2016.12.04 Sunday

リペア ファイル その280

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    モーリス W−50  /  ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット再整形・ブリッジピン穴修正

     

    縦ロゴの「モーリス」W−50。 依頼主が30数年前に購入されたギターです。中学生だった私も憧れだった”縦ロゴ”の「モーリス」ギター。若かりし”かまやつひろし”を起用した広告『モーリスも持てばスーパースターも夢じゃない』のコピーが秀逸でした。

    (私も兄貴譲りのモーリス持ちましたが、夢と散りました・・・)

     

      

     

    弦高が高くなっており、またフレットも減っていました。点検すると仕込み角度が甘くなっていたので、「ネックアイロン矯正」で仕込み角度を強くし、結果 弦高を下げるようにしました。

     

     

    ローポジションのフレットが減っています。「フレットすり合わせ」をしてフレットの轍(わだち)を取り、再び専用のヤスリでフレット・ピークをつけ直します。ポジションマークは本物の貝でヘキサゴン・インレイされています。

     

      

     

    ブリッジピン穴からサドルへの立ち上がり角度も修正しておきます。弦の誘導溝を切ります。ブリッジピンの治まりが悪かったのでピン穴を修正すべく専用のリーマーをドリルに付けて拡張しました。

     

      

     

    サドルへの立ち上がり角度を修正すると、サドルへ掛かる力が増え 弦振動を音に変換する作用が改善します。音量が上がり音に締まりが出てきます。

     

     

     

    ナットも整形しておきます。弦の設置面を面から点にすることでクリアーなサウンドに。フレットもきれいな半円に仕上がりピッチが確かになりました。

     

      

     

    オール合板のモデルですが、音量があり倍音も豊かです。内部確認しましたが丁寧な仕事がしてありました。当時のモーリスの品質管理のよさが偲ばれます。(今もいいですよ・・・この時期はギターの形をしていれば売れた時代だったので、質の悪いギターも多く存在しました。その中でしっかりとしたギターを製造したモーリスは先のコピーじゃないですが看板倒れじゃ、ないですね)

     

      

     

    マーチンのD45は高嶺の花でしたが、モーリス持てばその気分を味合わせてくれるのでした。時代を経てそれがジャパン・ヴィンテージとなりました。

     

      

     

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    2016.11.30 Wednesday

    リペア ファイル その279

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      国産テレキャスター  / フレット交換(指板塗装)・ナット交換

       

      結構古いと思われるナチュラル塗装の国産テレキャスター・モデル。ボディ材は「アッシュ」ではなく国産材で「栓(せん)」と呼ばれる「アッシュ」と同属の木でできています。木目のつまり具合がよいうえ、重さもそんなにないので楽器材に適した材です。

       

       

      磨り減ったフレットを抜いて行きます。ヴィンテージタイプのそれでなくミディアムタイプのフレットが使われていました。

       

       

      塗装面を「台直し鉋」で削り落としてから、木地の調整をします。木地が完成したらフレットを打つ前に「下地塗装」を行っておきます。(ウレタン塗装のギターなのでウレタンを吹いおきます)

       

       

       

      ジェスカー♯55090を打ち込んで行きます。ロッドが錆びついて動かなくなっていたので、フレットタングでネック強度が出るよう 調節しながらやや逆反りになるように仕上げています。

       

       

      フレット端の処理はこんな感じ。エッジの角の面を落としてあります。

       

       

      フレットを打ったら、塗装に入ります。やや焼けた感じに着色してからクリアー(ウレタン)を吹き付けて行きます。ウレタンだと肉(塗装膜)が早く付きますね。

       

       

      フレットに載った塗装を取り除きながら「すり合わせ」してフレットピークを整え、ピークを再整形します。ナットも新しいフレットに合わせて作り直します。(当工では「フレット交換」作業に「ナット交換」も含まれています)

       

        

       

      完成した新しいフレットと指板面。

       

       

      あえて改造や交換してない配線とPUでしたが、その出音のグレードの高さにびっくり。いじらない理由がわかります。ジャパン・ヴィンテージに入るギターでしょう。本家に劣らぬいい楽器でした。たぶん「グレコ」だと思います。そうなると「フジゲン」製か。

       

       

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      2016.11.26 Saturday

      リペア ファイル その278

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        カスタム・ジャズマスター組み立て作業

         

        『JM使い』の依頼主がネットで購入したJM用のボディとネックおよび電装系パーツ&ハードウエアを、当工房で組み上げました。軽いレリック調の青いアッシュボディにフレイムメイプルのネックを使い、ブリッジにチューンOマティック・ブリッジを搭載するところがミソになります。

         

         

        F社のJMに見られるのプリセットV・Tは外してシンプルな1V1Tに3way(トグルスイッチ)回路にします。キャビティ内に導電塗装を施しているところ。

         

          

         

        JM用のブリッジを使わず『チューンOマティック・ブリッジ』にするということは、設定が変わるということですので、ネックポケットで「仕込み角度」をつける必要があります。LP並みにブリッジを上げると、JMのリアPUの高さが届かなくなりますし、見た目にカッコ悪いですので、ブリッジ高の許容範囲を設定し「仕込み角度」加工します。

         

          

         

        「仕込み角度」の次に大切なのは「センター出し」です。1弦と6弦を仮に張って「位置決め」を慎重に行います。このときPUのホールピースの位置も合うようにピックガードを「仮置き」して確かめています。

         

         

        PUカバーが少しボディに当たったので少し削っています。またPUカバーに開いていたビス用の穴も若干小さかったので修正しておきます。こういう細かい調整が「組み上げ」には多々起こります。市販のパーツを揃えただけで簡単に「組み上げ」できる訳にはいきませんね。

         

          

         

        収めまり具合を確かめます。ピックガードとネックポケットが揃わないこともあるので問題があれば修正します。ポット類も掘り込みにうまく納まるか確認。

         

          

         

        ブリッジの可変範囲を大きくするために、PGのブリッジ下をくり貫き直しました。

         

         

        ネックにネック取り付け用ビスの位置を写し取っています。ビスの先端がネックに当たるように 借り止めしたネックを、プレート裏からビスを押し上げて、ネックに小さな傷を付けてそれを目安にボール盤でビス穴を開けます。そのときネック側に開ける穴は、ビスのネジ山の中心に当たる円柱と同じ径にするのが基本です。(ビス穴はすべてこのように決定する)

         

          

         

        ナットを作製します。オイルドボーンを使用。

         

          

         

        ペグはロック式の「スパーゼル」を選ばれていました。リテイナーを1個のみ使うことをお望みだったので、ここではあえて1.2弦用に使うシャフトのもっと短いペグを、3.4弦用に使用してナットからの角度を稼ぐようにしました。(スパーゼルでは3段階のシャフト高がセットされている)

         

         

        完成! 青いボディに白い(エボニー色)が映えます。JM用のブリッジでは弦落ちしたりしますが、このスタイルならばしっかりホールドしてくれますし、出音もタイトになります。

         

          

         

        JMの様にテールピースへの角度設定が浅い仕様では「ブラッシング・トーン」と呼ばれる”軽い共振音”が起こります。PUのサウンドと共にこれがJMの音を構成する大きな要素になっています。この独特な設定をうまく使いこなしてくれるので『JM使い』と呼ばれるのかな?

         

         

         

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        2016.11.22 Tuesday

        リペア ファイル その277

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          マーチン 0-15   / フレット交換・ナット交換・サドル交換・サドル溝穴再加工・サイド割れ補修

           

          古いマーチンで『1950年モノ』です。オールマホガニーで所謂”ホンマホ”というもので本物の『ホンジュラス・マホガニー』が使われています。ネックが反って「弦高が高くて弾きにくくなっている」状態でしたの、修理依頼受けました。

           

           

          初見ではネックアイロン矯正で「ネックの反り」と「ネック元起き」で修正できると思ったのですが、指板に使われている『ハカランダ』が強くて思うように戻ってくれません。フレットもだいぶ減っていたのでフレットを抜いた上で、アイロン矯正を再び行いました。ようやく狙った設定に至りました。

           

            

           

          指板の調整は最小限度に抑えて指板面を作っています。フレット交換のたびに指板を大きく削ってしまっては、指板が薄くなってしまいます。すでにハイフレットはずい分薄くなっていたので、そこはあまりいじらない様にしました。また音質の変化がないように考慮しての指板調整です。 トラスロッドがないタイプですので、フレットタングとフレット溝の関係を微妙に変えてフレットを打ち込んで行きます。

           

            

           

          エボニー製のナットが付いていましたが、溝が磨り減っていました。牛骨ナットに作り替えました。

           

            

           

          ハカランダ製のブリッジには『アンダーサドルタイプのPU』が装着されていましたが、ロングサドルの下にそのままピエゾ素子が敷かれていてサドルが浮いて見える状態でした。おまけにサドルはペラペラでこれでは音がデッドになってしまいます。ピエゾ素子分 サドル下を掘り込みました。またロングサドルの端を 埋めてサドルの収まりをよくする加工を施しました。原型に手を加えてしまいますが、『PUを使える楽器』として必要な加工と考えました。

           

            

           

          ライトゲージを張って1弦側2.0ミリ 6弦側2.5ミリになるようにサドル高を設定しています、ブリッジピン穴も整えておきました。

           

            

           

          「ネック元起き」も「ネックの反り」も解消されて弦の振動をしっかりと受け止めるネックが完成しました。「ボディの鳴り」も弦の振動がロスなく伝わってのことです。ネックの状態がサウンドに大きく影響を与えます。

           

           

          数々のライブをこなして来た楽器ですので負傷もあちこちにありました。サイドの割れや破損には「ガムテープ」で処置がされています・・・修理するには一度テープを剥がしてクリーニングする必要がありました。古く変色したガムテープを外すのが案外やっかいでした。「割れ」にはマホガニーを当て木して再生する修理を行いますが、今回は予算の都合上 見送ることになりました。

           

            

           

          そこで後に修理しやすいように簡単に剥がすことができるように、と「和紙を張り柿渋を塗って和紙の耐水・強度を上げる」ことにしました。普通の楽器修理ではやらない方法ですが、依頼主も私も”自然派”でしたので「いいアイデア」だと意見が一致しました。

           

           

          見事復活したマーチン0−15。出音はすばらしいものでした。スプルーストップかと間違えるほどのレンジの広さとクリアーな音。倍音が整理されて耳障りがとてもいい感じです。ヘッドの”付き板”も「ハカランダ」でした。この時代はいい材料が豊富でしたね。マホガニーも現在の質とまったく違います。こういう素材はもう手に入れられません。古い楽器を手入れして使うしかないのです。

           

            

           

          塗装も剥げていますが、それも”貫禄”ってやつですね。ヴィンテージ・マーチン修理でした。

           

           

          マーチンギター修理インデックス:http://9notes.jugem.jp/?eid=307

           

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          2016.11.17 Thursday

          リペア ファイル その276

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            テイラー 612 ce   / フレット交換(オーバーバインディング)・サドル調整・ナット調整

             

            女性シンガーソングライターの”鈴音さん”のテイラーです。ツアーの途中、中央高速の「恵那峡サービスエリア」で落ち合ってギターを受け取りました。鈴音さんは一年の220箇所以上でライブを行っているそうです。すごいことです!

             

            当然、フレットも磨り減りますよね。フレット交換をしました。

             

              

             

            プロの方なので音が変わらないことを念頭に作業します。同じゲージのフレットを用意しました。指板面を削り過ぎないように注意しながら、全体の状態を整える様にします。仕上がりが綺麗な仕事は重要ですが、指板を大きく削ると音が変化してしまうので最小限の削りに留めます。

             

              

             

            トラスロッドがニュートラルになるようにしながらフレットタングを調整しながら「フレット打ち」をします。それからフレットピークを整える「すり合わせ」を行い、専用ファイルでピークをつけ直して、ペーパーの番手を変えながら磨き上げて行きます。

             

              

             

            完成しました。フレットエッジの処理も行ってあり演奏にストレスがないように処理してあります。ナットは「タスク」が使用されていましたのでそのまま形状を整えて仕上げました。サドルも同じように形状を整えてあります。メーカー出荷時よりは精度が上がっていると思います。わずかなことですがこの”ひと手間”が大切だと考えています。

             

              

             

            アコギはローフレットのみ磨り減ることが多いですが、当工房では全体の調整を行うため全フレット交換をお勧めしています。鈴音さんのギターもそれをお勧めして了承して頂きました。フレットが磨り減るぐらい弾きこまれたギターは、丁度全体のメンテナンスが必要な時期と重なります。フレットとネック・コンディションをこの期に調整することで、その後コンディションを保つためにいい と思います。

             

              

             

            サイド・バックはカーリーメイプル。シースルーレッドの塗装が美しく素敵です。このギターから奏でられる鈴音さんのパフォーマンスは、とっても相性がいいです。https://www.youtube.com/watch?v=MaYItcp-62M

             

             

            この曲(君の住む街)もいいなぁ。https://www.youtube.com/watch?v=YKEgQxmhd5s

            いろんなバージョンがあるんだけれど、歌とギターがローリングしてるから これを「いいね!」

             

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            2016.11.14 Monday

            「音を見る」

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              ≪ブックレビュー≫
              「”何故、音楽は輝り輝き、美しい形態を創るのか”  音響のモルフォロジー 」
                                             前田保夫 著

              旧知の書店主から自費出版の本を貰った。「君なら面白く読むかもしれない・・・」
              それが『音響のモルフォロジー』だった。

              楽器の仕事をしているから「音響」に多少係わりがあるかも知れない。
              しかし、ぱらぱらとページをめくって解ったことがある。
              これは「シュタイナー」関連の本だってことが。挿絵のからそれが推測できる。
              「シュタイナー」の色彩が使われているからだ。

              その書店は「シュタイナー関連」の本が充実しいるうえ、店主はその道の研究家だ。
              だからこの自費出版本がここにあるのだろう。
              ただ、戴いた本は難敵なのは解っていた。さわりを読んでもちっとも理解できなかったから。

              本棚に積んどいて数年経った。 そろそろ読むか。

              手懸りは小見出しにある「カンディンスキーは音を見ていたか」にある。
              「音を見る」このことがこの本の主要テーマであることに違いない。
              まともに掛かったら、理解不可能であろうが、「カンディンスキー」の絵画は知っているので
              彼の抽象画が「音」に関するのなら入って行けるかも知れない。

              ところで、皆さんは「ルドルフ・シュタイナー」をご存知だろうか?
              第一次世界大戦前後に活躍したオーストリア人の神秘思想家で、ゲーテ研究からはじまり
              ドイツで人智学「アントロポゾフィー」を創始した人物。

              超感覚世界(目に見えない世界)を扱うのでオカルトチックだが、
              実際、霊的なものの存在を抜きにシュタイナーは語れない。

              ドイツでは彼の影響を受けた芸術家も多く、作家では「モモ」や「はてしない物語」の
              「ミヒャエル・エンデ」。
              美術では「ヨゼフ・ボイス」などがいる。ボイスは「ナムジュン・パイク」と近しかったし
              「ジョン・ケージ」など「フルクサス」運動にも係わりがあるので、
              音楽家にもシュタイナーを知る者があっただろう。

              さて、『音響のモルフォジー』だが、著者の前田氏は「音が見える」ようになったことから、
              その意味を調べるようになったと言う。
              「カンディンスキーが音を見た」と知ったことから巡って「シュタイナー」に出会っているようだ。
              そのほか、「パウロ・クレー」や「武満徹」の名前もこの本でたびたび出てくる。

              「音が見える」段階も1・2・3と順を踏んでおり、それをシュタイナーの言説に置き換えてある。
              そのものの説明は、手におえないので放棄するが、音が立体的に色彩を帯びて上昇する様は、
              この文章を読んでいてもワクワクした。

              音がドームを形つくるとか、時間軸のそって形態が変化するとか、
              まるで私にはオーロラのように感じられた。また「思い」を込めた音楽は、
              その演奏者によって変幻自在するようだ。

              「どんなだか、見てみたい」そう思う。
              そこで「カンディンスキー」の絵画を想像すれば距離が縮まって来るだろうか。
              抽象絵画だからいくつもの想像の余地を残してあるが、
              「印象派」みたいな光の表現には到達していないように感じる。

              それにしても、「音を見る」なんてことがあるか否かなんて想像もしなかった。
              「音は見えない」と信じこんでいたからだ。しかし、「言葉」が風に乗って世界を巡るとか、
              「言霊」が現象に影響を与える、とかいうことは言われていた。

              それが光に変わったとて不思議はない。
              私には音楽が上昇する感じは持っていたし、天から降ってくる音楽もイメージできる。
              超感覚世界(目に見えない世界)は、感じ得ないが、芸術にとってそれが源泉である
              とは理解している一人だ。

              それと、この本では「内面への旅」についても展開されていた。
              これも私には理解力が足らないのでうまく説明ができないが、
              「悟りの要素」を内包している感じだった。

              仏教の修行の中で「光」を見る瞬間があることは知られている。
              「悟り」に至る道が修行でそれを見るのだ。

              ふつう見えないはずの「音」が空間に見えるということは、空間に「光」を発してのことだと思う。
              それを「超感覚」と結びつけて説明するのも、「内面への旅」が「光」と関係していることも、
              「宇宙に存在する人間」を知る上で関連があるように思う。

              映画「スターウォーズ」ではないが、最近この世が「ダークサイト」に侵されているように感じる。
              「光と影」は一体のように思うかも知れないが、それは「発光体」から照らされた物体の現象であって、
              「発光体」そのものに「影」は存在しない。

              人間が「光る」存在であれば、「ダークサイト」はありえない。

              「音が見える」から「宇宙に存在する人間」の本性を知るきっかけになれば、
              難儀して読んだこの本が光輝くときがくるかも知れぬ。


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              ギター工房9notes/勝田進

              ブログ「古いギターはいい音がするのさ。」

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              2016.11.10 Thursday

              リペア ファイル その275

              0

                フェンダー・ジャパン TEカスタム / ピックアップ交換

                 

                リア・シングル フロント・ハムバッカー搭載のテレキャスター・カスタム。ブラックボディ・メイプルネックで「This is Rock」を感じさせます。リアのPUをテレキャスターに搭載できるハンバッカータイプに交換しました。

                 

                 

                フェンダー・ジャパンの電装系は米国製に比べると脆弱さは否めませんが、実用状は問題ありません。反対に言うとPUと電装系をグレードアップすれば米国製との差は塗装だけ、くらいかな。(なぜか”弦アース”が取ってなかったのでアース線を配線しました)

                 

                  

                 

                ピッアップを「ディマジオDP318」に交換しました。「Supre Distortion」のテレキャスバージョンですね。セラミック・マグネットを使いハイパワー仕様で、HMながらテレキャスターのリアの特徴であるトレブリーなサウンドも残しているところが味噌です。

                 

                  

                 

                交換前と交換後。 ルックスを変えないで大きくサウンドキャラクターを代えることができます。ミックスポジションにしたときもシングル+ハムのときよりバランスが良くなりますね。

                 

                  

                 

                 

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                2016.11.06 Sunday

                リペア ファイル その274

                0

                  GRETSCH  Tennssee Rose /  電装系グレードアップ(配線材の交換・ポット交換・アウトプットジャックの交換)

                   

                  古いグレッチの配線材を”ベルデン”に交換することは、グレッチ・グレードアップの定番で、そのような依頼を受けました。引き回し配線が多く、長めの配線をヴィンテージタイプの配線材から伝達率の高い”ベルデン”製の配線材に交換すると情報量UPやノイズが削減が見込まれます。またポットやトグルスイッチの一部も交換しました。 

                   

                   

                  この楽器はFホールが絵で描かれている古いタイプで、実際にはFホールが抜けていません。そうなると配線材やポット類の交換はPUキャビティから行わないといけません。奥の方にある電装系をいじるのは「かゆいところに手が届かない」状態ですので、あらかじめポット類には糸を結んで、後から引き出せるようにしておきます。

                   

                   

                  配線材やパーツを交換して再び穴に戻すときに、引き上げるときパーツが斜めになって穴から出にくいものです。ですので真っ直ぐ持ち上がるように収縮チューブを使って糸が中央に寄るように工夫しました。

                   

                    

                   

                  一度全部パーツ類を表に引き出して、配線を読み取ってメモ書きして置きます。

                   

                   

                   

                  ベルデン黒白2本をホット線・コールド線にしてよじって「捩り線」を作ります。

                   

                   

                  古い配線を外して新しい配線材に順次交換して行きます。半田は”ケスター”を使いながら確実にハンダ付けします。ポットは”CTS”に交換します。トグルスイッチは”スイッチクラフト”社製を用意しましたが。オリジナルのスイッチノブのネジ山が違って入って行きません。しかたなく国産品で交換しました。(信用度は米国製に軍配が上がりますね)

                   

                    

                   

                  上下のピックアップキャビティから全ての配線を取り入れみますが、線がからまるこもあって半ば『手先器用選手権』のようになってしまいます。焦らずイライラしないことが寛容です。

                   

                   

                  この機には、トーンポットはなくて左肩に3WAYのトグルスチッチに2種類のコンデンサーが挿んであって、ローカットとミッドカットを選べるセレクターになっています(もうひとつのトグルスイッチはPUセレクターです)。下方にはF用R用ボリュームがあり、その下のトグルスイッチはオンーオフーオンのセレクターが付いていますが、あまり意味ないスイッチなので外すのも定番になっています。よって配線せずダミーのスイッチにしてあります。右肩のポットはマスターボリュームになっています。

                   

                    

                   

                  ペグはグローバー。ゼロフレット仕様です。電装系のグレードアップで音の抜けが断然よくなりクリアーな音色が増しています。PUはダブルコイルの”フィルタートロン”とか言うやつだと思いますが、私はあまり詳しくありませんのであしからず。(シングルコイルの”ハイロートロン”というのもあります)これらPUとホローボディが付作るサウンドが”グレッチ”らしさをかもし出していると言えるでしょう。

                   

                   

                   

                  ハイエンド・ギターとは正反対の楽器ですが、これでしか出せないサウンドは貴重です。

                   

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                  2016.11.01 Tuesday

                  リペア ファイル その273

                  0

                    エドガー・メンヒ 1977 /  弦高が高い・ネック反り(指板交換・ナット交換・サドル交巻)

                     

                    以前に一度ネック修理しましたが、弦高が再び高くなって来ました。ネックの強度が不足していましたので、指板ごと交換してネックの剛性を上げることにしました。(指板の先端が薄くなっている構造でそこがウイークポイントになっていました。これはレイズドフィンガーボードのように仕込んであるから、そうなっているのです)

                     

                      

                     

                    メンヒのギターのネック仕込み角度は独特で、表板側に向かって角度が付いています。文字で説明すると『くの字』になっています。(普通のギターは『への字』に仕込み角度を付けるのが一般的ですから逆になっています)下の写真は表板に合わせて定規を置いたショットですが、ナット部でこれだけ上側にネックが仕込まれていることが解ると思います。この仕込みにより弦振動のロスを減らす効果があると聞いております。そのため「ネックリセット」で弦高を下げるのではなく「指板張り替え」を選択しました。オリジナルの仕込み角度を保持するためです(同時にネックの剛性を上げるため)

                     

                      

                     

                    メンヒは伝統的な接着剤『ニカワ』を使っていません。たぶん接着剤はエポキシの類だと思うのですが、接着が大変強固で容易に剥がれてくれません。アイロンや蒸気を使いながら一日がかりで指板を外しました。

                     

                      

                     

                    指板を用意します。専用の『フレットスケール』から位置を写し取りノコギリでフレット溝を一本一本切っています。ネックが『くの字』ですので12フレットの指板裏から角度を付ける必要があります。カンナで調整して行きます。

                     

                      

                     

                    新旧の指板。指板はオリジナルより1ミリ厚くなるように作りました。ナットからサドルまでの距離が正確になるよう確認しながら接着します。

                     

                      

                     

                    指板面の調整をします。フレットはオリジナルより若干背の高いジェスカーの♯55090を打ちました。プロギタリストの掛布雅弥氏より「左手の握力が落ちてきた場合、背の高めのフレットに交換するとプレーが楽になる」とお聞きしていたので、依頼主にも薦めてみたのです。

                     

                      

                     

                    指板面の精度とフレット打ちが正確ならば、フレットの「すり合わせ」はほんのわずかで済みます。その後 磨き上げます。

                     

                      

                     

                    指板を交換した後のショット。ハイポジションにサイドドットを入れておきました。黒檀の指板が厚くなった分 剛性も高くなりました。

                     

                      

                     

                    ナットとサドルも牛骨で新調しました。弦高は12フレットで1弦2.5ミリ 6弦3.5ミリに設定。

                     

                      

                     

                    音量もあり艶のある音色です。指板が1ミリ厚くなったので握りも少し厚く感じるのですが、フレットが高い分 軽く押さえても出音しますのでそれほど気にならないご様子です。(もし厚く感じる場合、ネックを1ミリ削るつもりでいました) 

                     

                      

                     

                    ボディに丸くなった綿埃が入っていました。昔 ギタ・マン出身の先輩に「これができるといい音になるんだ」と聞かされたことがありました。「ホント?」って思っていましたが本当でした・・・

                     

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                    2016.10.26 Wednesday

                    リペア ファイル その272

                    0

                      Tokai LS95S GT / ネック折れ(接着・補強・塗装)・フレットすり合わせ

                       

                      トーカイのレスポール・ゴールドトップモデルです。ネックが折れたので持ち込まれました。「直らない」と言われたそうですが、そんなことはありません。ネック折れ事故はよくある(特にギブソン系の楽器は)ことで、またきちんと演奏可能になるのです。

                       

                       

                      ヘッド角度が付く部分からネック側には断続的にひび割れが入り、ヘッドは付き板の下からパックリ折れています。傷口を避けてマスキングして接着準備に入ります。

                       

                        

                       

                      粘度の低いエポキシを注入して「当て木」に接着剤がつかないようにラップを巻いてクランプします。

                       

                       

                      接着だけでも強度は出ますが、再びネックに圧力が掛かったときに耐えられるように補強材を入れます。スプライン(サネ接ぎ)を入れるスリット穴をルター加工。

                       

                       

                      スプラインを接着します。この方法のほかに、トラスロッド下を補強するようにヘッド裏を半円情にえぐって、マホガニーピースを接着して補強するやり方もありますが、折れたネックの状況を見てどちらにするか判断しています。今回のようにひび割れ面が長くある場合は、それをまたぐようにスプラインが入れてあります。

                       

                       

                      乾燥後、整形してオリジナルラインを削り出します。表面も平面を出します。塗装に入る前になるべく木地を整えておくと塗装の上がりがいいです。

                       

                        

                       

                      塗装に入ります。下地塗装を数回塗って盛り上げつつ段差や凹みを修正します。次は色合わせして着色塗装。今回はスプラインが完全に消えるようなベタ塗りでなく、依頼主の希望でシースルー塗装でスプラインが見えたまま仕上げるようにしました。最後はクリアーで仕上げます。

                       

                       

                      乾燥したら水研磨してバフで仕上げます。依頼主ができたら残して欲しいといわれた「MADE IN JAPAN」の文字も無事残すことができました。

                       

                        

                       

                      メンテナンスも同時に行いました。轍(わだち)ができたフレットを「擦りあわせ」して凹みを修正し、同時にフレットピークも整えます。

                       

                       

                       

                      「すり合わせ」して台形になったフレットをまた半丸状になるよう専用ヤスリで削り出します。その後ペーパーの番手を上げながらフレットに付いたヤスリ傷を落として、最後はピカピカになるまで磨き上げます。指板にもオイルを塗って潤いを与えてあげます。汗などの余分な水分を吸わない手当てでもあります。

                       

                       

                      復活したPー90搭載のゴールドトップ。トーカイのレスポールモデルは昔から定評がありますね。技術力が高いメーカーです。外見上でのギブソンLPとの大きな違いは、フレットがオーバーバインディングになっていることと、トラスロッドカバーのデザインくらいです。サウンドもタイトで音圧もあり実用性の高いギターですね。

                       

                       

                      ネック折れ修理関連ブログ・

                            http://9notes.jugem.jp/?eid=366
                            http://9notes.jugem.jp/?eid=349

                            http://9notes.jugem.jp/?eid=526

                            http://9notes.jugem.jp/?eid=450

                            http://9notes.jugem.jp/?eid=537

                       

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