2020年を振り返って
2020年は誰もが「コロナ禍」によって活動を制限された日々だったと思います。
もちろん、私もそうでした。
最初に大きな制限を受けたのが、イベント業界で2月のことです。
音楽はこのイベントの動きとリンクしているのでミュージシャンはこの時期から影響を受けました。
また楽器店の音楽教室も止まってしまいました。
これは痛かったでしょう。今は大手の楽器店でさえ教室が屋台骨を支えていると言われているほど、
教室のウエイトは大きいからです。
ほかに、新学期に新入生に攻勢をかけるタイプの楽器店ももろに影響を受けました。
その後、6月以降徐々に再開してようやくという今、第3波が来ています。
心配です。
*
フェンダー社が今年の売り上げは過去最高だそうです。なんで???と思われる方もいらっしゃるでしょう。
世界的に「巣ごもり需要」の恩恵で、ギターを始める人が増えたためです。
日本でも3万円以下のギターは売れに売れたようです。ただすぐに「弾切れ」になってしまい
入荷待ち状態が続いたとか。中国から安いギターが入って来なかったからです。
鍵盤楽器も中国工場が止まって品薄状態のようです。
”ギターを始めた人が多い”が、将来何を意味するか想像してください。
ギターは始める人の7割は一年以内にやめてしまうそうですが、残りの3割の人がギターを続ければ、
その中から飛びぬけた才能が現れて、新たな音楽シーンを作り上げてくれる、と私は考えています。
なにせ、世界的な数ですから、分母が大きい。確率的には十分あり得ます。
するとそのミュージシャンの影響でギターが売れる? まぁそれは分かりません・・・
*
さて当工房ですが、楽器店からの仕事が減ってしまい全体的にはマイナスでしたが、
個人のお客さんは例年と変わらなかったので致命傷は避けられました。
空いた時間を次にステップアップの準備に当てることができ、来年からが勝負です。
「コロナ禍」はもう一年、ひょっとして2年は続くかも知れません。
なんとか乗り切れるように無い知恵絞って頑張ります。
一方、来年私は60歳を迎えます。いわゆる還暦ですか。
ちょっと実感ないですが、たしかに集中力は落ちたし物忘れもしばしばです。
ミスをしでかすこともあって落ち込むこともあります・・・・
(もちろんバックアップの引出しがあるので凌いでいますが)
なので、来年は少しペースを落として仕事に取り組みたいと考えています。
ブログ「古いギターはいい音がするのさ」の ”リペアファイル” のアップ回数を減らしますね。
これを楽しみにしてくださるお客さんも多くおられて恐縮ですが、ここから手を付けて行きます。
仕事の質は落とせないのでどうぞご理解ください。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。
皆様におかれましても、どうぞ健康に留意してお過ごしください。
コロナウイルスも健康体には勝てませんから。
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2018年を振り返って そして新年おめでとう!
さよなら2018 こんにちは2019
’18年が終わり’19年がやって来ました。
ギター業界は長い冬に入っていますが、春はいつかやって来ます。
謹賀新春。
さて2018年で出会ったアーティストの一押しはウクレレを弾きながら歌う
”ソフィー・マドリン”(Sophie Madeleine)です。
ずっと自分の基準となるウクレレの音を探していて、たまたま聴いた彼女の
ウクレレの音に魅了されて検索したら、美女だったというおまけが付いて来て
大喜びした、というのが話の顛末です。
https://www.youtube.com/watch?v=s9GqpOWx74o&index=4&list=PLA669B162D0DAFE9C
ウクレレという楽器は、南国ハワイを意識したゆったりとした音楽を基調として
発達したのですが、ギターサウンドからするとつかみどころのない
音とも感じていました。
ウクレレ製作者の方に話を伺ったときに、ギター製作者の作るウクレレは
「小さいギターでウクレレでない」と指摘されていました。
それ以来、どんな音を目指せばいいのか自問自答していたのです。
甘すぎず、各音が独立していて、なおかつハーモニーが柔らかい音。
それを彼女の音に感じました。
*
ウクレレを製作してみたいと思っていました。
単に「ギターの余り材も用いて売ってみたい」という動機以上のものが必要だと
感じていました。先のウクレレ製作者が、ずばり言っていたんですね。
「ギターの余り材で作ってもそれはウクレレでない」と。
「ウクレレは自由なんだ」と。
私の仕事は「ギターリペア」が本分だと解っているので、そこは絶えず追求して行きますが、
「製作」もそろそろ再開したいとも思っています。
どのタイミングでスタートできるか未定ですが、思い立ったら吉日で今年はグッドタイミングだと言えます。
さて、どんな楽器が想像できるか自分でも楽しみです。
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ブルース・スプリングスティーン自伝(上・下巻) ”Born to Run”を読んで
2枚組みのアルバムのようだ。1冊に収まらなかったのか?
4時間のステージを完結しないとブルースは納得しない性格なんだな。この自伝はそれを証明している。
ブルースも告白しているように「自分のすべてをここに書いていない」とある。67年の人生をたった894ページに記載させることは不可能だろう。しかし同時にこうも語っている「読者に自分の心の内を明かす」と。
その最たるものは「父親」との葛藤の歴史だろう。父親に愛されていないのではないか、と疑心暗鬼だったようだ。ただこれはブルースに限ったことではなく、多くの男子は父親との距離の取り方をティーンエンジャーのころから悩んでいるものだ。(もちろん女子でも同じことが起こるが)
青年期における自我の確立と父親の存在は、ときに激しくぶつかる。母親を独占した気持ちや 狭いながらも自分の空間を守りたい気持ちや 自信のないが激しく突きあがる衝動とそれを糾弾されたときのやり場のない気持ちが、父親に向かう。
またブルースは父親が精神障害であったこと、自分にはその血統があり、ずっと躁鬱の状態にありカウンセラーにかかっていることをオープンにした。(ステージでのブルースは躁でもあったのだ)
*
ブルースの父親はブルーカラーだった。貧乏の部類だったようだが音楽好きの母親がブルースにギターを買ってくれた。それが運命を決定づけたのは言うまでもないだろう。
ブルースの音楽の真ん中を貫いているのは、「労働者階級の日々の生活」だ。彼の生い立ちがそうであったから、リアリティがある。
ジョンレノンは「ワーキングクラス・ヒーロー」のTシャツを着ていたが、ブルースは肌にそれがプリントされている。後にビジネス的に成功してもそれを脱ぐことができない。肌そのものだからだ。
彼の歌には、ブルーカラーの人々の日常が綴られているが、同時に「家族」の問題をも扱っている。
その中で父親をいい男として取り上げることはなかった。
ただし晩年は少し違った。「父親」と少しでもいい関係になろうとブルースもアプローチしたし、父親もブルースに近づいて来るようになる。子供のころは解らないが、結婚して家庭を持ち自分が父親になって はじめて父親の気持ちが理解できるようになるものだ。
ロックは以前、若者の気持ちを代弁するものだったが、いつしか若者も大人になり 大人の心情を歌に込められるように来た。ロックンローラーは、父親にもなるんだぞ。
いつも仕事着でいる父親は、仕事上でのつらさやそのその忍耐を子供には知られないように、家では無口なり夜は酒を浴びるようになる。それを子供は忌み嫌う。その関係から逃避しようとギターを手に取る。子供は子供でストレスを発散する場所が必要だ。ガレージをベースに、遂にはロードに出るようになる。家出だ。
*
ブルースの生い立ちで重要なワードのひとつが宗教であろう。カトリック系の学校に通い自身カトリックの信者である。米国は新大陸と呼ばれカトリックから離れようとしたプロテスタントの地でもあるのだが、イタリア系の家系ではカトリックが続いている。(映画「ゴットファーザー」はその系譜)
歴史を笠に荘厳で重々しく 罪と罰を押し付けるが、安心を約束する宗教。美があり聖なる力の源泉がある。ブルースはそこに根ざして歌を作っている。よくも悪くも逃れることができないのが宗教の力だ。(私もカソリック信者を親に持つ)
「いったんカトリックになるといつまでもカトリックなのだ」
*
ブルースの生まれた東海岸ニュージャージー州は保守的な地であり、共和党の地盤であるが近年は民主党と拮抗してるという。ブルース自身は民主党を支持を打ち出すミュージシャンとして有名だ。オバマ氏が大統領に就任したときに彼の後ろでタカミネを持って歌い、その映像が全世界に配信された。
ブルーカラーは労働者の党である民主党を支持するはずであったが、今度の選挙は違った。共和党のトランプ氏を支持した率が高いという。ラストベルト(錆びついた工業地帯)の労働者が、かつて繁栄した製造業を取り戻したいとの幻想をトランプ氏に託したのか。
ブルースのファン層の白人労働者達もトランプ支持派に含まれていただろう。人種差別問題やベトナム帰還兵の問題を取り上げて来たブルースが今後どんな歌を作るのか。トランプ支持派にも届くメッセージソングを聴かせてくれ。
*
自分の歴史をたどり、再びその経験を生きることによって ブルースは、この自伝の執筆が『リハビリ』になったろう。
「走るために生まれ」て来た男が、新たなスタートラインに立つ。
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「音を見る」
≪ブックレビュー≫
「”何故、音楽は輝り輝き、美しい形態を創るのか” 音響のモルフォロジー 」
前田保夫 著
旧知の書店主から自費出版の本を貰った。「君なら面白く読むかもしれない・・・」
それが『音響のモルフォロジー』だった。
楽器の仕事をしているから「音響」に多少係わりがあるかも知れない。
しかし、ぱらぱらとページをめくって解ったことがある。
これは「シュタイナー」関連の本だってことが。挿絵のからそれが推測できる。
「シュタイナー」の色彩が使われているからだ。
その書店は「シュタイナー関連」の本が充実しいるうえ、店主はその道の研究家だ。
だからこの自費出版本がここにあるのだろう。
ただ、戴いた本は難敵なのは解っていた。さわりを読んでもちっとも理解できなかったから。
本棚に積んどいて数年経った。 そろそろ読むか。
手懸りは小見出しにある「カンディンスキーは音を見ていたか」にある。
「音を見る」このことがこの本の主要テーマであることに違いない。
まともに掛かったら、理解不可能であろうが、「カンディンスキー」の絵画は知っているので
彼の抽象画が「音」に関するのなら入って行けるかも知れない。
ところで、皆さんは「ルドルフ・シュタイナー」をご存知だろうか?
第一次世界大戦前後に活躍したオーストリア人の神秘思想家で、ゲーテ研究からはじまり
ドイツで人智学「アントロポゾフィー」を創始した人物。
超感覚世界(目に見えない世界)を扱うのでオカルトチックだが、
実際、霊的なものの存在を抜きにシュタイナーは語れない。
ドイツでは彼の影響を受けた芸術家も多く、作家では「モモ」や「はてしない物語」の
「ミヒャエル・エンデ」。
美術では「ヨゼフ・ボイス」などがいる。ボイスは「ナムジュン・パイク」と近しかったし
「ジョン・ケージ」など「フルクサス」運動にも係わりがあるので、
音楽家にもシュタイナーを知る者があっただろう。
さて、『音響のモルフォジー』だが、著者の前田氏は「音が見える」ようになったことから、
その意味を調べるようになったと言う。
「カンディンスキーが音を見た」と知ったことから巡って「シュタイナー」に出会っているようだ。
そのほか、「パウロ・クレー」や「武満徹」の名前もこの本でたびたび出てくる。
「音が見える」段階も1・2・3と順を踏んでおり、それをシュタイナーの言説に置き換えてある。
そのものの説明は、手におえないので放棄するが、音が立体的に色彩を帯びて上昇する様は、
この文章を読んでいてもワクワクした。
音がドームを形つくるとか、時間軸のそって形態が変化するとか、
まるで私にはオーロラのように感じられた。また「思い」を込めた音楽は、
その演奏者によって変幻自在するようだ。
「どんなだか、見てみたい」そう思う。
そこで「カンディンスキー」の絵画を想像すれば距離が縮まって来るだろうか。
抽象絵画だからいくつもの想像の余地を残してあるが、
「印象派」みたいな光の表現には到達していないように感じる。
それにしても、「音を見る」なんてことがあるか否かなんて想像もしなかった。
「音は見えない」と信じこんでいたからだ。しかし、「言葉」が風に乗って世界を巡るとか、
「言霊」が現象に影響を与える、とかいうことは言われていた。
それが光に変わったとて不思議はない。
私には音楽が上昇する感じは持っていたし、天から降ってくる音楽もイメージできる。
超感覚世界(目に見えない世界)は、感じ得ないが、芸術にとってそれが源泉である
とは理解している一人だ。
それと、この本では「内面への旅」についても展開されていた。
これも私には理解力が足らないのでうまく説明ができないが、
「悟りの要素」を内包している感じだった。
仏教の修行の中で「光」を見る瞬間があることは知られている。
「悟り」に至る道が修行でそれを見るのだ。
ふつう見えないはずの「音」が空間に見えるということは、空間に「光」を発してのことだと思う。
それを「超感覚」と結びつけて説明するのも、「内面への旅」が「光」と関係していることも、
「宇宙に存在する人間」を知る上で関連があるように思う。
映画「スターウォーズ」ではないが、最近この世が「ダークサイト」に侵されているように感じる。
「光と影」は一体のように思うかも知れないが、それは「発光体」から照らされた物体の現象であって、
「発光体」そのものに「影」は存在しない。
人間が「光る」存在であれば、「ダークサイト」はありえない。
「音が見える」から「宇宙に存在する人間」の本性を知るきっかけになれば、
難儀して読んだこの本が光輝くときがくるかも知れぬ。
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ヴェルベット・アンダーグラウンド
アートロックなんて知らない世代もいるみたい。
私もリアルタイムで聴いている訳でないので、偉そうなことも言えませんが。
代表格が『ヴェルベット・アンダーグラウンド』です。
中心人物の『ルーリード』は亡くなってしまいましたね。
都会的なセンスとシニカルな歌詞がニューヨークっ子に人気でした。
彼等と切っても切れない関係が、『アンディー・ウォーホール』です。
ポップアートの鬼才です。マリリンモンローやキャンベル缶のシルクスリーン作品は
だれしもどこかで目にしたことがあるでしょう。
そのウォーホールが、彼等をプロデュースしデビューさせました。『ニコ』って言う
魅惑な女性をヴェルベット・アンダーグラウンドのボーカルに加えてね。
私が好きな「Sunday morning」は静かな曲で、名曲です。
(ニコのボーカルですが、ルー・リードのも渋いですよ)
https://www.youtube.com/watch?v=0cWzxJvgWc8
ロックとポップアートが融合していたのが「アートロック」です。
実験映画の音楽にアプローチしたり、
オノ・ヨーコにも通じる「コンセプチュアル・アート」(概念芸術)のニュアンスを漂わせたり
ロックファンのみならずアートシーンからも注目されていました。
ルーリードのパートナーはパフォーマンスアーティストの『ローリー・アンダーソン』。
実は私、ローリー・アンダーソンの大ファンなんです。
彼女のパーフェンスの映像を観て、20代の私はアート・パフォーマンスを志しました。
(もう一人影響を受けた人がいます。ドイツ人のヨゼフ・ボイス)
ローリーのパフォーマンスは、まさに音楽とアートのミクスチュアだったので、
ルー・リードとの相性は抜群だったでしょう。
他に例を見ないバンド『ヴェルベット・アンダーグラウンド』、
必見です。
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2015年を振り返って
また年を越そうとしています。「また」と書かないといけないくらい「やり残し」が多いです。
しかしながら、怪我や大病もせず一年働いてこれたことは有り難いことですし、
このブログを読んでくださった皆様には、私事に付き合ってくださったことに感謝しております。
修理工房のブログですから、営業目的で書いています。
嘘や悪口は書いていないのですが、多少誇張があったり、勘違いや思い込みの部分もあると思います。
その部分を差し引いて読んで下さると有り難いです。
今年一年で一番大きな変化は、近くの「ヴァイオリン/マンドリン」メーカーに係わったことでしょうか。
ヴァイオリンの修理は一通り学んでいますが、製作は初めてですし、
マンドリンについてはチューニングもよく知らないほどでした。
もともと楽器好きなので、好奇心も手伝った研究する日々でした。
その中で出会ったのが、マンドリン・アーティストの「Avi Avital」氏です。
クラシックのマンドリンは、裏がイチジクのような反丸の形が一般的ですが、彼の使うマンドリンは
イスラエルの製作家ケルマンの手によるものだそうです。(ポルトガル型というらしい)
Aviのプレースタイルと共に斬新なイメージを与えてくれました。(今年彼はエコー賞を受賞している)
これこそ私が望む「楽器」と「演奏家」のコラボレーションで「音楽」の創造を感じます。
https://www.youtube.com/watch?v=cIjYGUMFJ4U
ほかには、「オラクル オブ ギターズ」の専属リペアをやらさせてもらっている関係から、プロミュージシャンの
リペア・チューンにたずさわれました。(ゴダイゴの浅野氏や郷ひろみのバックの小南数磨氏、バッハ協会理事の
掛布雅弥氏など)
また、中国人クラシックギター製作家「Guo Yulong(ガオ・ユーロン)」の
ダブルトップギターを扱うようになりました。この楽器はびっくりするぐらいよく鳴ります。
修理の問い合わせで一番多いのは、「ネックアイロン矯正」でしょうか。マーチンなどネックリセットなどに
持ち込む前にアイロンでどうにかなるか?といった内容です。答えは「なんとかなります」です。リセットしても
「ネック元起き」が再び起こるのを多く見て来ました。コストパーフォーマンスからいっても「アイロン矯正」は
いいと私は判断しています。
それと当工房オリジナル技術「スモークド乾燥」。これのお問い合わせも多くなっています。音がよくなるか否か
半信半疑なのは理解できますが、音の立ち上がり、サスティーン、音量に関していい結果を得ています。
一方、低調なのがアコギにシンクロナイズド・トレモロを装着する改造「カスタムゼロワン」です。
この理由も解ってきました。アコギプレーヤーはアームプレーの経験が0だからです。エレキから持ち替え
でしかアームプレーを望むのは無理があるのですね。ここらを考慮して来年はこれもプッシュしていきたいです。
来年はどんな年になるか。
楽器業界が低迷なのは変わらないでしょうが、オリジナルな発想でもって頑張って行くつもりです。
来年もどうぞよろしくお願い致します。
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フェスの報告
23日(土)24日(日)に行われた『フェス』は盛況の内に幕を閉じました。3年出品(通って6年)しましたが、今年の人出が一番多かったかな。出展者も毎年増えています。ここは基本的に『アコギの祭典』なので、エレキは少ないのですがエレキも少しづつ増えています。私はエレキ寄りの楽器を展示していますので、その傾向が増えていくのは歓迎ですが、手工のアコギがメインであって欲しいとも思います。
製作者同士の情報交換の場所としての機能も果たしています。ベテランから新人まで腕自慢の方が多いですから学ぶことは多いです。ただ人間はグループを形成するところがあるので、ここでもそうなっているかな。
売れっ子作家は、お互い実力を認めるところですから仲が良さそうに見えます。みなさん気さくな方が多いのでお話は聞けるのですが、いつも人だかりが出来ていますから入り辛いです。どのブースも商売で来ていますから「お客さん」第一です。
そのお客さんのスジも回数を重ねると見えて来ます。まず製作学校の生徒・学生さんが多いです。質問が専門的です。それからアコギの試弾を楽しみに来られる方。有名ところの楽器が存分に弾けるのがここの魅力ですから(楽器店ではそんなに弾き倒しは出来ないでしょうから)当然でしょう。ただそれが販売には繋がり難いでしょうがね。
それから出品者の友人・知人・招待者。またライブがあるのでそれ目当てのお客さんも見えます。たまに業者さんも見えています。
製作用の道具やギター材もあるので同業者も多いです。同業者は見るところが違いますね。私も昔そうだったのでよく解るのですが、なんか出品者が羨ましいんですよね。ギターを存分に作って生活できるなんて憧れてしまうのです。
しかし、皆さん 涙ぐましい努力があってここに居るのだと想像してしまいます。(人のことは解らないのですが・・)ギターが売れる世の中じゃありませんので・・・・それでもギターが好きで、いい音を求めて研鑽を積んだ結果が、その方の実力としてここで現れているのだと思います。
もちろん、楽器を作っているだけでなく、売り方や見せ方の工夫や努力も惜しんでいないでしょう。どっちかと言えば職人は「売りこみ」が下手で「口ベタ」ですから「お客を黙って待つ」感じになります。でも『セルフ・プレゼンテーションの時代』は職人にも容赦なく襲いかかって来ていますから、下手ながらもやるしかありません。
面白い現象としては、アコギとともにウクレレがこのフェスでは人気ですが、『客層』が違うところです。ゆるい(?)ウクレレ音楽の愛好家は、かっちりしたモノよりもゆるいものがお好きのようで、アコギ製作者が「材が余ったのでウクレレでも作るか」とかの楽器は好まないそうです。ウクレレは「もっと自由でなんでありよ!」と知り合ったウクレレ製作者の教えてもらいました。
こんな情報や出会いもこのフェスのよさです。
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今年一年ありがとうございました。
まったく早いですねぇ。一年が飛ぶように過ぎてしまいます。
皆様のおかげで、一年無事に仕事をすることができました。お礼申しあげます。
リペア工房を主宰していると、いろいろな方にお会いできることが嬉しいです。
お客さんに私が知らなかったことを教えていただくことも多く、刺激になります。
発想が豊かになって、つぎに何か生み出す”きっかけ”になりそうです。
その中でも印象的だったのは、アコースティックギターの新たな可能性を教えてもらったことです。
これまで、私がアコギにアームを付ける改造を手掛けて感じていたことは、このジャンルはまだそのための楽曲がないため一般のミュージシャンはあまり興味を示しめさないことでした。
しかし、日本人アーティスト「雅」の活躍により、アコギで新しい音楽を表現する道がメジャーになりつつあるように思います。マイケル・ヘッジス〜押尾コータロウと来て、ついにタッピング奏法からアコギを叩いてパーカションのように表現する手段まで完成した感があります。
そこに新たに、アコギにチューブスクリーマーやワウペダルなどを使い、マーシャルアンプを鳴らすオーストラリアのアーティスト・ジョンバトラーを教えてもらったことで、「いやぁ、これは何でもありだな」確信しました。
http://musicinfoclip.blog.fc2.com/blog-entry-4287.html
ほかにEwan Dobson https://www.youtube.com/watch?v=eXqPYte8tvc
などもエフェクターを駆使していますね。
お客さんから「『圧倒的なダイナミクスレンジ』の広さがエレキにはない魅力だ」と言われて目から鱗が落ちました。
アコギの新しい可能性が広がりますように!
https://www.youtube.com/watch?v=8nebopovxnM AGwith tremoro / 末原康志
来年もどうぞよろしくお願い致します。よい年をお迎えください。
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ローリー・アンダーソンとその夫の死
ヴェルヴェット・アンダー・グラウンドのルー・リードの死に関し、その妻ローリー・アンダーソンの言葉が世界を駆け抜けました。
「ルーは日曜の朝に木立を見つめながら彼のミュージシャンとしての手を宙で動かしながら、太極拳の有名な第21式を行いながら息を引き取りました。」
その言葉を読みながら、ルーの死を悲しむのと同時に、たぶん多くの人が、その言葉を発した妻ローリー・アンダーソンって誰だ?って思っただろうなぁと想像しました。(または関心も持たなかったか)私にとってローリー・アンダーソンはアイドルでした。彼女がルーと結婚したと知ったときには、good matchと思ったのも、二人とも音楽と美術・両面のアーティストだったのが理由です。
ご存知のようにルー・リードはポップアートの旗手アンディ・ウォーホールと深く関わり、美術シーンからも重要人物として近代美術に名を刻んだ存在であるとともに、ニューヨークのロック・アーティストとしてロックシーンの重鎮でしたね。
一方のローリー・アンダーソンは美術家・アートパフーマーとして現代美術シーンで活躍している人物です。
90年代に名古屋の独立系映画館で彼女のライブパフォーマンス映画を観て、そのセンスに衝撃を受けた私です。音楽として耳に訴え、視覚として演劇的で、コンセプチャル・アートとして美術的で、言葉として文学・詩的で、最新のテクノロジーを身体的に使いそのコンテンポラリー性にノックアウトされたのです。
(ドイツ人のアーティスト「ヨーゼフ・ボイス」がマイクでコヨーテを絶叫したのと対で私はアート・パフォーマンスシーンに惹かれて行きました)
ローリーは、抜群に洗練されていました。ニューヨークが現代美術のメッカであったので、ローリーはその最先端の人々を魅了していったと私は推測しています。ルーもその一人であったんじゃないかな?
そのパフォーマンスに文学界のウイリアム・バロウズや音楽界のピーター・ガブリエムがコラボしていますし、その他に私の記憶が正しければ、ブライアン・イーノやトムトムクラブ。エイドリアン・ブリューのミュージシャンとの関連やビデオ・アーティストのナムジュン・パイクやジョン・ケージとの接触があったはずです。
アート・パフォーマンスはジャンルの壁を超えますから、多くのアーティストが関わっていたと思うのです。
その彼女が「愛・地球博」でパフォーマンスすると知ったときには、現代美術シーンから足を洗った私もそそられましたよ。観たさ半分、アンチ万博半分で結局行かずじまいでしたが、このブログの完成度を上げるには行っておいた方が良かったかもしれませんね。
それはさておき、久々に彼女の名が世界を駆け巡った事実に、一種のノスタルジーを感じるとともに、彼女が再評価されるきっかけになるのでは?と思ったりしています。
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ロック形態最前線
若い友人が、教えてくれたこと。
私の知らないロックの形態。『ソフトロック』『ポストロック』『空間系』とか呼ぶロックがあるそうな。
私のロック遍歴最終番地はオルタナティヴ・ロックのニルバーナとガレージロックのR・E・Mでついえているので、その後のロックはまったく知らないし解らないのです。
そこを埋めてくれた新しい言葉が上の三つ。
お薦めもバンドが『toe』でした。そこでYoutubeで当ってみると、なかなかよかったですばい!
癒し系とも草食系とも言えそうですが、BGMで聞き流すには最高だな〜。聞き流すとは、イヤみでなしに疲れない音楽でリラックスできそうだから。
『LITE』は私にはちょっとうるさいかな。私には『toe』が聞きやすいなぁ。洋楽とかJ・POPとか関係ないジャンルですね。世代も空間も飛び越えた音楽だと感じました。
少しネットで調べてみたら、この音楽形態の原型のひとつに『パブリック・イメージ・リミテッド』(通称P・I・L ピル)があったのが驚きでした。ピルって『セックス・ピストルズ』のジョニー・ロットンがピストルズ解散後に作ったバンドですよね。(ピルではジョン・ライドンと名乗っています。)
パンクスだった私(クラッシュ派でした)はピストルズ後のこのバンドも追っかけましたが、アルバム『FLOWERS OF RMANCE 』で聴いて そのぶっ飛んだ?音楽に戸惑いとシンパシーを感じました。その頃、現代音楽も聴きだしていましたから、ミニマム音楽の影響も感じ取っていたのです。
そうやって考えると、この『ソフトロック』『ポストロック』は地域性の高い民族音楽や現代音楽の理論も巧みに取り得れていることが解ります。
また音楽に映像がリンクして行く方向性も持っているので、映像作家や美術家やファッション界の人間もこの周りにいると考えられますね。
おしゃれでセンスがいい。
『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド』もまたルーツのひとつだそうだから、ここからもその相関関係が紐解けます。ニコやアンディー・ウォーホルの関係がまさにそうでした。ルー・リードの音楽から多くの人がポップアートの世界に移行したのでした。(その逆もあった。)
きっと私の知らないところで、アートがこの音楽と共に行動しているのだろうなぁ。
若い人に教わることが多くなった日々です。
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