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2015.03.14 Saturday

ダブルトップ

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     (写真はアストリアス社のダブルトップ)

    「ダブルトップ」とは薄い2枚の板の間に「ノーメックハニカム」をサンドイッチした構造のトップ(表板)のことで、軽くて丈夫なトップゆえ音量があり、弦振動への反応早く、現代的な音楽に適していると言われています。

    (売れっ子のギタリストのジョン・ウイリアムスのメインはスモールマンですが、音量や反応は同じ線上の楽器と言えるでしょう)

    ガオ・ユーロンのトップに使われた力木(ブレイジング)は、ラティス(格子)ブレイシングがですが、トーレスタイプ力木の楽器ではマティアス・ダマンのダブルトップのギターが有名です。

    (もともとこの「ダブルトップ」を考案いたのがダマンとゲルノット・ワグナーでこの2人の開発による、と資料にあります。)

    オーストラリアのグレッグ・スモールマンが極薄のトップにラティスで完成させた音よりも、トーレスタイプの力木で幅広い音作りが可能じゃないかなと私は推測しています。(反応の速さはラティスに分があります)

    また上下の板の種類の組み合わせの自在です。「松・松」「松・杉」「杉・松」「杉・杉」この違いも面白そうです。

    スモールマンやダマンの楽器に代表される新しい理論のクラシック・ギターが、現代のプレーヤーに急速に支持される理由は、まずその音量にあると思います。音がでかい。ここでは音質は置いといて音量だけで論じますが、ソロ楽器に音量が必要とされる背景があるかと思います。(アンサンブルでは一人音が大きいとバランスがくずれるが、2人が使うと全員がその楽器が欲しくなるようです)

    演奏会場で多くの人に生の音を聞かせるだけの音量が望まれていた。これはギターだけでなくヴァイオリンでもそうですし、ピアノもそうです。フォルテからピアノまでダイナミックレンジ広く大きな音が出せる楽器の出現が望まれていたのです。

    実際、「ダブルトップ」のギターは、ダイナミックレンジが広く高音もよく伸びて鳴ってくれます。それだけプレーヤーの感情移入しやすくいい演奏が聞けるはずです。

    (私は古楽器も好きです。小さな音でレンジの狭い楽器でも すばらしい演奏ができることも知っています。その方が集中して音楽を楽しめるとも言えます。大音量はこの時代を写しているだけで、質とはイコールではないですね)

    もうひとつの特性が、弦を弾いて音になるまでのスピード。つまり反応が早いのがあります。早いパッセージを奏でるには、すばやく音になることが求められます。プレーヤーの感覚と楽器の反応が近くなっているのです。

    この効は、ミストーンの少なさに現れています。生理学的に弾いた感覚と音になるまでのロスが少ないほど、弾いた者には違和感が少なくなるのでミストーンが減ると説明されたことがあります。

    またプレーヤーからは、左手のミスタッチが音になる瞬間が聞こえ、それを瞬時に修正することができるのでミストーンが減ったと言っていました。

    いずれにしても、この手の楽器を一度弾いたら止められなくなるそうです。

    いいとこずくめのようですが、課題もまだまだあるでしょう。ひとつは耐久性。どのくらいその楽器が使用できるのか。完成より日が浅いのでまだ未知数です。

    しかし、いずれ良木が減ってくるのは解っています。在庫があるところは、今までの作り方を維持できるでしょうが無尽蔵ではありますまい。ダブルトップがギターのメインになる日があるんじゃないか、と思っています。これはクラシックギターに限らずスティール弦のアコースティックギターにも言えます。

    建築界がすでにそうなっていますね。太い梁や柱は集成材・集積材に代わりつつあります。もう太い木が入手できないからです。自然界は有限ですから、じゃんじゃん作ることはもう無理なんですね。

    古いモノを修理しつつ、あるものを有効に使う必要時代に入っています。


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