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2017.12.31 Sunday

職人と工員 / 玄人と素人

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    2017年もあとわずか。このブログにお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。

     

    バタバタと一年仕事ばかりの日々でしたが、仕事ができることは”うれしい”ことですし、

    そこで成長できることも”喜び”です。(ただ、仕事が”楽しい”と思ったことは一度もなく、

    ”苦しい”ことの方が多いです。仕事とはそんなものと思っていますが、性格かな?)

     

    年末に際し今年一年で感じたことを記してみます。

     

    若い職人が転職しました。高校を出て12年 楽器作りに関わり一人前の職人でした。

    油が乗り切ったときなので、なんでもこなします。いい腕でした。

     

    30歳・35歳は「転職適齢期」で、売り手市場だと言います。

    その期を逃すことはないでしょう。いい決断だと思っています。

    彼は選んだのは別の業種で安定が見込める業界でした。

     

    取引している楽器店の若い店員さんも、この業界を去っていきました。

    楽器業界は将来性が薄いのです。それは事実です。私もそれを実感しています。

     

     

    昔は「腕に職をつければ一生喰っていける」と言われたものです。

    しかし、現在は”腕”だけでは食べていけないでしょう。

     

    (「腕があるのは当たり前」という前提で話をしますと)

    昨今の職人は腕(技術)以外にも「営業」もできないといけません。

    「経理」も「企画」も「研究」も「管理」も・・・総合的な能力が求められるのです。

     

    ただ一般的には、まだまだ「職人さんは口が下手なのはしょうがないですよ。黙っていい仕事

    すれば喰えなくなることはないでしょ。そういうものなのよ」というイメージが蔓延しています。

     

    職人も飛びぬけた”腕”と”発想”を持つ者は、上の言葉とおりかも知れませんが、

    上級者の職人でもよっぽど大手の会社に属していないと全うできないでしょう。

     

     

    「職人」と「工員」の違いに関して。

    定義がある訳でもないのであくまで私の感じたことですが、

     

    メーカー勤務でひとつ・ふたつの仕事をこなすエキスパートは「工員」。

    メーカーは、「職人」を求めておらず「早く正確に数をこなせる」人間を

    各ポジションに配置して「利益」を追求し、その対価として給料をきちんと保障する。

     

    一方「職人」とは、下積みを経て仕事全体を知る機会を得た者。

    腕が付く前に「講釈をたれる」ことはご法度。封建的ですね。この時代にはマッチしません。

    収入は腕次第だが安定していない。

     

    昔は手仕事が多かったので発注する者も受ける者も生活のペースが同じで、

    その給金で世間が回っていましたが、近代は工業化したため効率重視で安価な製品が求められます。

     

    したがって「職人」は生息しづらい状況です。

    「職人」になりたいと思っても修業する機会が減っています。腕を磨くにはある程度の数をこなすことが

    必要です。「職人の親方」にそれだけの仕事がない。親方一人分の仕事が精一杯なのが現状でしょう。

     

    「職人」という言葉が美化され過ぎているんじゃないでしょうか?

    日本もドイツのように国が補償する「マイスター制度」の導入を考える時期では?

     

     

    亡くなってしまいましたが、岐阜の長良に「凄腕の素人」職人がいました。代々酒屋の家柄でそこを継ぎましたが、

    職人になるべく自力で(あるいは職人を雇って教えを乞うた)腕を身につけ「茶杓や花入れ」を作りました。

     

    骨董屋で過去の品を手に入れ使ってみて研究し、”遊びこころ”を持って自身の仕事に当たりました。

    それこそ、並の職人の作品にはない”気品”が立ち込めていて魅了されました。

     

    優れた書や陶芸を残した『本阿弥 光悦(ほんあみ こうえつ)」だって「刀の研ぎ」が本職でしたね。

    本業でなくても飛びぬけた仕事をする例は数々あるでしょう。

     

     

    昨今は専門学校が充実しているので、そこを卒業してすぐ独立する人も多いです。

    独立する人は”腕に自信がある”ので、勝負する気になるのでしょう。実際うまい人が多いですね。

     

    ただどうしても経験値が低い。親方の背中を見て育った者は、仕事を”盗み見”し自分に経験に換えていきました。

    そういう経験が薄い。それでも今はユーチューブなどで世界中の仕事を見られるので、問題ないかな。

     

    そして『工房』を開設します。しかしそこがゴールではありません。

    『工房』を続けることの方が開くことよりずっと難しいのです。

     

    木工でも楽器製作でも開設後3年で、どのくらい基盤を作れるかでその後が変わって来るでしょう。

    はじめは身内や友人が仕事をくれるのでそこで経験を積ませてもらって、

    他所からの仕事をもらえる身にならないといいけません。

     

    後はその人の運や境遇次第ですが(努力は当たり前)、お金がなくたって立派な仕事をした人はたくさんいますし、

    恵まれた境遇で優れた仕事をした人もたくさんいます。要は境遇という「枠(わく)」を嘆いても仕方ないので、

    その中で全力を出すことでしょう。

     

     

    と偉そうなことを書いてしまいました。

     

    「何を求めているか」で、その人その人で答えが違いますね。

    そこに「工員・職人/玄人・素人」の差はない、と言えます。

     

    将来性だって、ある程度は自分自身で切り拓いていけるはずです。

    そう信じています。

     

    来年がよき年となりますように。

     

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