材を自由自在に曲げるとはいきませんので、左右の差はどうしても出ますが)

               

              風格を感じさせる28(ニッパチ)。黒のピックガードが全体を引き締めています。

                

              柾目のローズが作り出す倍音が豊かでマホガニー&サイドのD-18とは明らかに違いますね。

               

              依頼主からはありがたいことに私の仕事に信頼を寄せていただき、何本もギターをお預かりさせて戴いておりますが、その分毎回緊張もしております。そういう信頼してくださる何人もののお客様に育てられて今の私があると思います。

              暑かろうが寒かろうが頑張ります。(でも今年は暑いな・・・「適度に頑張る」に修正します・・・)

               

              関連ブログ:マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

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              2020.08.12 Wednesday

              リペア ファイル その673

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                Chaki コントラバス F-30/  トップ割れ・サイド割れ補修(タッチアップ塗装)・トップ欠け修復(タッチアップ塗装)・ブリッジ脚立て

                 

                プレス甲単板モデルのチャキ・コントラバス。合板モデルとは出音の深みが違います。学生オケ(吹奏楽)では定番楽器ではないでしょうか。(今は製造していませんが)

                オーナーはブルースバンドのベーシスト。エレキベースもさることながらウッドベースも弾きこなす技量の持ち主です。

                 

                トップの剥ぎ面に亀裂/段差が出て来ました。サイドのメイプル単板に木目に沿って亀裂が入っています。

                  

                経年変化で木材が動きましたね。

                 

                こういう単板モデルの補修修理の場合、裏板を外して内部からパッチを圧力をかけて段差を修正するとかパッチを当てるとかするのが伝統的な修理方法なのですが、そうなると大掛かりな修理になって作業代金もかさんでしまうので、今回は表側からできるだけの作業をして修正することにしました。

                  

                エッジはぶつけてあちらこちら破損していたり傷や塗装剥がれがありました。塗装剥がれ部分は同色を刷毛塗りしておきました。

                 

                開いたり、浮いたところは膠を摺り込みクランピングして接着します。

                  

                 

                隙間が生じているところは「薄板」を差し込んで補修していきます。

                  

                ギリギリまでカンナで削ってから最後はスクレーパーで段差を無くします。

                 

                トップとサイドの一部に「薄板」を差し込みましたが真新しい色です。そこで新しい材と周りの材との”色合わせ”するべく水彩絵の具でタッチアップした後、ラッカー塗料を部分的にエアーブラシで吹き付け仕上げます。(チャキはシェラック仕上げではなくラッカー仕上げです)

                  

                ギターと違い大きいので塗装部屋での取り回しが大変。

                 

                わずかな段差は残りましたが、修正面と周りとは違和感なく仕上がっています。

                  

                全体が半艶になっているので新規の塗装もそれに合わせてやや曇らせて仕上げています。

                 

                新しい塗装と古い塗装の繋がり具合がなかなかうまくいかなくて・・・何度もやり直しました。

                  

                エッジの「欠け」ている部分はノミで取り除いて・・・

                 

                同じような木目のスプルース材をあてがい、加工します。

                  

                エッジは”玉淵”になっているのでそこも再現。

                 

                「色付け」して「部分塗装」し何となく古く見せかけて仕上げました。

                きれいにするより自然に汚す方が難儀・・・

                 

                弦高調整ができる駒(ブリッジ)に交換しました。駒を指板アールに合わせて削ったうえ伝統的な「コントラバスの駒」のセオリー通り全体を整形していきます。(友人のバイオリン製作者監修の元です)

                  

                トップのアールにピッタリ合うように駒脚も整形してあります。

                 

                クラシック演奏家ではないので弓弾きではなく指弾きがメインですので弦高は低めに設定されていますが、Bow(弓)にも対応できるようにアジャストタイプの駒をチョイスされたのです。

                アコースティック楽器であるコントラバスは、エレキベースとは違う音の世界感があるので”BASS弾き”には尽きない魅力がある楽器に映ると思います。

                 

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                2020.08.07 Friday

                リペア ファイル その672

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                  tatsuhiko HIROSE 2000 10弦クラシックギター /  トップ割れ補修・ネックフレットバリ取り・ボディ研磨

                   

                  若きジャズギタリスト所有の10弦クラシックギター。クラギでジャズを演奏するだけでも珍しい(私が知らないだけ?)のに10弦を弾きこなすなんて想像を絶します。

                   

                   

                  廣瀬 達彦氏は親子2代(父 廣瀬 春彦)に渡る製作家であると知りました。大変緻密な作りであるうえ素晴らしい仕上がりです(セラック塗装)。

                   

                  トップにクラックが入っていました。指板材の黒檀が縮んだときにトップが引っ張られてヒビが入ったと思われます。

                    

                  割れは深くないので、膠を摺り込んでおくだけでもヒビの進行を止められますが、さらに指板が動いたときのことを考えて裏側に補強を入れることにしました。

                   

                  木目に沿って割れが入っています。

                    

                  薄板のパッチをあてました。

                   

                  セラック塗装がゴム(石油系)製のギターリフト(斜めに構えるための補助製品)によって浸食されていました(バック・サイド・トップ数か所)。細かいペーパーで研磨して段差を極力取り除いてから熱を加えないようにバフで磨きました(摩擦で熱を持ったらセラックは溶けます)。

                    

                  指板端にフレットバリが出ていました。また斜めにカットされたハイポジションのフレット端が鋭角になっていたので、それもヤスリで丸く修正しておきました。

                   

                  糸巻は依頼者によってオリジナルよりさらに高品位のペグに交換されていました。

                    

                  弦高は割と低めの設定でした。1・2・3弦はサドルにテンションが掛かるようにアルミ製の弦留め(クリアトーン)が装着されていました。

                   

                  10弦ギターは6弦よりトップを強い力(70〜80キロ)で引っ張るのでトップの剛性を上げて作らないといけませんが、あまり強くすると鳴らなくなるし難しいと思われます。ただ複弦であるので弦の共振により6弦よりふくよかな音がします(ハープのような)。

                    

                  そのためミュートが重要だと教えていただきました。複弦の世界は玄妙です。

                   

                  クラシックギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=648

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                  2020.08.03 Monday

                  リペア ファイル その671

                  0

                    G&L L2000 Bass /  アウトプットジャック交換

                     

                    フェンダー社の生みの親であるレオ・フェンダーさんが最後に行きついた会社”G&L ”。このベースはミュージックマン社のスティングレーのようにアクティブPU仕様です。(パッシブでも鳴るらしい)

                     

                    ノイズが出るということで‥澱啝栂魅船Д奪▲献礇奪の接点のチェックをしました。どうやらアウトプットジャックが原因ですね。アウトプットジャックは消耗品だとお考えください。プラグの抜き差しで金属同士がぶつかり摩耗していくからです。

                      

                    アウトプットジャックを交換します。アクティブPUなので”STERO"仕様3ピンジャックを使います。

                     

                    キャビティ内のプリアンプ。

                      

                    ストレイトジャックがキャビティ内に突き出ています。音出ししてノイズが消えたのを確認しました。

                     

                    預かる時間が短く電装系を詳しく見ることができませんでした。ポットはボリューム・トレブル・ベース、3点トグルスイッチはポジョンの切り替えが一番上で、その下2個はどのようなコントロールかわかりませんでした。(多彩な音作りができるが、ちょっと複雑すぎ?)

                      

                    重量のあるブリッジ。

                     

                    トラスロッドはヘッド側から調整できます。

                      

                    トラスロッドがヘッドに突き抜けるとネック裏が薄くなりウイークポイントになりがちですが、そこも踏まえて厚みを残したネックグリップになっています(さすが)。

                     

                    ペグシャフトとは短くてありますね。フェンダースタイルだとこのシャフトが曲がる事故が結構あることを知ってのことでしょう。

                      

                    ボディへは6点でネジ留めされています。

                     

                    JBやPBでの欠点を補いながら新たなアイデアを注ぎ込まれているのが見て取れます。

                      

                    改めてレオ・フェンダーさんは凄いなと思いました。革命家ですね。

                     

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                    2020.07.30 Thursday

                    リペア ファイル その670

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                      Washborn W-400  /   フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換・ブリッジ弦誘導溝加工

                       

                      楽器は使ってこそ本望だと思いますが、このギターを体現しておりフレットが弾き込まれてずいぶん摩耗していました。

                      (若きミュージシャンのギターです)

                       

                      フレットを交換します。フレットを抜き去ってから指板面を真っすぐになるように整えます。フレットが減る時期が指板メンテナンスを行う時期とだいたい一致しますので、ここでネックのコンディジョンアップが図れます。

                        

                      指板にバインディングが巻かれていますので、フレットはそれをまたぐような加工(オーバーバインディング加工)をフレット端に行います。

                       

                      ネック下に鉄アレイを置いて金槌でフレットを一本一本打ち込んで行きます。この際、ボディに重しを置くと反動が抑えられフレットがタイトに喰い込んでくれます。

                        

                      そのあと平ヤスリで「すり合わせ」をしてから半丸ヤスリでフレットの山を付けて、最後はペーパー各種で磨き上げて行きます。

                       

                      完成。白いバインディングの上にフレットが載っているのが解りますか。

                        

                      フレットはもちろん指板もきれいになっています。

                       

                      フレットを交換するとナット溝が低くなってしまいますので、ナットも交換しています。

                        

                      非対称なヘッドデザイン。

                       

                      サドルを削ることなしに弦高を下げられました。ただサドル高はそれほど高くないので、ブリッジピンからの弦の誘導溝をブリッジに切り込むことで「立ち上がり角度」を付けてやることにします。

                        

                      これでサドルに掛かる力(モーメント)がアップします。

                       

                      フレット交換・ナット交換・調整などで以前よりダイナミックレンジ広く鳴ってくれています。

                        

                      これからさらに弾き込んでくださいね。

                       

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