2017.02.23 Thursday

リペア ファイル その297

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    Bossa guitar / フレットすり合わせ・ロッド調整・フロイトローズ再設定・トグルスイッチ交換

     

    昨今はBASS作製専一になっている”BOSSA”ブランドのギターです。ハイエンド・ギターの分類されるハイ・スペックなギターです。しばらくぶりにオーナーが演奏を再開されるそうで、ネック調整および全体の調整を依頼されました。

     

     

    フレットが磨り減っています。またネックの反りもあります。ロッド調整し『フレットすり合わせ」をします。「すり合わせ」を早期に行うとフレット全体のレベルが合いやすいので、結果『フレット交換』の時期が後ろにずらせます。よくギターを弾かれる方は経済時だと思います。

     

      

     

    24フレット仕様。指板エンドにある”2つビス止めしてある蓋”を開けると、ロッドが見えて調整できるようになっています。細かい工夫ですね。

     

     

    国産にポットとトグルスイッチが搭載されていましたが、トグルスイッチでやや接点不良がみられます。国産品も決してグレードが低いということないのですが、耐久性にはおいてはUSA製に軍配が上がります。スイッチクラフト社製のものに交換しました。PUはBOSSA特製品で国内で巻かれたものと思います。サウンド分解率のいいPUでした。

     

      

     

    ヘッドはBOSSA特有のデザインです。フロイトローズが搭載されています。ボディザクリがされてないタイプなのでupは不利ですが、downは十分です。フロイトローズの弦交換するときは、ファインチューナーのスクリュー位置を中間にしてから行ってください。そうすることでチューニングする幅が広くなります。

     

      

     

    1・2弦にシタールの様なビビリ音が出たので、原因を探ってみるとロックナットを閉めると弦溝の先端にわずか段差が生じていました。ここでビビリ音が発生していたのです。弦溝を深く切り直すと問題の音は見事解消されました。

     

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    2017.02.19 Sunday

    リペア ファイル その296

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      Hermann Hauser掘.魯Ε供辞契ぁ。腺庁横娃娃亜/ フレット交換・サドル交換・ナット調整

       

      クラシックギターの世界では、かならず名器に上げられるハウザー家。セゴビヤはハウザーを愛用していましたね。高貴な香りを持っており”ドイツ皇帝”のような存在です。

       

       

      ネックがやや「順反り」かつ既存のフレットが低く感じるとのことで、背の高いミディアムフレットに交換することになりました。指板上で少し仕込み角度がつくようにローフレット側を多めに削りつつ、全体の剛性が落ちないように慎重に指板調整をします。

       

        

       

      指板の溝を新しいフレットに合う深さに切り直します。ハウザーのネックは結構強いですね(エボニーとマホガニーの素材がいいのか、それとも指板裏に何か秘密があるのか不明ですが)。フレットタングのキツさをそれほど強くしなくてよさそうです。

       

        

       

      フレットをきちんと打ち込めばフレットピークを整える「すり合わせ」はわずかで済みます。その後磨き上げて行きます。

       

        

       

      完成。特筆すべきはハウザーの指板は台形に加工されていて握ると手にしっくり来ます。クラシックギター奏法ではエレキのようにネックを握ることはありませんが、ネックを手の延長と考えれば自ずから自然なカーブが生まれるでしょう。

      サドルも新調します。旧のサドルと弦高を変えて作れば2種類の弦高をチョイスできるようになります。

       

        

       

      シングルトップでありながら音量が充分あり遠達性も優れています。(ハウザー家は世界で一番材料を持っているとウワサされるほどで、トップ材もよりすぐり品でしょう)音に艶がありどのポジションでも余韻があります。バック・サイドは美しい杢目のハカランダ。このハカランダから生まれるきらびやかな倍音が音に厚みを持たせています。

       

        

       

      ヘッドの突き板もハカランダですね。バインディングが入っていますが、このカラーも深みがあり高級感を漂わせます。ヘッド裏のヘッドジョイント部分。かつて古典楽器はこういう複雑な加工がされていました。今はもっと単純になりましたが、ハウザーではこのやり方を守っているのですね。精度の高い仕事が見て取れます。

       

        

       

      裏板側の力木・ラインニングはすべてマホガニーでできていて、表板側は力木・ラインニングはすべてスプルースでできていました。トーレスタイプの力木ですが、3世ならではの工夫がなされています。サウンドホール下の力木は真っ直ぐでなくカーブしていましたし、ブリッジ下のプレートとファンブレイシングは交差していますが、スキップしていて接触していませんでした。

       

        

       

      緊張する仕事でしたが職人として成長する喜びを感じています。ギターを納品する際に演奏家による”ギターよもやま話”をいろいろ伺えるのも楽しみのひとつ。「主旋律や低音より内声(ないせい)を聴いている」というお話は、ギターの調整を考えるうえでも重要な視点をもらった気がしました。

       

       

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      2017.02.16 Thursday

      リペア ファイル その295

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        ギブソン J−45 /  「ANTHEM」PU取り付け

         

        先に取り付けてあったPUシステムのノイズがひどいとのことで、新たにL.R.BAGGS社の「ANTHEM」に載せ換えました。エアー感のあるシステムゆえ、グレードアップをも狙っての依頼です。

         

         

        L.R.BAGGS社が単体でも販売しているシステムの、ブリッジ下に貼り付けるマイク”Lyric”「Tru-Mic(トゥルーマイク)」とサドル下に取り付けるピエゾ「Element」が合体したのがこの「ANTHEM」です。それらをミックスできるプリアンプがあるのが特徴ですね。(このシステムには下の写真のほかにバッテリー用の袋がついています)

         

         

        先についていたアンダーサドル・ピエゾを抜いて新たに「Element」を入れました。このピエゾは薄い網が板状になっています。もう一枚の写真には、ブリッジ下の装着した「Tru-Mic(トゥルーマイク)」が見えます。マイクから伸びるコードが二本ブリッジ下で交錯するので、「Element」は左側「Tru-Mic(トゥルーマイク)」は右側に出るように装着してあります。

         

          

         

        そのコードをプリアンプにミニピンジャックでINします。これを省いたシステムも販売されていますが、プリアンプに入力すると回線的に余裕ができますし、もしトラブルが起きても原因を発見する時に、独立系で入力してあると発見しやすい利点もあります。アウトプットジャックもここに繋ぎますが、アウトプットジャックはシールドの抜き差しで劣化するものですから、こういうシステムですと交換が容易になります。ノイズが出て交換した旧システムも原因をさぐってみたら、ジャックの劣化が主因でした。

         

         

        エレキギターでは、アウトプットジャックの劣化による新品との交換する作業は一般的ですが、アコギではあまり普及していません。それはアウトプットジャック一体化のプリアンプが多いからだと思います。これではジャックの交換が容易にできませんよね。

        タカミネやヤマハではアウトプットジャックが独立していて交換可能なタイプもありますが、専用品なので交換が安くないです。エレキのように比較的に安価なジャックで交換可能になるシステムの普及を願います。

         

         

        上はサドルに下駄を履かせて弦高を稼いだショット。旧システムは円筒状のピエゾだったのでサドル高が不足したのです。今回はこの方法を採用しました。 ケースバイケースで依頼主の要望に応えています。

         

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        2017.02.11 Saturday

        リペア ファイル その294

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          マーチン Dー35  / 弦長不足(サドル溝位置を後方に移す)・ナット交換・サドル交換・PU取り付け加工

           

          FISHMAN ( フィッシュマン ) / RARE EARTH の取り付けを依頼されました。楽器全体をチェックしていたらサドルに不自然な加工がされています。どうやら「ピッチが合わない」のでサドルピークをいじっているようです。弦長を調べてみるとサドルの位置が適正な位置よりやや前に付いています。どこかで聞きましたが70年代の一時”マーチン”で弦長が合ってないのが存在するとのこと。これがそうなのか?

           

            

           

          サドル溝を黒檀材で埋め戻します。その後、適正な弦長をブリッジに写します。約2.5ミリ 後方に移動。(マーチンDシリーズは弦長25.4インチを採用しています。私はインチ対応の長いスケールを持っていないので、全長の半分に当たる12フレッ数値を倍に計算して1弦側でプラス1ミリ6弦側でプラス5ミリしています。このプラスする値はロングスケールとショートスケールで異なって来ますし、減の種類やゲージによっても変化します。オフセット加工するときもゲージや弦のメーカーを仮に決めてから行うとよいです)

           

              

           

          ジグをセットしてブリッジにサドル溝を掘りなおします。

           

            

           

          サドルは3ミリ幅にものを入れました。このサドル幅の間でオフセット加工します。ハイエンドのアコギはこの倍もあるサドルを入れてよりシビヤにオクターブ調整できるようにしていますね。(私はサドル幅が3ミリあれば大方対応できると感じています)厚いサドルは音の分離に優れ またをタイトな音色をつくりますが、ナチュラル感・エアー感が薄れるように思います。用はどんなスタイルの楽器を作りたいかで決まってきます。

           

            

           

          ナット溝も低くなっていましたから、交換しました。低いと開放弦でビビリ音が発生しますね。弦をチューニングするたび、弦の摩擦でナットの素材(牛骨)を少しずつ削って行くので、ナット溝が低くなってしまうのです)

           

            

           

          フィッシュマンのマグネットPUを取り付けます。エンドピンジャック用の穴加工をしますが、もうひとつ大切なのは、シールドの長さ。長いシールドコードが付いていますので、余分は切って短く加工し直します。ときどきギター内部で余ったシールドをぐるぐる巻いて側部に張りつけてあるのを見かけますが、短いシールドの方が信号の劣化が少ないですし、ギターの振動を妨げないです。

           

            

           

          D−35の特徴のローズウッド3ピースバック。指板にはセルが巻かれているところも18や28と違うところですね。

          (うがった見方ですが、3ピースは音色のため というより2ピースでは狭い材の有効活用かと・・・でもそれでいいのではないですか。デザインも面白いしエコですから。トップ板だって絶対ブックマッチ!と決めないで3ピースや4ピースでもいいのではないかと思うのです。木材の枯渇はすぐそこまで迫っています)

           

           

          マーチン・ギター修理 インデックス http://9notes.jugem.jp/?eid=307

           

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          2017.02.07 Tuesday

          リペア ファイル その293

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            JAPAN ディ・アンジェリコ Jazz Line/ ネックアイロン矯正・フレット交換(オーバーバインディング・フレット端丸め処理)ナット交換

             

            弦のゲージを上げるため(12−51)ネックが強度不足になり「反る」のを防ぐため、同時に高めのフレット希望のため ジェスカー♯♯55090にフレット交換しました。(フレットタングでネックを逆反りさせてネック剛性を高めるトラスロッドのないマーチンやクラシックギターでやる技法です)

             

              

             

            フレットを抜き去り、ロッドを弛めるとネックが順反りになりました。このまま指板調整をすると、ローフレット部の指板を多く削ることになりますので、却ってネック強度を下げてしまいかねません。なのでここでネックアイロン矯正を掛けてネック調整します。

             

              

             

            ネックを真っ直ぐにしてから指板調整します。

             

             

             

            オーバーバインディングなのでフレット端のタングを処理するのですが、今回新しいジグを購入し使用しました。従来はタングニッパーでフレット端のクラウンを残しタングをカットし、手でクラウンにわずか残ったタングのささくれをヤスリで取り除いていました。しかしどうしてもクラウン下の平面性が不確かだったので不満がありました。このジグで正確性をアップを期待し導入することに。 結果はグッド! 技術はいつも更新していかねば、と思っています。

             

              

             

            ナットは「匠ブランド」の高品質ナットを使用。密度が高いのに重たくなく響きがいいですね。フレットタングがしっかり指板に食らいついていますので、ネックの剛性が上がっておりゲージを太くしてもこの通り真っ直ぐ。

             

              

             

            依頼主の希望でフレット端を丸めました。ディタッチャブルネックではしばしばやる「丸め」処理ですが、セットネックではちょっとやりにくい・・・何とかまとめました。

             

             

            弦高は12Fで 1弦1ミリ 6弦1.25ミリと低い設定。並みのプレーヤーならばビビリ音が発生してしまいますが、ピッキングのニュアンスを調整できる腕のある依頼主は、難なく弾きこなしています。流石!

             

             

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            2017.02.03 Friday

            リペア ファイル その292

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              Dieter Muller  2016 8弦   / フレット調整・サドル作製・サイドポジション入れ・全体調整

               

              気鋭の新人ギタリスト・大手文明氏 所有の8弦クラシックギター ”ディッター・ミュラー”です。先にミュラー一族 ”フリッツ・ ミュラー”の調整をさせて頂きましたが、今度はその本家です。セラック仕上げのギターで大変完成度が高く、気品があります。私は楽器の値段で仕事の質を変えることはしませんが(いつも全力です)、オーラが漂う楽器に向かうときは、自分の体調を気にします。そうしないと気迫に押されて平常心で仕事に向かえないのです。

               

                

               

              フレット調整します。各弦、各フレットのバランス・高低をすべてチェックして行きます。まだ新しい楽器なので全体のフレットピークレベルを下げるようにはせず、フレット間のバランス・高低のバラつきを正す方向で調整します。なるべくフレットピークを高いまま保持したいからです。

               

                

               

              万が一”セラックトップ”に傷が付いたら極薄塗装なので修復不可能ですので「養生」します。チェックしておいたバランスの悪いフレットを削って前後の高さを均一にして行きます。その後は形を整え磨いておきます。艶が統一するよう磨きは全フレット行いました。

               

                

               

              サドルを新調します。国産の最高ブランド「匠」の牛骨を使用します。私は象牙は使わないので、高品質を望まれるケースではこのブランドをお勧めしています。(中国・日本は象牙の密輸入が多いので、それを助長しないために象牙を使わないことにしています) 加工してサドル溝にぴったり収まるようにして、

               

                

               

              1〜6弦と7・8弦を分離した”セパレートサドル”に加工しました。1〜6弦はレギュラーチューニング、7弦はB 

              8弦はGにチューニングします。

               

               

              サイドドット・ポジションマークを入れました。ネックはレイズドフィンガーボードでセットネック仕様です。(フリッツ・ミューラーはボトルオン・ネックでした)

               

                

               

              ナットはオリジナルですが、弦溝をわずか調整しています。ナット・サドル・ネックの状態を把握して「弦高」や「テンショ感」を可能な範囲で調整していきます。プロの方はこの辺りが大変敏感なので、慎重に調整しています。

               

                

               

              力木はトーレスタイプですが、比較的シンプルな構造でした。ラティスブレイシングやダブルトップでなくても音量があること・音の立ち上がりが大変優れているのは、製作者の技量・チューニングがすばらしいのと 材木が1級品なのがなせる技でしょう。一流の楽器は始めから鳴ります。もちろん弾きこなせばさらに鳴るようになるのですが、始めは鳴らないということはありません。すでに名器の器です。

               

                

               

              「いい楽器は”演奏者”を”職人”を成長させてくれるもの」とある方に教えていただいたことがありますが、まさにこの楽器が私にとってそうでした。

               

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              2017.01.30 Monday

              リペア ファイル その291

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                ヤマハ F Gー401 W   / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ブリッジピン穴調整

                 

                珍しいヤマハの古いギターです。ブリッジが”アジャスタブル”になっていてギブソンのJ−45の”アジャスタブル・ブリッジ”を彷彿させます。この手の仕様は振動ロスが大きいのですが、それが却って独特のサウンドキャラクターを生み、個性のある楽器として存在感を醸し出します。

                 

                  

                 

                ネックが反って、かつ「ネック元起き」が発生してしまい、弦高が高く演奏しずらくなっていました。それを「ネックアイロン」で矯正しネックの調整をします。一度では修正できませんので、何度も工夫して(独自の方法がある)狙った仕込み角度になるように”矯正”を掛けます。

                 

                 

                「アイロン矯正」のあとは「フレットすり合わせ」を行います。フレットピーク(フレットの頂点)を整えますが、同時に磨り減った部分も消失するように「すり合わせ」をしています。削られて台形になったフレットピークを専用ファイルで山型に整形し直し、その後ファイルの傷をペーパーの番手を荒いものから細かいものに変えながら、最終的にはピカピカになるまで磨きあげて行きます。

                 

                  

                 

                ブリッジも点検してみます。”アジャスタブル・ブリッジ”はこんな構造になっていました。

                サドルへのブリッジピン穴からの立ち上がり角度が重要ですので、ピン穴の弦溝を整形します。

                 

                  

                 

                弦の誘導溝も切り直します。 

                ネック仕込み角度を充分付けた結果、ベタつけだったサドルを持ち上げることができました。ピン穴からサドルへの角度も取れます。

                 

                  

                 

                指定ゲージは、最近あまりお目にかからなくなった「Medium(ミディアム)ゲージ」です。013から始まるミディアムゲージは一昔前は定番でしたが、最近は012から始まるライトゲージが標準です。たしかにこのゲージはパワーがあり、”アコギ感”が一番出ますね。ただネックへの負担は大きい・・・

                 

                 

                でも、「ネックアイロン矯正」による仕込み角度変更でしっかり角度を保持させています! 

                12F1弦2ミリ 6弦2.5ミリ 弾きやすくなっています。

                 

                 

                サウンドはパーカッシブで音がデカイ! 最近の傾向の音(粒立ちのよさ・サスティーンの長さ)とは違いますが、歯切れのいいサウンドで面白い楽器です。弾いていて楽しいですね。中学生の頃、皆でジャカジャカやっていたことを思い出しました。でもその頃は、こんな弦高が低いギターにお目にかかったことはなかった。エンピツが弦の下に入るくらいの楽器を使っていたもんなぁ。あの頃、これを持っていたら「スーパースター」になれたかな?(モーリスでなくヤマハですが・・・)

                 

                  

                 

                (若い人向けの解説:70年代「モーリス持てばスーパースターも夢じゃない」という名コピーがあったのだ)

                 

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                2017.01.26 Thursday

                リペア ファイル その290

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                  マーチン00−45 / バインディング剥がれ・ブリッジピン穴修正

                   

                  華麗なマーチン・ギターです。小脇に抱えて歌の伴奏に最適な”00”タイプです。”45”なのでゴージャスでもあります。この楽器の代表的な使用者としては『ジョーン・バエズ』が有名ですが若い人には「?」かも知れませんね。ノーベル文学賞をもらった『ボブ・ディラン』の同志です。(『同志』という言葉自体が古典か?)

                   

                    

                   

                  セル・バインディングが痩せて指板から外れてしまっています。指板は塗装がしていないので湿度の関係で動きますし、「セル」自体が痩せていくので、しばしばこういう剥離が起こります。

                   

                    

                   

                  指板のほかには、ボディの”くびれ”部やヘッドでも起こるケースがありますね。今回はエンドピン周辺でも剥がれが起きていました。ここでは起きていませんが、セルのピックガードが縮むときにトップを”引き裂く”現象も古いマーチンギター独特の現象です。

                   

                    

                   

                  接着。今回の接着剤の選択ではエポキシ系を使いましたが、その理由は、はみ出たところをきれいにクリーニングでき、隙間を充填できる性質からです。毎回どんな接着剤を使うのがベストか悩みます。

                   

                   

                  完了。クランピングのみでバインディングとネックのつながり目が段差なくスムーズに行くのが理想ですが、若干は手直ししてつなぎ目をなくしています。

                   

                    

                   

                  黒檀指板にヘキサゴン・インレイと白いバインディングの調和があります。

                   

                   

                  ついでにブリッジピン穴周辺も手直ししておきます。ブリッジピン穴のテーパーをつけ直し、弦の通り道も付けます。ピンに弦用の溝がある、ということでブリッジ側に溝が切ってないケースもありますが、ギター本体に弦をしっかりホールドさせて振動もボディにしっかり伝えてもらうには、ブリッジ側に弦の通り道用の溝がある方がいいでしょう。

                   

                    

                   

                  削ってみると解りますが、上質の黒檀材です。(こういうのを”オオトロ”といいます) マーチンの45モデルは材料が厳選されているのが特徴です。

                   

                   

                  トップのスプルースはもちろんサイド・バックのローズウッドも柾目のいい素材が使われています。それを”鳴らす”独特の製造方法も45製造ラインには用意させている、と聞いたことがありますが真意は不明です。(いろんな噂は耳にしますが、例えばトップの裏面をあえて毛羽立たせて内部の空気との接触面積を稼いであるとか)

                   

                    

                   

                  全面に貝のインレイが取り巻いてあるのも45の特徴ですね。ネックヒールのアウトライン沿っても入っています。細工にも手が込んでいるのです。 ”D”タイプとは違った存在感がある”00”タイプ、「ニューヨーカー」とも呼ばれています。

                   

                  マーチンギター修理・インデックス http://9notes.jugem.jp/?eid=307

                   

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                  2017.01.22 Sunday

                  リペア ファイル その289

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                    ミュージックマン・スティングレーBASS / フレット打ち直し・指板塗装・ナット交換・電池ボックス再加工

                     

                    唸る低音と多彩な音作りが可能な”スティングレー”、今やPBやJBと肩を並べるレオ・フェンダーさんの傑作ベースになりましたね。フレットが磨り減り「交換時期」になりました。

                     

                        

                     

                    ここまで減ると「すり合わせ」で対応できません。すり合わせして低くなったフレット高では左手が疲れますしね。メイプル指板のため塗装が施してありますが、指板面とネック裏は「つや消し」になっています。これは「すべり止め」のためにで始めからそういう設計になっています。

                     

                      

                     

                    指板アールを変えないように計測しながら、ペーパーを貼り付けてあるブロックで「ストレート」からやや逆反りぎみの指板面を作って行きます。(私は指板アールが付いたブロックは使わないです。ブロックの精度がそのまま指板面の精度ですから、逆アールでストレートな面のブロックを維持するのは、なかなか大変なので・・ブロック=木は動くものですからね)

                     

                     

                    フレット打つ前に塗装します。(メイプル指板”再塗装”は塗装を「はじく」ことあります。シリコンが使われたクリーナーやフィンガーイーズなど使われることがるからです)

                     

                     

                    ネックの剛性をタングでアップするため最適なタング厚をあらかじめ決めて、打ち進んで行きます。場合によってはさらにきつくしたり、緩くしたり。

                     

                      

                     

                    今回は「薄めのつや消し仕上げ」にするためフレット打ちの後の塗装はせず、そのままマスキングしてフレットピークを整えてから磨き上げて行きます。 フレットに合わせて「ナットも新調」します。ナット底のアールがピッタリ行くように専用のアールジグを作って対応しています。

                     

                      

                     

                    完成。オイルドボーンです。 味が付いたネックと新しい指板面とが違和感ないように仕上げます。

                     

                      

                     

                    アクティブBASSなので「電池ボックス」があらかじめ取り付けられていましたが、ゴトー製の回転開封式のボックスに入らない9V電池があるとのことで、蓋付きのボックスに作り直しました。(9v電池サイズがいろいろで困ったケースが、ままるようですね)

                     

                      

                     

                    バッテリースナップも堅牢なものに交換しました。スポンジで包む旧来のタイプの方が応用が利いていいとは、この手の依頼がないと気が付かないことですね。

                     

                     

                     

                     

                     

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                    2017.01.17 Tuesday

                    リペア ファイル その288

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                      フェンダーPB /  穴埋め・簡易塗装・PG整形 (THE MAD CAPSULE MARKETS モデル仕様に)

                       

                      持ち込まれたときは、依頼主の手でボディが塗りなおされ かつレリック加工されていました。これを「ザ・マッド・カプセル・マーケット」のTAKESHI UEDA・BASS仕様に作り変えて行きます。

                       

                        

                       

                      ピックガード用のビス穴を木栓を作って埋めます。さらにメーカーが塗装時に使っただろう大きな丸穴もプラグカッターで栓を作って埋めます。ボディの木目と同じ方向の木目になるようにプラグカッターを使って木栓を作るのです。木口方向の栓だと木目が直角になるので収縮方向や収縮率が違うので適していません。木工の基本ですね。

                       

                        

                       

                      キャビティのザクリにも蓋をします。曲がっているのでアウトラインを写して加工しました。

                       

                       

                      依頼主より預かった”アクリルラッカー”缶を使って塗装します。スプレー缶できれいに仕上げる方法は、缶を湯銭にして暖めてから塗装すること。粒子が細かくなり、また気圧が上がって噴出し量が増えてエアーガンで吹いたような仕上がりになります。

                       

                       

                      ピックガードも加工します。PCに送られて来た写真を参考に切り取るラインの見当をつけています。

                       

                        

                       

                      完成。 いたってシンプルなデザインですが、初期のプレジション・ベースに趣きもありますね。それにしてもパンクスに”白のPB”は欠かせません。JBじゃないのです。ポール・シムモンもシド・ビシャスもラモーンズだって”白のPB”でした。それらに影響を受けた80年代の日本のパンクシーンでは、多くのバンドのベーシストはPBを選びました。今度はその日本のパンクスに影響を受けた次ぎの世代が、また白のPBを持ったのですね。

                       

                        

                       

                      もともとヴィンテージtypeですが、細かいスペックは改良されています。ブリッジの駒は片落ちしないようスクリュー穴が左右対称になっていますし、ペグはオープンタイプではなくギアの一部はボックスに収納されてホコリなどから保護されています。

                       

                        

                       

                      1990年代以降のロックシーンにうとい私ですが、若い人にいろいろ教えられて何とか付いて行っています・・・

                       

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