2017.01.17 Tuesday

リペア ファイル その288

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    フェンダーPB /  穴埋め・簡易塗装・PG整形 (THE MAD CAPSULE MARKETS モデル仕様に)

     

    持ち込まれたときは、依頼主の手でボディが塗りなおされ かつレリック加工されていました。これを「ザ・マッド・カプセル・マーケット」のTAKESHI UEDA・BASS仕様に作り変えて行きます。

     

      

     

    ピックガード用のビス穴を木栓を作って埋めます。さらにメーカーが塗装時に使っただろう大きな丸穴もプラグカッターで栓を作って埋めます。ボディの木目と同じ方向の木目になるようにプラグカッターを使って木栓を作るのです。木口方向の栓だと木目が直角になるので収縮方向や収縮率が違うので適していません。木工の基本ですね。

     

      

     

    キャビティのザクリにも蓋をします。曲がっているのでアウトラインを写して加工しました。

     

     

    依頼主より預かった”アクリルラッカー”缶を使って塗装します。スプレー缶できれいに仕上げる方法は、缶を湯銭にして暖めてから塗装すること。粒子が細かくなり、また気圧が上がって噴出し量が増えてエアーガンで吹いたような仕上がりになります。

     

     

    ピックガードも加工します。PCに送られて来た写真を参考に切り取るラインの見当をつけています。

     

      

     

    完成。 いたってシンプルなデザインですが、初期のプレジション・ベースに趣きもありますね。それにしてもパンクスに”白のPB”は欠かせません。JBじゃないのです。ポール・シムモンもシド・ビシャスもラモーンズだって”白のPB”でした。それらに影響を受けた80年代の日本のパンクシーンでは、多くのバンドのベーシストはPBを選びました。今度はその日本のパンクスに影響を受けた次ぎの世代が、また白のPBを持ったのですね。

     

      

     

    もともとヴィンテージtypeですが、細かいスペックは改良されています。ブリッジの駒は片落ちしないようスクリュー穴が左右対称になっていますし、ペグはオープンタイプではなくギアの一部はボックスに収納されてホコリなどから保護されています。

     

      

     

    1990年代以降のロックシーンにうとい私ですが、若い人にいろいろ教えられて何とか付いて行っています・・・

     

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    2017.01.13 Friday

    リペア ファイル その287

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      wechter tradition  / フレット交換・ナット交換・サドル交換

       

      プロミュージシャンのアコギ。ライブとライブの間を使っての修理です。すでによく鳴っているのでその勢いを落とさないでフレットワークでプレイヤビリティーに貢献したいですね。

       

        

       

      フレットをやや背の高いタイプに交換します。このwechterは、エレキからの持ち替えを想定した設計になっていて、指板幅が細めで指板アールもヴィンテェージ・ストラトタイプになっていました。その状態をキープしつつハイフレットはややアールを弛めて、チョーキングしても音詰まりしないように指板調整しました。その際できるだけ指板を削る量を抑えて、指板の質量変化にともなう音質変化がないように配慮します。

       

        

       

      フレットタング調整でネックの剛性もアップするようフレットが打ってあります(サウンドに腰と張りを与えます)。トラスロッドはあくまでネックが動いた時の調整用です。フレットピークを整えます。このときも若干ハイフレットが緩めのアールになるように削っておきます。

       

        

       

      ネックでギターを決める人がいるくらい、ネックの握りは大切です。フレット端の調整と共に 指板面からネックに流れるように指板横面の処理を施しておきます。フレットもピカピカになるまで磨きあげてあります。

       

        

       

      サドルも新調します。オクターブでピッチが合うように各弦対応の「オフセット加工」も施しておきます。アンダーサドルタイプのピエゾが後付け(EMGピックアップシステム)されていましたので、弦の圧力が適正にかかるようにタイトながらきつ過ぎないサドルが作ってあります。

       

        

       

      ナットも交換されています。演奏での負担軽減作として011から始まる『Custom Light』弦を張りました。(ダダリオEJ26)この試みは初めてなので、もし音に不足を感じて012ゲージに戻すことも可能のように、ナット溝は012ゲージに合わせて切っておきました。

       

        

       

      出音は011ゲージに落としてことを感じさせない迫力でした。ローもパンチがあります。試弾きでも納得していただき、さっそくレコーディングへと里帰りして行きました。ピエゾ出力前提のレコーディングだと思いますが、生撮りでも遜色なさそうな音量とピュアな生音でした。

       

       

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      2017.01.09 Monday

      リペア ファイル その286

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        ギブソン レスポール・カスタム / フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換・電装系チェック

         

        ”ブラックビューティー”のLPカスタムです。フレットが減って来たためフレットをジェスカー♯55090に打ち換えました。

         

         

        ナットも同時に交換しますが、叩いても簡単に取れてくれません。こういう場合は無理して外すと木部を痛めますので、ノコギリで切れ目を入れてから割りながら外します。次に古いフレットを抜いてロッドを軽く閉めた状態にしてから、指板修正を行います。指板アールが変化しないようにゲージを使いながら、やや逆反りになるように指板を削って行きます。

         

          

         

        バインディングが入っているので、フレット端がバインディングを乗り越す「オーバーバインディング」でフレット入れます。フレット溝を専用のノコを使ってクリーニングしながら、フレット溝幅を統一してフレット打ちに挑みます。フレット端をタングカッターで整形しかつヤスリで調整してから打ち込んで行きます。ハイフレットから行うと タング処理がうまくいかなかったら場合、そのフレットをローフレット用に切り落として使えるのでこの順番がロスが少ないです。

         

          

         

        打ち込むと多少のムラが出るので軽くフレットピークを整えます。”打ち込み式”でなくて”クランプ式”だともう少しムラを抑えられるかも知れませんが、”打ち込み式”の方がタングが木に食い込む感じを実感できるので、そうしています。キツイとかユルイとかが感じられるのです。その感じを元にタング調整をしなおして、その次ぎにフレットを打ち込んで行きます。(最終的に弦を張って指板が真っ直ぐになるようにタングで調整しているのです)

         

          

         

        ナットも製作。今回はオリジナル通りに3.4弦はポストに向けてテーパーをつけます。(ナットピークを鋭く立てるときは平行にしています)ブルージーなサウンドにはナットの接地面はやや広めがいいとの判断からです。

         

          

         

        PUはEMGに交換されていましたが、アジャスタブルピースのところにダミーの穴が空いているモノ。これは”ジェームズ・ヘットフィールドモデル”だと依頼主に教えてもらいました。内容はEMG81だそうです。配線がいまひとつだったので、結線部を収縮チューブで被覆したり手直ししました。

         

          

         

        EMG81は私も好きなPUのひとつです。

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        2017.01.05 Thursday

        ブルース・スプリングスティーン自伝(上・下巻) ”Born to Run”を読んで

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          2枚組みのアルバムのようだ。1冊に収まらなかったのか?
          4時間のステージを完結しないとブルースは納得しない性格なんだな。この自伝はそれを証明している。

           

          ブルースも告白しているように「自分のすべてをここに書いていない」とある。67年の人生をたった894ページに記載させることは不可能だろう。しかし同時にこうも語っている「読者に自分の心の内を明かす」と。

           

          その最たるものは「父親」との葛藤の歴史だろう。父親に愛されていないのではないか、と疑心暗鬼だったようだ。ただこれはブルースに限ったことではなく、多くの男子は父親との距離の取り方をティーンエンジャーのころから悩んでいるものだ。(もちろん女子でも同じことが起こるが)


          青年期における自我の確立と父親の存在は、ときに激しくぶつかる。母親を独占した気持ちや 狭いながらも自分の空間を守りたい気持ちや 自信のないが激しく突きあがる衝動とそれを糾弾されたときのやり場のない気持ちが、父親に向かう。

           

          またブルースは父親が精神障害であったこと、自分にはその血統があり、ずっと躁鬱の状態にありカウンセラーにかかっていることをオープンにした。(ステージでのブルースは躁でもあったのだ)

           

           

          ブルースの父親はブルーカラーだった。貧乏の部類だったようだが音楽好きの母親がブルースにギターを買ってくれた。それが運命を決定づけたのは言うまでもないだろう。

           

          ブルースの音楽の真ん中を貫いているのは、「労働者階級の日々の生活」だ。彼の生い立ちがそうであったから、リアリティがある。

           

          ジョンレノンは「ワーキングクラス・ヒーロー」のTシャツを着ていたが、ブルースは肌にそれがプリントされている。後にビジネス的に成功してもそれを脱ぐことができない。肌そのものだからだ。

           

          彼の歌には、ブルーカラーの人々の日常が綴られているが、同時に「家族」の問題をも扱っている。
          その中で父親をいい男として取り上げることはなかった。

           

          ただし晩年は少し違った。「父親」と少しでもいい関係になろうとブルースもアプローチしたし、父親もブルースに近づいて来るようになる。子供のころは解らないが、結婚して家庭を持ち自分が父親になって はじめて父親の気持ちが理解できるようになるものだ。

           

          ロックは以前、若者の気持ちを代弁するものだったが、いつしか若者も大人になり 大人の心情を歌に込められるように来た。ロックンローラーは、父親にもなるんだぞ。

           

          いつも仕事着でいる父親は、仕事上でのつらさやそのその忍耐を子供には知られないように、家では無口なり夜は酒を浴びるようになる。それを子供は忌み嫌う。その関係から逃避しようとギターを手に取る。子供は子供でストレスを発散する場所が必要だ。ガレージをベースに、遂にはロードに出るようになる。家出だ。

           

           

          ブルースの生い立ちで重要なワードのひとつが宗教であろう。カトリック系の学校に通い自身カトリックの信者である。米国は新大陸と呼ばれカトリックから離れようとしたプロテスタントの地でもあるのだが、イタリア系の家系ではカトリックが続いている。(映画「ゴットファーザー」はその系譜)

           

          歴史を笠に荘厳で重々しく 罪と罰を押し付けるが、安心を約束する宗教。美があり聖なる力の源泉がある。ブルースはそこに根ざして歌を作っている。よくも悪くも逃れることができないのが宗教の力だ。(私もカソリック信者を親に持つ)

           

          「いったんカトリックになるといつまでもカトリックなのだ」

           

           

          ブルースの生まれた東海岸ニュージャージー州は保守的な地であり、共和党の地盤であるが近年は民主党と拮抗してるという。ブルース自身は民主党を支持を打ち出すミュージシャンとして有名だ。オバマ氏が大統領に就任したときに彼の後ろでタカミネを持って歌い、その映像が全世界に配信された。

           

          ブルーカラーは労働者の党である民主党を支持するはずであったが、今度の選挙は違った。共和党のトランプ氏を支持した率が高いという。ラストベルト(錆びついた工業地帯)の労働者が、かつて繁栄した製造業を取り戻したいとの幻想をトランプ氏に託したのか。

           

          ブルースのファン層の白人労働者達もトランプ支持派に含まれていただろう。人種差別問題やベトナム帰還兵の問題を取り上げて来たブルースが今後どんな歌を作るのか。トランプ支持派にも届くメッセージソングを聴かせてくれ。

           

           

          自分の歴史をたどり、再びその経験を生きることによって ブルースは、この自伝の執筆が『リハビリ』になったろう。
          「走るために生まれ」て来た男が、新たなスタートラインに立つ。

           

           

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          2016.12.31 Saturday

          一年を振り返って (ネックアイロン矯正とネックリセットの比較)

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            一年がこんなに早く過ぎてはしまうのか。

             

            それでも今年もいろんな仕事をやらせてもらい皆様には「有り難い」のひと事しかありません。

            リペアは一本ずつ内容が違うし、状態も違うので仕事が右から左へ片付く少ないのですが、

            それでも一本ずつ確実にこなせば信頼も上がるし、腕も上がって来ることが実感できています。

             

             

            さて今年の仕事内容を振り返ってみると、アコースティックに限ると

            「弦高が高くなって弾きにくいので修理してもらいたい」との依頼が多かったでしょうか。

             

            その原因は「ネックの反り」や「ネック元起き」の現象によって引き起こされていることがほとんどです。

             

            その場合の修理方法として「ネックアイロン矯正」や「ネックリセット」が考えられます。

            当工房のブログに「ネックリセット」したファイルはなかったと思いますが、実際にはやっています。
            当工房では一般ユーザーのほか、メーカー、問屋、楽器店、リペア工房などから来る楽器も修理しており、

            その中で「リセット」も指定されてやっているのです。

             

            ただ持ち込まれて相談された場合では、楽器を見て「アイロン矯正」か「リセット」の判断をすると
            圧倒的に「アイロン矯正」を薦めることが多くなっています。

             

            理由のひとつは「リセット」すると料金が高くなること。「アイロン矯正」だとコストパーフォマンスが
            いいこと。もうひとつは、過去に「リセット」された楽器で再び「ネック元起き」になっているケースを

            数多く見ているからです。

             

            これは「ダブテール」ジョイントの欠点だと感じています。完璧な「ダブテール」強度は高く
            動かないものですが、構造上セッティングが「甘く」なる傾向にあるのです。

             

            ヒールエンドに向かってテーパーのついた「ダブテール」のオスとメスが合致する点は一点です。

            叩き込むだけならこの構造でも問題ないのですが、ネックには指板が付いており、マーチンなどネックとボディを

            別々に塗装し後でネックを仕込む方法だと、オス・メスが合致する前にボディに指板が届いてしまうと

            それ以上「ダブテール」が進まず、結果「緩い」仕込みになってしまうのです。

             

            これは「ネックリセット」でも同じで、いくら「きつく締まった」と感じでセットしても弦張力がかかると

            隙間が再び生じます。

             

            (もちろん、この作業を完璧にこなすリペアマンも多くいるので不安がることはありません。)

             

            それと「仕込み角度」の問題があります。

            これは「ネックアイロン矯正」で14フレット付近から曲げて「仕込み角度」をつけた場合でも同じですが、

            「仕込み角度」をつけ直すとハイフレットで指板が途中で折れ曲がった状態になってしまいます。

             

            本来は、ナットから指板エンドまで真っ直ぐであることがいいのですが、「リペア」した場合曲がってしまいます。

            アコースティックギターはあまりハイフレットまで演奏しないので、問題になることは少ないのですが、

            曲がってしまうとハイフレットに行くにしたがって、弦高が徐々に高くなってしまいます。

            (14フレットまでは「仕込み角度」変更で低くできているが)

             

            この点が「ネックアイロン矯正」の弱点です。同じように「リセット」で「弦高を下げる」ため

            指板がまっすぐになるように「リセット」した場合、元と同じ設定になるため「弦高がオリジナルの設定」に

            戻るとお考えでしょうが、実際は表板の膨らんで来ているので、まっすぐに戻す程度の「リセット」では

            「弦高」は充分下がりません。(ナット高の修正やブリッジ本体を削ることもある)

             

            なので、指板下に薄いテーパー上の黒檀材やマホガニー材を挿んで、仕込み角度をつける修理方法がベストです。

            これならば、サドル高を充分な高さで弦高をセッティングできます。この状態だと音に張りが出て「リセット」すること

            で「サウンドの改善」がはかれるでしょう。

             

            この作業はなかなか時間がかかります。当然リペア代金も高くなります。しかし、私は本来の「ネックリセット」は

            こうでありたい、と考えていますので、次点の作として「ネックアイロン矯正」を勧めるのです。

             

             

            一年の最後に「ファイル」に手一杯で書けなかった内容をここに記載できて、少し安堵しています。

            さぁ、これで私も「リセット」できました。

             

            一年間このブログにお付き合いくださり ありがとうございました。

            来年がよき年となりますように。

             

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            2016.12.26 Monday

            リペア ファイル その285

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              ヤマハ CJ−12 / ピエゾPU取り付け加工

               

              大きなボディの生ギター。エレアコ化するためにPUを搭載します。

               

               

              お勧めはLRバックス社の「Iビーム・アクティブ」です。いろんな後付けピエゾが販売されていますが、本機がコストパフォーマンス的に優れているでしょう。ブリッジ裏に貼り付けるタイプで本体に大きな加工をしないのが利点です。アンダーサドルPUを評価する向きもありますが、出力バランスがいまいちなのとハウリングが起こりやすいのが弱点です。これは「後付け」加工ゆえサドル下でPUに”遊び”があるから生じる現象です。それと生音にマイナスですね。サドル下に布団をしいているようなもんです。

               

               

              エンドピンジャック加工を施します。大きな穴を開けるので専用のリーマーが必要です。慎重にやらないと大きな損傷を残すことになります。

               

               

              エンドピンジャックにプリアンプが内臓されていますので、出力も充分です。ピエゾの発電力は小さいので、その近くで信号を増幅してやらないとノイズの影響が大きくなってしまいます。ピエゾPUやコンタクトPUはプリアンプが必需品だとお考えください。ボリューム・コントロールスイッチをサウンドホール脇に取り付けます。(これが案外落ち易いので注意)

               

               

              部屋で弾く分には生ギターで充分ですが、外に持ち出すにはエレアコ化する必要が出てきますね。エレアコには「いかに生音に近づけるか」と考える派と「生音とは別物」と考える派がいます。PUを複数搭載して(デュアルPU)でエアー感と音抜けの両立を図るのは「生派」で 「別物」の代表格は、長渕の弾くタカミネですかね。長渕の音は「ナイフの刃のような音」だと賞した人がいましたが、緊張感のあるサウンドが特徴です。

               

               

              いすれにしても、それをどう自分の音楽に生かすかが大切でしょう。

               

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              2016.12.21 Wednesday

              リペア ファイル その284

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                ギブソン LG-1 /  弦高が高い(ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換・サドル交換)

                ブリッジピン交換

                 

                ヴィンテージのギブソン・アコースティックLG−1です。小ぶりなボディで女性アーティストに人気のギターですね。入手後「弦高が高い」とのことで調整のため持ち込まれました。

                 

                  

                 

                点検すると「ネック元起き」「ネックの順反り」と「表板の膨らみ」が進行しているのが解りました。表板に関してはすでに補強材のプレート材が貼り付けてあったので、「膨らみ」はこのままで固定されていると判断し、ネックの仕込み角度の変更を行うべく「ネックアイロン矯正」で「元起き」と「反り」を矯正しました。

                 

                 

                 

                フレットピークをこの仕込み角度に合わせるように「フレットすり合わせ」して修正します。同時にローポジションのフレットの凹みもならしてしまいます。

                 

                 

                 

                台形になったフレットの頭(ピーク)を再び専用ファイルで削り出します。フレットの傷を各種ペーパーで取り除き、最終的にはピカピカに磨き上げておきます。

                 

                  

                 

                長い間チューニングのたびに擦れて減ってしまった「ナット溝」。これで開放弦でビビリ音が発生してしまいます。古いナットを外して新しいフレットを作り直します。ギブソン純正ナットを使ってみました。

                 

                  

                 

                オリジナルのブリッジピンはへたってしまって使い物にならなかったので、エボニー製のピン(スモークド乾燥処理してある)に交換しました。それに合わせてピン穴の修正をしておきます。

                 

                  

                 

                ブリッジピン穴に弦溝もつけます。こうすると弦のゲージが変わってもピンが変形することがないですし、弦交換でピンを抜くときも、スムーズに外すことができます。(ピン側に弦用の溝が切ってあっても、ブリッジ側に弦溝がある方が楽器へのダメージが減りますね)

                 

                  

                 

                12Fで1弦2ミリ・6弦2,5ミリになりました。ネックもストレートな状態に。「大変弾きやすくなった」とお言葉をいただきました。ネックも弦張力に対応するためネックが安定し、サウンドに腰を与えています。

                 

                 

                はじめ私はこのタイプはB-25かと思いました。後で調べてみると外観は同じでもLG-1の方が古い楽器で、力木がB-25は「Xブレーシング」でLG-1は「ラダーブレーシング」だと解りました。ウクレレのブレーシングと同じで弦に対して直角の力木が2本配置されています。弦張力に弱いので「表板の膨らみ」が進行したのだと考えられます。出音はサスティーンが短くなる傾向にありますが、切れのいいサウンドとも言えますので楽曲によっては効果的です。本機にはアンダーサドルのPUが仕込まれていましたので、PU出力すればどのようにも使えます。

                 

                 

                あちこちにリペア痕が残っていますが、全体の状態はよく すぐ実践対応できるヴィンテージでした。古い楽器は、手を入れながら使い続けていけばいいんですね。そのとき後世の人が手直しできるような「修理」を心掛けることが肝心だと思っています。リペアの鉄則でしょう。

                 

                 

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                2016.12.16 Friday

                リペア ファイル その283

                0

                  FERNANDES  PIE-ZO  /  電装系チェック

                   

                  フェルナンデスのロングセラー商品”ZO−3”シリーズのBASSバージョン。マグネットPUではなくピエゾPU仕様なので「ピエゾー」の名を持つ。命名からして当たりでしたね。「ぞーさん」という名前とルックスがいいんです。スイッチを入れると目に当たる部分の赤いLEDが光るところが可愛いのね。

                   

                   

                  ボリュームノブやon-offスイッチを触るとガリ音が出るので電装系をチェックしました。

                   

                   

                  裏蓋を開けてプリアンプ/パワーアンプを確認します。スイッチ類に錆びが出ていますね。拭き取りしてから「接点復活剤」をスプレーし、ポットを”クルクル”回して酸化している内部の端子の汚れを落とします。それから9V電池の接点端子もクリーニングしておきます。ここでの接触不良もけっこう多いです。

                   

                    

                   

                  無事、スイッチ類を触ってもクリーンな音が出るようになりました。ショートスケールの「持ち運び」を前提にコンパクトにまとめられた楽器で、内臓スピーカーから音が出るようにパワーアンプも仕込まれています。ZO−3は、アンプなど電源を必要としない野外ライブ専用のギター/ベースです。

                   

                    

                   

                  ヘッドも独特なデザインです。ロングセラーになる理由があちこちにありました。お値段も手頃なのが成功の秘訣でしょう。

                   

                   

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                  2016.12.12 Monday

                  リペア ファイル その282

                  0

                    タカミネ NPT-110N / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・サドル交巻

                     

                    だいぶ以前にカスタムオーダーしたいう”Takamine ”。 スチール弦ですがナイロン弦なみのワイド指板に スロットヘッドを持つこのギターは、海外仕様を元に作られているそうで、”オールつや消し塗装”っていうのも含めて珍しいですタイプです。

                     

                      

                     

                    「弦高が高くなって弾きにくい」とのことで点検しました。「ネック元起き」しており仕込み角度が甘くなっています。仕込み角度を適正にするため「ネックアイロン矯正」をしました。右のショットは14フレット付近からネックが逆反りしている図。

                     

                      

                     

                    フレットピークも整えておきます。ローフレットに轍(わだち)ができていたので、そこまで「すり合わせ」してから再びピークを専用ヤスリでつけ直し、その後ヤスリ痕をペーパーの番手を上げながらきれいにして、最後は完全にピカピカになるまで磨き上げます。またフレット脇もヤスリで調整したので、握り具合もさらによくなったと思います。プレーヤービリティ向上直結の「フレットワーク」です。

                     

                      

                     

                    仕込み角度が深くなり、サドル高が上がりました。背の高いサドルへ交換します。この結果、弦高が下がったうえ サドル高が上がったので弦留めからの立ち上がり角度が強くなり、サドルへの圧力が高まりました。生音はタイトになり、またサドル下に仕込まれた圧電素子(タカミネではパラスティック・ピックアップと読んでいる)にかかる力も増えるので、信号の情報量もアップされます。

                     

                      

                     

                    弦を張っても角度は維持されています。

                     

                     

                    やや小ぶりなボディにシックなカラーリング。おしゃれなギターですよね。弾きやすくなって”中島みゆき”から”ユーミン”までこなされるお姉さまの歌伴奏に再び活躍されることでしょう^_^。

                     

                     

                     

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                    2016.12.08 Thursday

                    リペア ファイル その281

                    0

                      フリッツ・ミューラー 8弦ギター / ネックリセット・フレットすり合わせ・サドル調整・ネック塗装

                       

                      若手クラシック演奏家の大手文明氏の8弦ギターです。外見は従来のクラシックギターですが、あちこちに新しい構造/アイデアを用いてあるモダンな楽器です。弦高が高くなっていたので調整しました。

                       

                        

                       

                      弦高が高くなった原因は、ネックの反りと仕込み角度がやや甘くなっていたからです。レイズド・フィンガーボードを持つギターですが、ハイポジションが弦張力によりやや「元起き」しています。そのため「仕込み角度変更」のため「ネックのリセット」をしながら、ハイポジ部分に掛かる力を分散するようなレイズド・フィンガーボードの形に再整形することが必要です。

                       

                      この楽器は、「ボオルトオン・ジョイント」であったためボルトを外して「リセット」します。ノミとヴァイオリン製作用の自作豆カンナでヒールを加工しています。

                       

                        

                       

                      リセットされて「仕込み角度」が変更されたショット。この後、マホガニー材を貼り付けこの隙間にぴったり合うように整形します。

                       

                       

                      このとき弦を張り張力がネックに掛かった状態で、隙間はなくなり かつ指板を押し上げるような無駄な力が発生しないように、ある程度作業したら弦を張り確認し、また弦を外しネックを外し、隙間部の貼り付けた材を削って調整するという作業を、延々繰り返し完成度を高めて行きました。ボルトオンとはいえ狭いボディ内のボルトの取り外しは結構大変です。

                       

                        

                       

                      その後ネックを塗装しました。グリップしてすべらないように「オープンポアのつや消し」塗装で仕上げてあります。

                       

                       

                      トラスロッドを持つ構造なのでロッド調整して、フレットをすり合わせします。プロの演奏にかなうようなレベルに持って行きます。フレットをあまり低くし過ぎないように全体のバランスをみながら「すり合わせ」「ピークのつけ直し」「磨き」と進めました。

                       

                        

                       

                      ネックは「トーションネック」となっていて、ローポジションがやや傾く構造になっています。演奏しやすくするためのアイデアですね。

                       

                       

                      表板は「ダブルトップ」構造です。薄い杉材の間にハニカムコアが挿んであり軽くて丈夫なトップ材で、音量増と反応速度に優れています。サイドバックはウレタン塗装ですが、表板はセラック塗装で薄く仕上げられています。サドルはピッチ調整してある「オフセットサドル」になっており、7と8弦だけはセパレートしてありました。

                       

                        

                       

                      このほか、斬新なアイデアが散りばめられている「フリッツ・ミューラー」でしたが、製作家の創意工夫に敬意を表してそれのアップは控えましょう。調整させていただいた私は役得ということで・・・ 

                       

                       

                      鳴り、感度ともにすばらしい楽器でした。

                      8弦ギターの可能性を大手氏は「8弦は低音が増えるので暗譜や操作性において大変ですが、何よりその響き(メロディーが長く歌ってくれる)という点において6弦とはまた違った音楽を作れるような気がしています。弾弦して、通常ならば減衰していってしまうものが、減衰せず、音と音との間に何か世界を作れる」と表現されていました。新星(ノバ)の輝きを感じます。

                       

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