2019.08.18 Sunday

リペア ファイル その557

0

    エピフォン・カジノ 1965製 / ネック折れ(接着・補強・タッチアップ)・フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換

     

    ジョンレノンが持っていた65年製のカジノと同じ年代製(カラー違い)で、オーナーはもちろんビートルズマニアの方です。ネックが折れてしまったのでその修理の際にいっしょに減ったフレットも交換しました。

     

    ヘッドに”びっしぃ”と割れが入っています。

      

    ライブで現役で使うギターですので、接着だけでなく「スプライン・さね」を入れて補強します。

     

    スプラインを入れる小穴/溝をトリマーで切削します。

      

    その小穴/溝にスプラインを挿入し接着。

     

    表はマホガニー材ですが内側はメイプルの二重構造になって剛性アップを図っています。

      

    飛び出している部分をネックのカーブ合わせて切り出してから、軽くサンディングして”目違い”を掃って、スプラインを全体と同じトーンに着色しました。

     

    今回は塗りつぶしでなく「タッチアップ塗装のみ」としたため、回りと違和感がないようにサラッと仕上げました。

      

     

    弾き込まれてベタベタだったフレットを交換することに。

      

    オーバーバインディング仕様にするため一本ずつフレットタング(脚)をカットしてから、専用のジグにセットしてタング部をクラウン(頭)のみになるよう削って処理します。

     

    フレット溝に合うようにタングを調整しながら、ロッドに頼らなくても剛性が出るようなネックにすべくフレットを打ち込んで行きます。

      

    飛ぶ出した端をカットし斜めに削ってから、フレットピークを平ヤスリで修正します。その後半丸ヤスリなどでピークをつけ直して磨き上げて完成です。

     

    チョーキングしても音詰まりしないようにハイフレット部はアールをやや弱くしてあります。

      

     

    ヘッドには折れた痕跡はないです。ヴィンテージ感満載でいい味出ていますね。ナットも新調してあります。

      

    このヘッドで特筆すべきは現在のものよりヘッド角が深く作られているところでしょう。後年これが浅くなって行くのは、「ヘッド折れ防止」の意と「コスト面」からと私は推測しています。サウンドの違いは「深い」と「浅い」ではたしかにあると思います。

     

    Pー90が搭載されています。金属カバーはプラスチック製よりシールド効果が高いです。(裏側にも金属プレートがありシールド効果をより高めています)

      

    ピックガードのEpiphone の”E”を模したマークが、印象的ですね。

     

    出音にネック折れの影響は全くありませんでした。ヴィンテージP−90サウンドがVoxアンプから”カラッと”抜けよく響き渡ります。

    それは、ロックの初期衝動をそのまま表現した音に聞こえました。

     

    -------------------------------------------

    お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

    または 080-2660-2284 まで

     

    9notes ホームページ


    ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

    homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

     

    *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

    にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
      

     FC2 Blog

     

     

     

    NINJA TOOLS

    NINJA TOOLS

    NINJA TOOLS

     

     

     

     

     

     

    2019.08.14 Wednesday

    リペア ファイル その556

    0

      ヤマハ LS−TA /   ピックガード交換

       

      数年前に発売され徐々にお茶の間に浸透しつつあるヤマハの「トランスアコースティックギター」。アンプを通さず生演奏なのにリバーブやコーラスがエフェクトできる不思議なギターです。

      以前 楽器店で試奏して一度驚いていましたが、持ち込まれた楽器をまじまじと見れば見るほど ヤマハの技術力と発想力に改めて感激した次第です。

       

      オーナーは透明なピックガードに飽き足らず"べっ甲"柄のピックガードに交換を望まれました。

       

      完成!と「いたって簡単」に見る向きはちょっと待って。ピックガードは簡単に剥がれないようにしっかり接着されていますので、ドライヤーの熱で剥がすときも結構神経を使うものです。

        

      無理に剥がすとトップ材も一緒に千切れてくっついてしまうので、少しずつ慎重に剥がします。また両面テープがトップに多く残ってしまうとテープの残骸の駆除もやっかいな作業です。今回は割とスムーズに剥がれて安堵しました。

       

      ピックガード一枚で本体の雰囲気がすっかり変わります。

        

       

      これが噂の「TransAcoustic™」のコントロール部。”リバーブ”・”コーラス・””ボリューム”をシンプルに制御しています。

        

      バックを振動させるユニットが組み込まれています。生音をデジタル処理してエフェクト信号に変換しリバーブなどを掛けるのだろうと想像しますが、それにしてもよく実現したなぁ。関心します。(スマホから出力した信号でテーブルなどをスピーカー替わりにする技術も同一線上かと思います)

       

      ネックにはローズが挟みこまれて強度アップを計っています。ヘッドは継いでありますね。アコギのこういうタイプは国産でなく海外産であることが多いですね。(マレーシア産だったかな?)

        

      エンドピンジャックの下側に仕込まれたBOXがあり単3電池2本で駆動します。

       

      ヤマハの「トランスアコースティックギター」が米国でも販売されているようですが、高値で売買されているようです。それだけ人気があるというでしょう。アンプを使わず生楽器の演奏をするシーンがまだまだどこの国でも多いかと思います。そんなときこのギターが登場すれば皆ビックリするでしょうね。

      新技術で新たな市場を開拓することが求められていると思います。

       

      ---------------------------------------------------

      お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

      または 080-2660-2284 まで

       

      9notes ホームページ


      ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

      homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

      スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

       

      *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

      にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
        

       FC2 Blog

       

       

       

      NINJA TOOLS

      NINJA TOOLS

      NINJA TOOLS

       

       

       

      2019.08.09 Friday

      リペア ファイル その555

      0

        K・yairi  LO-90 Custom /  PU取り付加工

         

        K・ヤイリのギターにLRバックス社の”ELEMENT ACTIVE SYSTEM”を取り付け加工します。

         

        岐阜県のギターメーカーといえば「K・ヤイリ」と「タカミネ」があり、メーカー規模では「タカミネ」の方が大きいです。それでもイメージとしては「K・ヤイリ」の方が”職人気質”って感じがするのは”質朴さ”があるからかな。(私も若かりし頃憧れたメーカーでしたhttp://9notes.jugem.jp/?eid=212

         

        ボトムにエンドピンジャック用の穴を開けます。内部を覗くと裏板用の力木の珍らしい形のを発見。エンドブロック前に力木を配置することで、裏板にエンドブロックの角が立つのを避ける意味かと推測します。

          

         

        アンダーサドルタイプのピエゾ”エレメント”を通します。ピエゾは薄い平紐状に仕込まれています。

          

         

        ピエゾの厚み分、サドルの下面を削って”弦高”を加工前と同じにします。

          

         

        ヴォリュームと電池バックを内部に取り付けて完了。

          

        トップはシトカ・スプルース、サイド&バックはマホガニー。ドレットノートを一回り小さくしたようなデザインのシンプルで美しいギターです。

         

        サウンドホール裏にボリュームを設置。ついでにK・ヤイリ独特のトラスロッドを見ました。マーチンのトラスロッドは14Fまでしか効きませんが、ヤイリのは18F付近まで伸びていてロッドの効く範囲が広いです。

          

         

        ”Angel”が飛んでいますね。ネック裏のボリュートも美しく切り出されています。

          

        ネックは薄く平べったい感じ。

         

        透明なピックガードが塗装塗り込まれてついているので、一見はピックガードなしに見えますね。

        細部まで丁寧に作られたギターです。オール単板モデルですので弾き込んでいくとさらに豊かなサウンドになるでしょう。いいギターです。

         

        -------------------------------------------------

         

        お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

        または 080-2660-2284 まで

         

        9notes ホームページ


        ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

        homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

        スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

         

        *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

        にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
          

         FC2 Blog

         

         

         

        NINJA TOOLS

        NINJA TOOLS

        NINJA TOOLS

         

         

         

         

         

        2019.08.05 Monday

        リペア ファイル その554

        0

          シェクター・ダイヤモンドシリーズ / PU交換・アッセンブリー交換・フロイトローズ調整

           

          HM/HR御用達”SCHECTER”。オリジナルは、アーチトップでフロイトローズ搭載24F仕様、EMGピックアップが載っていましたが、ディマシオPUに交換しました。それに伴いアクティブ系のアッセンブリーをパッシブ系に交換します。

           

          ノイズがなくクリーンサウンドを出力する”EMG81”を外して高出力のディマシオPUに載せ替えました。(フロント:DP193 リア:DP207)

           

          3wayスイッチはそのまま流用して ポットはハムバッカー用の500Kに コンデンサーは0.022μF に取り替えました。配線材はベルデン、2V2TでフロントV・リアV・マスターT仕様に。

            

           

          リアPUのマグネットに一部はバータイプになっています。ベンド/チョーキングしても音痩せしないですね。

           

          チューニングは6弦はドリップCで1~5弦は一音下げとテンション感ゆるめのチューニングです。この設定に合うようにフロイトローズを調整しました。

            

          弦高は1.5ミリ以下なのでビビり音は発生しますが、音は完全につぶして出力するそうなので問題ないでしょう。

           

          SCHECTERはHM/HRミュージシャンに人気ですね。アイバニーズと同じように7弦・8弦ギターも用意されています。重低音を表現するのに最適なPU選びが今回の交換かもと考えましたが、どうだったかな・・・

          PUの載せ替え作業は、いくつになっても「どんな音するか 気持ちがワクワクする」仕事です。

           

          -----------------------------------------

          お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

          または 080-2660-2284 まで

           

          9notes ホームページ


          ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

          homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

          スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

           

          *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

          にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
            

           FC2 Blog

           

           

           

          NINJA TOOLS

          NINJA TOOLS

          NINJA TOOLS

           

           

           

           

           

           

          2019.08.01 Thursday

          リペア ファイル その553

          0

            ギブソン J−45 / トップ割れ補修

             

            この夏はおかしな天候で、6月初旬は暑くその後長い梅雨に入り明けたら猛暑 とその気温の落差に身体も付いていけません。そういうときはギターも同じでコンディション維持が難しくなります。

            オーナーがうっかりギターを自動車内で置き忘れ、気が付いたときにはトップがセンターライン沿いに切れて割れてしまったそうです。高温により極度に乾燥が進んだ結果だと推測します。

             

            長年連れ添ったギターで十分乾燥していると思われる個体でも急激な変化にはトラブルが起こるのですね。

             

            持ち込まれたギターを壁で吊るして1週間ほど置いておいたら割れ部は自然に回復しました。

              

            その割れ部に接着剤を摺り込んでサイドから圧力を掛けて接着しました。

             

            割れ部に沿て”パッチ”を貼っていきます。私は0.5ミリの薄いマホガニーをポンチでくり抜いて木目が交差するように張り合わせたオリジナルの”パッチ”を使います。こうすることでどの位置で貼り付けてもトップに対して木目切れがないように貼ることが可能になります。伝統的な”パッチ”はスプルース材を◆型にして貼り付けるのですが、トップ裏に正確に木目に垂直方向に貼るのは難易度が高く現実的でありません。トップを剥がして目視できるような状態でのみ有効かと思います。(または口輪付近のみ)

              

            ブリッジ下側はトーンバーが2本入っているのでそこを避けながら”パッチ”をロングクランプを使って貼っていきます。

             

            段差がないように剥ぎ合わせたので接着後は水研磨してバフで磨いて完成です。塗装の必要はありませんでした。(塗装なして仕上げるように作業したともいえる)

              

            今回はトップの回復がよかったのでパッチ補強で終えましたが、ケースバイケースで隙間に板を差し込み方法も考えられます。参照:http://blog.9notes.org/?eid=811

             

            ヘッドはヴィンテージタイプでクルーソンペグ。

              

            暑さによるネックの被害はありませんでした。

             

            アンダーサドルピエゾが仕込まれていましたが、サドルにはこんな仕掛けがされていました!

            「音の分離」がよくなるように”橋げた状”に加工されています。

              

            弦を張っても変化なし。これで大丈夫でしょう。補強によるサウンドへの影響もほとんどなし。オーナーも納得されていました。

             

            それにしても自動車で移動するのが当たり前の時代、ギターを車内に置いておかないといけない状況って案外あると思われます。そんなときは、ケースから出して直射日光が当たらない後ろ座席の足元に白っぽい布を掛けておくのが、ひとつの方法です。本当は少し窓を開けておくといんですが・・・・昨今は盗難も怖いし、難しいかな。

            まだまだ暑い日々が続きます。皆さまもご自愛ください。2019/8/1

             

             

            ギブソンギター修理 インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=631

             

            ---------------------------------------

            お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

            または 080-2660-2284 まで

             

            9notes ホームページ


            ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

            homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

            スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

             

            *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

            にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
              

             FC2 Blog

             

             

             

            NINJA TOOLS

            NINJA TOOLS

            NINJA TOOLS

             

             

             

             

            2019.07.22 Monday

            リペア ファイル その551

            0

              Tunesaburou Kurosawa  1B  /  表板割れ・表板塗装・サドル交換・糸巻交換

               

              『クロサワ楽器』の創始者でクラシックギター製作家でもあった”黒澤常三郎”のギターです。半世紀以上前に購入したというこのギターの出音は、ほかの名器に引けを取らないとのこと。

                

              トップに陥没と割れがあったのを修復しました。​

               

              サウンドホール下の力木に強い力が加わったのか、裂けて割れて陥没しています。

                

              割れ部に接着剤を流し込み、外からはクランプで中からはジャッキで力木を持ち上げて元通りにします。

               

              トップの腰に辺りにひび割れと打痕があります。

                

              隙間に接着剤を流し込んで割れ部を留めます。

               

              ブリッジ下の表板中央が割れて隙間ができていました。

                

              引き裂かれた「夏目」部の隙間を修正しながらトップと同材の「杉(シダー)」を用意して「夏目」部をスライスしておきます。(針葉樹は夏目と冬目がハッキリしていますね)

               

              シダーピースを割れ部に合うように成型して、接着・ジャッキアップ・クランピングします。

                

               

              飛び出たところをカンナで取り除き、サンディングしておきます。

                

               

              トップの腰のひび割れ部とブリッジ下の割れ部を内側から補修するため”パッチ”を製作します。当工房では、極薄いマホガニー材2枚を木目が交錯するように張り合わせ”パッチ”としています。

                

              軽さと強さを兼ね合わせた”パッチ”をすべての割れ部裏に当て接着しました。これで補修は万全です。

               

              さて次は割れ部が目立たないように塗装に入ります。

                

              全体を軽くサンディングしてクリアーラッカーを吹き付けました。

               

              完成!(色が落ちた部分は筆でタッチアップして色調整してあります)

                

              古い楽器だったので塗装をはじくピンホールが結構あって、思ったより時間がかかってしまいました。

               

              動きが悪くなった古い糸巻をゴトー製の新品と交換しました。

                

              若干、新旧ポストの位置が合わなかったので修正しておきました。

               

              弦高を適正にするべくサドルも交換しました。

                

              指板はナット部から最終フレットにかけて薄くなっています。仕込み角度に変化を付けて音量アップを計るための工夫かと思いますが、50年前からこういう理論は経験上解っていたということなのでしょうか?(ラミレスでも同じような指板を見かけました)

               

              トップは杉、サイド&バックはローズ単板で全体的にシンプルな作りなれど、弾き込んであるため反応が良く音に深みを感じました。

              黒澤常三郎は、現在クラシックギター製作家として有名な黒澤澄雄の叔父だということですが、澄雄氏の息子さんの黒澤哲郎氏も活躍されていますから、日本の”ハウザー家”のようですね。

               

              クラシックギター修理 インデックス http://blog.9notes.org/?eid=648

               

              ------------------------------------------------------

              お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

              または 080-2660-2284 まで

               

              9notes ホームページ


              ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

              homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

              スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

               

              *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

              にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
                

               FC2 Blog

               

               

               

              NINJA TOOLS

              NINJA TOOLS

              NINJA TOOLS

               

               

               

              2019.07.18 Thursday

              リペア ファイル その550

              0

                フェンダーJAPAN オールローズ・テレキャスター/ 塗装剥がし・ラッカー塗装(オープンポア)・フレット打ち換え・パーツ研磨

                 

                ジョージ・ハリスン使用で有名な”オールロース・TE”のフェンダージャパン製モデル。すでにジャパンビンテージになるような楽器でしたが、オーナーは「ウレタン塗装」を「ラッカー塗装」に変更をご希望されました。すでに価値が定まった楽器でしたが、オリジナルに近づけるべく塗装をすべて剥がしました。

                 

                フェンダージャパンは初期のロット以外は、ウレタン塗装がメインだと思います(ポリエステルの可能性もある)。耐久性もあり作業効率的もいいウレタンですが、塗装膜が厚く いかんせん”木材”の感触が感じられません。このモデルはオールローズとう贅沢な仕様ですので、木材本来の良さを生かすべく厚い塗装をひたすら剥がしました。

                  

                埃まみれになる作業です・・・

                 

                全塗装ですので指板面もやり直しです。

                  

                ネックもローズ・ワンピース材でウレタン塗装を剥がした後は「フレット打ち直し」になります。(フレット打つ前に一度ラッカーで下塗りしてあります)

                 

                ここからラッカー本塗りです。オーナーと話し合った上、カスタムショップ仕様であった木目が生きる「オープンポア」で仕上げることにしました。普通はサンディングシーラーで肉付けしますが、そうせず初めからニトロセルロース・ラッカーを繰り返し塗り上げて行きます。

                 

                塗装が済んだらフレットに載った塗料を剥がしつつフレットレベルを整えます。指板レベルがよいと ほとんどフレットピークを修正しなくてもいいです。

                  

                あとはで軽く丸めて磨き上げフレットワークは完成です。

                 

                次は組み上げです。くすんだパーツは研磨材で磨いて元の輝きに。

                 

                オールローズ製なのですべてソリッドだと思っていましたが、解体するとキャビティ部とその丁度反対の部分はくり抜いてありました。シンラインのような作りなのが解りました。軽量化が図られていたんですね。

                 

                塗装面は、薄っすらと導管が浮いています。下地からニトロセルロース・ラッカーだけですので透明性が高く ローズの木目が鮮明です。ウレタン塗装でラッピングされていた木部が解放されて『木』そのものを感じられます。

                 

                これだけのいい素材が使われていたのが、ウレタンでその質感が消されていたのではもったいなかったですね。オーナーの判断が正しかったのが、完成されたが楽器から証明されました。

                 

                ボディ上下部の間にメイプル薄板がサンドイッチされています。

                 

                全塗装で「Made in Japan」の文字は消えましたが、フェンダージャパンのシリアルナンバーはTEブリッジに刻印されているので出自は保証されています。貴重なローズ材のギターが生まれ変わった仕事でした。

                 

                -----------------------------------------------

                お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

                または 080-2660-2284 まで

                 

                9notes ホームページ


                ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

                homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

                スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

                 

                *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

                にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
                  

                 FC2 Blog

                 

                NINJA TOOLS

                NINJA TOOLS

                NINJA TOOLS

                NINJA TOOLS

                NINJA TOOLS

                 

                2019.07.14 Sunday

                リペア ファイル その549

                0

                  テーラー Baby Taylor /  トップ割れ補修(パッチ補強)・タッチアップ塗装

                   

                  可愛いミニギター”ベビーテーラー”。ほかにマーチン社やSヤイリ社製のミニギターも似たようなシリーズがありますが、「ちょっと弾き」に最適で人気があります。どれもトップ単板仕様でしたね。その結果、置かれた環境の条件が悪くなるとトップ中央で”剥ぎ切れ”が起こることがあります。トップの塗装が薄いためかと思われます。

                    

                  このギターも剥ぎ面が切れて隙間が出来ていました。湿度調整で隙間が回復する範疇を超えていましたので、薄く長く仕上げたスプルースピースを挿入して接着し修理しました。。

                   

                  スプルースピースを面一に整形して軽くサンディングしました。その後裏側から「パッチ」(補強材)を当てます。(パッチは極薄いマホガニーを2枚張り合わせて丸く抜いたものを使用しています)

                    

                  (当てがるところにパッチを仮置きしたカット)

                   

                  パッチに接着材を塗ってロングクランプで固定します。

                    

                  (パッチは2枚のマホ薄板の木目が交錯するように作ってあるので、どの方向で貼り付けても、トップの縮もうとする引っ張り強度に対して対応できます)(木材は木目に対して垂直方向の力に弱く引き裂けるを考慮してあるのです)

                   

                  タッチアップ塗装を施し全体のトーンを整えました。

                    

                   

                  ネックはデタッチャブル式でなんと指板面からビス留めしてあります(合理主義の権化)。

                    

                   

                  バインディングなど簡略していますが、うまくまとめているところがさすがテイラー社! デザインと技術力が光ります。

                  量産品メーカーは低価格帯の製品と高級品と両方作らねばならず、低価格帯にもそのブランドに恥じない品質が求められます。そこをクリアーすることは難題ですが、クリアーできるからこそ一流メーカーたる所以でしょう。これは自動車メーカーを観てても同じだと思いました。

                   

                  ----------------------------------------------------

                  お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

                  または 080-2660-2284 まで

                   

                  9notes ホームページ


                  ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

                  homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

                  スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

                   

                  *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

                  にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
                    

                   FC2 Blog

                   

                  NINJA TOOLS

                  NINJA TOOLS

                  NINJA TOOLS

                  NINJA TOOLS

                  NINJA TOOLS

                   

                  2019.06.26 Wednesday

                  リペア ファイル その547

                  0

                    グレコ GO-900 /  電装系チェック・ポット交換・トグルスイッチ交換・ミニスイッチ交換・配線引き直し

                     

                    これぞ、まさにジャパンビンテージ。発売当時も高級機でした。スルーネック仕様/ナチュラル塗装(木材は国産材の栓/sen)パッシブPU搭載で全体に丁寧な仕事が施されています。フジゲン製だと思われます。

                    友人から譲り受けたときにリアPUの調子がよくなかったそうです。詳しく調べてみるとトグルスイッチとリア ボリュームポットとリアのミニスイッチがダメになっていました。配線もなんやら手が加えられているようで怪しい・・・

                     

                    トグルスイッチを交換しました。残念ながらLPに使うようなトグルスイッチではなくボックスタイプでした(ボックスタイプは故障しやすいからなぁ)。

                      

                    2V2TにPUをパラレル/シリーズに切り替えるミニスイッチが2個ついています。

                     

                    スルーネックですので生地の貼り付け前に配線用に内部のくり抜き加工がされています。

                     

                    作業前と作業後のカット。ポットとミニスイッチを交換しました。手が加えられていた配線も確かめながら元通りにしました。(ごちゃごちゃしていて半田しにくい・・・)

                      

                    内部はアルミでシールドされています。

                     

                    チョコレート色のハンバッカーPUの底にはアルミ製のプレートが敷いてありアースも取ってあります。プレートにビス時下付けなのでエスカッションなくスマートなルックスです。

                      

                     

                    ブリッジもテールピースもボディに固定され弦交換時に外れることがありません。

                      

                    トグルスイッチのリングにゴムが使われているので、これが劣化しているのを時々見かけますが、これは大丈夫でした。

                     

                    ナットは牛骨とブラスが組み合わさっています。このナットやノブ・ハードウエアの一部はこの時期(’80年前後)のアイバニーズと同じです。両方ともフジゲンで製造されていたからでしょう。

                      

                     

                    アレンビックの影響があるのは否めませんが、GO900はアクティブ回路でなくパッシブです。ミニスイッチの切り替えはパラレル/シリーズでしたが、最初はハム/シングルのコイルタップかと思いました。現在の回路ではあまりお目にかからないパラレル/シリーズですが、出力は同じで音色が瞬時に変わるこの回路はプリセットスイッチとして結構イケますよ。

                      

                     

                    ルックス的に派手さはないですが、存在感は抜群です。依頼主はレスポールよりもこれを使って行きたいとおっしゃる。そうです。ジャパンヴィテージもステージで使われてなんぼですね。

                    楽器としてその音色が認められてこそ”日本の名器”として確立されていくことでしょう。

                     

                    ------------------------------------

                     

                    お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

                    または 080-2660-2284 まで

                     

                    9notes ホームページ


                    ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

                    homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

                    スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

                     

                    *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

                    にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
                      

                     FC2 Blog

                     

                    NINJA TOOLS

                    NINJA TOOLS

                    NINJA TOOLS

                    NINJA TOOLS

                     

                     

                    2019.06.21 Friday

                    リペア ファイル その546

                    0

                      フェンダーUSA スタンダード・ストラトキャスター(アメスタ) /  フレットすり合わせ・調整

                       

                      米国製のスタンダード・ストラトを通称”アメスタ”と呼んでいますが、現行品は”アメプロ”(アメリカン・プロフェッショナル)になっているようです。どちらもカスタムショップを除けば米国ラインの最高峰です。したがってグレードの高い機種で間違いなのないギターです。

                       

                      弦高を下げたりゲージを変えたりするとフレットピークの微妙な凹凸に対応できず”ビビり音”が発生することがあります。その際は、フレットピークを整えて真っ直ぐにしてやる必要が出てきます。「フレットすり合わせ」します。

                       

                      またハイポジションにしたがってフレット上面のアールを弱くすることによってべンド(チョーキング)による”音詰まり”をなくすことも狙います。

                        

                      平ヤスリを使ってフレットピークの凹凸を消して各フレットのピークを整えます。ネックの剛性は1本1本違いますからロッドの調整をしながら、弦を張って真っすぐになった状態を仮定して「すり合わせ」します。

                       

                      ピークが揃ったら結果フレットが台形になっていますので、再び丸みをつけてやります。半丸ヤスリや三角ヤスリを使って角を落として丸くします。(厳密には頂点を付けるまでは丸くしません。わずか平面が残る程度で納めます。そうすることによってピークのバラつきを防ぎます)

                       

                      その後はヤスリでフレットに擦り傷ができているので、ペーパー各種を番手を粗いものから細かいものに換えながら磨いていきます。最終的にはバフで磨きます。

                       

                      完成! これで弦高を下げてもベンドしても音詰まりが解消されます。(フレット上面でラディアス指板のような効果を狙って削り調整しています)

                        

                      アメスタは22フレット仕様ですね。

                       

                      リテイナーは2個あります。3弦にもテンションを掛けることができますね。(3弦はナットへのテンション不足で軽めのサウンドになりがちです)

                        

                      ブリッジは2点支持。PUはもちろん米国製なので音の芯が太い。またアッセブリやハードウエアの素材の違いが音の違いに現れています。製鉄(鉄を作る技術)の違いが音の違いに現れるという人もいます。

                       

                      2トーンサンバーストは人気カラーリングですね。(ストラトっぽいから)

                        

                      ずっとこの機種が世界標準になっていました。そのため時代に合わせて徐々に細部も進化させています。現在ストラトがLM(ライトミュージック)の世界で一番使われているギターであることは間違いないでしょう。トップランナーですね。

                       

                      ---------------------------------------

                      お問い合わせ は 9notes@huni.enat.jp 

                      または 080-2660-2284 まで

                       

                      9notes ホームページ


                      ブログ「よごれた顔でこんにちは」 

                      homeで新着情報 ”ほぼ毎日”つぶやいています 

                      スモークド乾燥処理済み『 ギブソン J-45 ・Remodeling』の販売

                       

                      *『ギター工房9notes』は中央自動車道 恵那ICから車で15分 

                      にほんブログ村 音楽ブログ ギターへ 
                        

                       FC2 Blog

                       

                      NINJA TOOLS

                      NINJA TOOLS

                      NINJA TOOLS

                      NINJA TOOLS

                      Calendar
                          123
                      45678910
                      11121314151617
                      18192021222324
                      25262728293031
                      << August 2019 >>
                      Selected Entries
                      Categories
                      Archives
                      Recommend
                      Links
                      Profile
                      Search this site.
                      Others
                      Mobile
                      qrcode
                      Powered by
                      30days Album
                      無料ブログ作成サービス JUGEM