2017.04.26 Wednesday

リペア ファイル その309

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    ROSE 1971 M100C / 駒外れ・再接着・ヒール部補修・弦高調整

     

    古いクラシックギターです。1960年後半から1970年代にかけて「ギターブーム」があり、その時期に作られたギターでしょう。多くの普及品は合板製でできていますが、それが普通でした。ネック強度とトップの剛性不足が否めませんが、若かりし日に購入したギターは生涯の友であることに違いありません。修理にはそれなりの費用がかかりますが、楽器は復活が可能です。

     

     

    駒(ブリッジ)の後ろ部分が浮き上がっていました。一旦外して再接着することにします。ヘラを差し込むと簡単には外れてしまいました。以前に接着剤を流し込んだのでしょう。そのカスが見えます。接着剤を流すときはクランプで圧着しないときちんとくっ付きません。

     

     

     

    クランプするためのジグ(当て木)を作製します。クラシックギターは「ファンブレイシング」が多いのですが、そのファン(扇)の数は楽器によってまちまちです。そのためその楽器用の「当て木」を作らないといけません。

     

     

    表板に残る塗装や接着剤をノミで取り除き、木部を露わにします。。駒裏と表板がぴったり着いてはじめて接着剤の効果が出ます。駒の上側と下側から「当て木」を当てて専用クランプで圧着します。

     

      

     

    ネックのヒール部にヒビが入っていました。これでは弦を張ると開いてしまいます。また弦高が高くなってしまいますね。接着剤を流し込み、しっかりクランピングして圧着します。

     

      

     

    サドル高の調整とナット溝の調整で弦高を下げます。順序としてはナット溝の深さを決めてから、サドルを削ります。弦を張るとネックが反ったり表板が膨らんで、張らないときより弦高が高くなるので一度チューニングして計測してから、どのくらいサドルを下げたらいいのか計算します。12フレットの適正値との差が0.5ミリならばサドルではその倍の1ミリ下げることになります。

     

     

    完成。全体にバフをかけて「埃(ほこり)焼け」を取り除くと ごらんの通り美しく!つやつやフェイスは気持ちがいいものです。またこのギターで新鮮な気持ちで練習に勤しんでいただけたら嬉しいです。

     

     

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    2017.04.22 Saturday

    リペア ファイル その308

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      テイラー Taylor 812-C  /  ピックアップ交換・サドル下にスペーサー/シムを挿む

       

      初期のテーラーの生ギタータイプで後付けでLRバックス社の『デュアル・ソース』が搭載されています。小振りボディで各弦のバランス優れ、倍音豊かで 依頼主によって弾きこまれおり よく鳴っていました。

       

       

      『デュアル・ソース』を同じくLRバックス社の『Lyric(リリック)』に交換することに。『デュアル』のアンダーサドルPUは通常の位置でしたが、コンタクトピエゾが貼ってある場所が表板でなく 裏板にウレタンに包まれて張り付けられていたのが珍しく、また「なるほどなぁ」と感じさせてくれます。

       

       

      『Lyric(リリック)』はブリッジ裏で特殊マイク(Tru-Mic)で集音するシステムです。エンドピンジャックにプリアンプが組み込まれ、コントロールはヴォリュームのみですが、専用のドライバーを使って"プレゼンス"を調整することができ 響きのいいところを さぐることができます。

       

        

       

      『デュアル・ソース』のアンダーサドル/ピエゾを取り除くとその分「サドル高」が低くなってしまいます。新たなサドルを作るという選択肢もありましたが、依頼主のサウンドは”タスク”の軽やかな音が似合っていましたので、サドルはそのままでサドル下にスペーサー/シムを挿むことにしました。黒檀のブリッジと同じ素材の黒檀の薄板をテーブルソーを使って切り出し、サドル溝の底に敷きました。

       

        

       

      『Lyric(リリック)』はエアー感がある出音が特徴です。最近のテーラーのシステムとは違う味付けのサウンドですね。ハウリングにもまずますの対策がされているようです。指板のポジションマークもなかなか凝ったデザインでした。米国代表のマーチンを凌駕するブランドに育っている”テーラー”、その斬新なアイデアが人気の秘密でしょう。

       

        

       

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      2017.04.18 Tuesday

      リペア ファイル その307

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        マーチン D−35 / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ

         

        マーチンのD-35はバックが3ピースになっているだけじゃなくて、指板に”白のバインディング”が入っています。28や18との正面フェイスの違いはここです。

         

         

        ネックが「順反り」しています。トラスロッドが入っていないタイプなので調整が出来ません。そこで「アイロンヒーター」を使ってネックを「矯正」して真っ直ぐに直します。やや「逆反り」になるようにして弦を張ってチューニングしたときに、「真っ直ぐ」になるのが理想であります。

         

         

        数度の「アイロン矯正」でやっと希望設定になりました。それからフレットピークを「平ヤスリ」で整えてから「半丸ヤスリ」で台形になったフレットを丸くなるように整形してやります。一本の「半丸ヤスリ」だけでは鋭敏なフレットピークをつくれないので、ほかに「目立てヤスリ」や「三角ヤスリ」などを兼用してフレットを整形しています。

         

          

         

        弦高を確かめるために1弦と6弦を実際に張って、12Fで計測します。(サドルのアールが指板アールと同じなら残りの2〜5弦の弦高も適正値になる計算です)12Fで 1弦2ミリ/6弦2.5ミリになるようにサドル下を削って弦高調整しますが、近い値になったら6弦とも弦を張ってチューニングして実寸計測して、高ければ弦を弛めてサドル下を再度削ります。削りすぎて低くなったらアウトですので、少しずつ低くして希望設定まで持って行きます。なので弦を張ったり弛めてサドルを外して削る・・・の繰り返しをやってピッタリの弦高に合わせています。(手間が掛かるのが”調整”です)

         

          

         

        完成。ネックが真っ直ぐになるとサウンドにも腰が出ます。「順反り」していると弦を強くヒットするとネックもそれに吊られて たわんで、腰がなくなるからです。”弓”を想像していただけると解り易いかも・・・

         

         

        新旧のマーチンのネックヒールを比べて見ました。新しいタイプの方がヒールが大きいです。ネックの剛性アップには適っていますが、今までの華奢なヒールの方は”粋”な感じを受けますね。マーチンの魅力は田舎モノでなく「sophisticated」されたところが日本人には憧れの存在だったと私は分析しています。いかがでしょう・・・

         

         

        「sophisticated」(サフィストケイト) 都会的な・洗練された・高性能の 意

         

        関連ブログ : マーチン・ギター修理 インデックス

         

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        2017.04.14 Friday

        リペア ファイル その306

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          ギブソン J−45 /  表板の膨らみ矯正

           

          トップのブリッジ後方にやや膨らみが出ています。いわゆる「妊娠」という現象で、弦のひっぱり張力にトップの剛性が耐えられなくて表板が膨らんで来ます。クラシクギターやアコースティックギターでは、構造的な問題で膨らみが進行してしまいます。こうならないようにするには、力木を強くすればいいのですが、そうなると「鳴り」も抑えられてしまいます。

           

           

           

          元々、ギタートップには「ドーミング」と言ってやや膨らみが最初から付けてあります。これは橋のアーチ構造と同じで上からの圧力に耐えるため と 音を遠くに飛ばすため 音の波形を”弧”にするべく 表面を円くする必要のためそうしてあります。

          ただ、それが張力でさらに膨らんでくると音がデッドな響きになったり、弦高が高くなって弾きにくくなってしまいます。この楽器では、まだそれほどひどい状態でないですが、依頼者と相談し「進行」を止める加工をすることにしました。

           

            

           

          J−45ではブリッジ後方が膨らむことが多く、表板裏のブリッジプレート端からトーンバーに沿って膨らんでいます。Jー45のトーンバーは、1弦側がブリッジに近くから6弦側後方に斜めに入っていますから、6弦側の剛性がやや弱い(低音が出す工夫から)です。ここに力木を増設する方法もありますが、私はサウンドをなるべく変えたくないので「薄板」を増設します。型紙を切り出し3種類の板(左からメイプル・スプルース・マホガニー)の中から今回は「スプルース」を選び、トップの木目に直角になるよう貼り付けました。

           

           

          トップの「妊娠」の進行具合で「温度を掛けたり」「湿度調整」したりして矯正することもありますが、、今回はそれほどひどくないのと、塗装割れを防ぐため(矯正で塗装面にヒビが入ることもある)に適度な圧力で「薄板」を接着することにしました。表と裏から合板で作った「当て木」を作りましたが、板に切り込みを入れてフレシキブルにしてあります。

           

            

           

          それからブリッジピン下にメイプル製の「アース付きプレート」を増設します。これはボールエンドの位置を下げることでサドルに掛かる力を増やし、トップがめくり上げる作用を減らそうとする対策から取り付けることにしました。弦アースはPUのノイズを減らす効果があるので、ここで同時に施行しときます。「プレート」は両面テープで接着してあります。(この位置に将来PUを取り付けることがあれば、外せるように)

           

            

           

          「スプルース薄板」でも結構強いので矯正してくれます。それに「軽い」のでサウンドへの影響が一番小さいですね。(ケースによってはメイプルでもっと強く矯正することもあります)

           

           

          依頼者からメールを頂きました。

          「ギターは無事に届きました。全体的に音に締まりが出た感覚で、硬めではありますがギブソンらしい低音感がしっかりあり満足しております。これから使って行って今回リペアして頂いた所も馴染んでくると思います!!また、楽しみが増えました!ありがとうございました。」 うれしい便りでした。

           

           

          "J−45トップ矯正" 関連ブログ・リペア ファイル その255

           

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          2017.04.09 Sunday

          リペア ファイル その305

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            マーチン D−28 / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・PU取り付け

             

            比較的新しいマーチンですが、「ネック元起き」「ネック順反り」しています。ロッド調整で「順反り」はある程度戻りますが、「元起き」とロッド回しの余裕を取り戻すため、「アイロンヒーター」を使ってネックを矯正します。

             

             

            14フレットで「腰が折れる」ようにネック(正確には指板が)が曲がっています。マーチンギター(ほかのメーカーのアコギでも)しばしば起る現象で「ネック元起き」とか呼ばれています。その対策として各社は独自のアイデアをこの部分につぎ込んでいます。

             

            例えば 14フレット以降もネックの延長部分がトップに食い込むように延びていたり、この部分に金属やカーボンを埋め込んだり・・・(マーチンはそれをしないで昔ながらの方法を取っています。ただこれもいい面もあります。それはネックを外して調整することが可能で、こうすることで楽器の寿命が延びている、とも言えます)

             

             

            「ネックアイロン・ヒーター」を使って矯正してやります。「元起き」すると弦高が高くなるので「仕込み角度」を強くしてやり弦高をさげるべく希望の設定になるまで、何度もアイロンと温度た時間・角度を調整してネックを矯正して行きます。「ネック順反り」もこのとき「やや逆反り」になるように矯正してやります。こうするとロッドの回し代に余裕が生まれます。

             

             

            そして、フレットを”平ヤスリ”で「すり合わせ」してフレットピークを整えます。やや台形になったフレットピークを”反丸ヤスリ”で再び丸く整形してから(右の写真)、ぺーパーの番手を変えながらフレットに着いたヤスリの傷を磨いて取って行きます。

             

              

             

            弦を張ったショット。少し「仕込み角度」が強くなっているのが解るかと思います。こうすることでサドルの下面を削らないで、サドル高を充分保ちながら「弦高を下げる」ことが可能になります。

             

             

            ピックアップも取り付けました。LRバックス社の「LYRIC」です。最近このPUが人気がありますね。マイクで集音するので「エアー感」のあるサウンドが表現できます。(ブリッジ裏で集音するタイプ。アームマイクで集音するよりハウリングに強いような構造になっている)

             

              

             

            ”デーのニッパチ”独特の倍音がきらびやかなサウンドが気持ちいいです。これはローズウッドの硬質な倍音や反射音の影響です。太い音はDタイプの深い胴のためで、000やOMとの音質の差はボディ容量の差です。


             

            最近、ローズウッドが『ワシントン条約付属書供戮忙慊蠅気譴燭里罵⊇估に規制が掛かるようになりました。輸出入にはローズ入手の証明書があればいい、と聞いていますのでまずます大丈夫でしょうが、日本には違法伐採の材木が大量に入っているとの情報もあります。地球の資源は有限ですので、皆が意識して資源を大切に使う視点も必要ですね。

             

            関連ブログ : マーチン・ギター修理 インデックス

             

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            2017.04.03 Monday

            リペア ファイル その304

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              カスタム ストラトキャスター / スモークド乾燥処理・ネック調整・ネックすり合わせ・ネット交換

               

              前回のLP(リペアファイルその303)に続いて「スモークド乾燥」処理したギターのリポートです。

               

               

              カスタム塗装が施されたストラトボディを「スモークド乾燥」。熱と薫煙によって変色しないか心配しましたが、ほとんど変色がなく一安心。赤系塗料などは不安定なので変色することもあります。また、焼け色(色が濃くなる)がつくこともあります。ご了承ください。

               

               

              見事な杢のネックは「順反り」していましたが、ロッド調整で大方調整できました。ただ少しネックの剛性が弱いので「スモークド乾燥」処理によって剛性アップを計ります。フレットピークを揃えるには「フレットすり合わせ」が必要でした。ナット溝の深さがフレットピークより低いのがありましたので、ナットも交換してあります。

               

                

               

              電装系はすでに極められていました。「Shur」でしかお目にかかったことがないシングルPUのノイズをキャンセルシステム(ピッカガードにPUを囲むようにコイルが巻かれている)組み込まれています。配線剤やキャパシター(コンデンサー)も選び抜かれたものが使われていました。

               

               

              私も初めて見るPUは、依頼主が数々試され辿り着いた”ベストチョイス”になっていました。

               

               

              組み込み完成。ボディカラーと同じと塗料がピックガードとピックアップカバーに塗装されています。オレンジよりゴールド寄りのメタリック塗装で、ほかでは見ないカラーでした。

               

               

               

              ピッカガードまでうまく塗ってありこの技術は相当高いですね。私には無理です。(普通のやり方では剥離しやすいんですよ)

               

               

              ネックの剛性が上がり弦の振動効率が向上しことを依頼主に感じてもらいました。ネックはヴァイオリンの世界では「第二の魂柱」とも言われて、サウンドに大きな影響を与えます。(魂柱はサウンドポストの和訳で、ヴァイオリンの駒の下の位置しトップとバックを繋ぐ円柱の棒です。この位置を少し動かすだけで出音が変わるため、「魂柱立て」の作業はバイオリンの最重要作業になっています)ネックはそれに継ぐという訳です。エレキではネックの出来の良し悪しが、サウンドを左右すると言って過言ではありません。

               

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              EVH ネック / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・スモークド乾燥処理

               

              ひどい「順反り」のネックを「アイロン矯正」してから「スモークド乾燥」処理して安定させます。

               

              ヨーロッパメイプル(これはボスニアメイプル)を使って加工された特性のEVH型のネック。比重は軽く響きのいい材です。ギター用のネックに使うにはやや剛性が不足しました。(バイオリン属のネックは弦長の約2/3ですが、ギターは弦長の約1/2で長いのです)これを燻して剛性アップを計ります。

               

                

               

              真っ直ぐになったネックのフレットを平ヤスリで「すり合わせ」してフレットピークを整えます。その後台形になったフレットの頂点(ピーク)を逆丸型の専用ヤスリで山型の整形し、そのヤスリ傷をペーパーの番手を換えながら磨き上げて行きます。ペグはゴトー製のマグナムロックが使われていました。

               

                 

               

              こちらも「スモーク」効果が現れくれるでしょう。

               

              スモークの匂いが独特のものですが、依頼主の子供さんが家に帰って来ると玄関で「今日の夕飯はソーセージ?」と言われた そうです。おいしい匂いと思ってくださるとアリガタイです。

               

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              2017.03.31 Friday

              リペア ファイル その303

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                フジゲン FG N  NLP  / スモークド乾燥 処理

                 

                フジゲン製LPとカスタムSTとネック1本を「スモークド乾燥」処理を行いました。主な依頼は「ネックの反り」の矯正とその安定化のために「スモークド乾燥」処理を使うことです。同時にギター/ネックを燻すことによって「音響効果」アップを計りました。

                (煙で姿が見えない)

                 

                30時間燻すことによって、塗装済みのギターにも「スモーク」効果が現れるようになります。熱と微粒子の煙成分が木材内の細胞に働きかけるからです。最近は食品の「スモーク」ブームでスモークしたハムや魚・チーズを食する人も多いかと思いますが、生の食品との変化がお分かりでしょう。水分が抜け食材にも煙の薫りが移っていますね。”薫煙”によって食材の細胞に変化が起きているのです。(天然の木材も同じように変化が現れる)

                 

                  

                 

                燃焼庫からわずかながら飛ぶ”火の粉”がギターに直接かかることを防ぐために布カバーをしていますが、同時に大方のヤニ成分も取り除いてくれます。そこを貫通したヤニがギターに付くこともありますが、エチルアルコールで拭き取りして、バフで全体を研磨するので完了するとピカピカになります。全体的に若干焼け色が着くこともあります。

                 

                  

                 

                持ち込まれたフジゲン製のレスポールの電装系は、ハイスペックなポット・ピッックアップ・シールド・キャパシティーに交換されていました。私が初めて見るものもあり勉強させてもらいました。

                 

                 

                チタン製(たぶん)のブリッジにアルミ製のストップテールピース。

                 

                 

                スモーク後に組み上げましたが、持ち込まれた時の配線の状態になるべく近くなるように 気をつけながら作業しました。楽器の心臓部である電装系はかなり完成形なので、「スモークド乾燥」処理によってどれだけ音響的に効果が出るか体感してもらいたいからです。

                 

                 

                フレットはフジゲン特許の「サークルフレット」です。指板端のラインを計算上延長して、その交点から弧を書くようにに指板上にフレット・ラインを引いてあるので、フレットが緩いアールラインを描いています(1弦が一番強いアールになり22フレットはそれよりゆるいアールになります)。こうすることによって弦がフレットと直角に交差するので”正確なピッチ”が出せるようになる とのことです。

                 

                  

                 

                すでに良質な音のレスポールですが、生音で音量が上がったことを確認して出荷しました。さて大音量で弾くとどんな具合か?

                 

                じっくり弾いてもらった依頼主からの、「ネックの剛性が上がって弦の振動効率が上がった」「今までの素性の傾向のまま良くなった」と感想を頂きました。「どこまでも澄み渡るクリーントーンが実に気持ちがいい」とは、うれしい知らせです。よかった!

                 

                 

                「スモークド乾燥」処理により素材の剛性アップや音の伝達性の向上、倍音成分の変化など「よく弾きこんだ状態」を作ることが可能になります。煙の効能おそるべし。

                 

                次回は「カスタムST」と「EVHのネック」のスモークド乾燥処理のレポートをお届けします。

                 

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                2017.03.26 Sunday

                リペア ファイル その302

                0

                  ヤマハ L−8  / フレット交換(ナット交換)・ネックアイロン矯正

                   

                  ヤマハの名器L−8です。国産アコギならでは「エゾ松」をトップに使用してあり、全体的な作りには品が感じられます。

                   

                  ネックが14フレット先で「く」の字に曲がってしまう「ネック元起き」状態で弦高が高くなっていたので、「ネックアイロン矯正」と「フレット交換」時期でしたので指板面で仕込み角度調整を行い、サドルを下げずに適正な弦高にするリペアをしました。

                   

                   

                  フレットを抜き去ります。それから「ネックアイロン」を使ってネックに熱を加えて曲げて行きます。なかなか頑丈なネックで14フレットから仕込み角度をつけるように曲げるのに苦労しました。同時にネックもやや「逆反り」になるようにします。複数回の「アイロン」でこれらを矯正して行きます。

                   

                    

                   

                  今度は「指板面」でもナット側を余分に削って仕込み角度調整をします。アイロン矯正しなくても指板での調整だけで仕込み角度変更は可能ですが、指板を多く削るとネックの剛性が落ちてしまう のでそれを避けたいがため、わざわざ「アイロン矯正」を入れるのです。サウンド面でも指板の質量変化による劣化が 考えられるので、それもなるべく避けたいですから。

                   

                    

                   

                  フレットはオリジナルよりやや高めのジェスカー♯55090を打ちました。フレットタングの調整をして ネックを強くするの意識を持って作業しています。「すり合わせ」してフレットピークを整えます。

                   

                    

                   

                  フレットピークがやや平らになったのを専用ファイルで「山頂(ピーク)」をつけ直しています。フレットをうまく打てば、ピークのすり合わせは、ほんとにわずかで済みます。でもここで「すり合わせ」を入れることで、どのポジションでもビビリなくスムーズに弾けることに繋がりますので、重要な作業です。(ここを省くメーカーやクラシックギター製作家も見えますが、弦高を下げたら問題が起るのでは、と私は考えますが、弦高が高くてよければそれでいのでしょう・・・)

                   

                    

                   

                  ブリッジピン穴からサドルピークまでの角度を鋭角にしたいので、弦の誘導溝を延ばしています。(サドルへ掛かる力が大きくなり音量・輪郭が向上します)

                   

                    

                   

                  ナットも交換します。この時期のヤマハは牛骨を使っていなかったのですね。

                  ピンピンのネック。強いネックでネック・バイブレーションが上がりサスティーンがよくなります。

                   

                    

                   

                  完了。蘇りました。豊かな響きですね。楽器は経年変化の中で木材中の「リグニン」が減少していくので「セミロース」同士の連結がよくなり、音の伝達効率がよくなって行きます。また人間の耳に障るような倍音も減少していくので、「いい音」として感じるのだと言われています。「古いギターはいい音がするのさ」の理由がそこにあるのです。

                   

                    

                   

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                  2017.03.21 Tuesday

                  リペア ファイル その301

                  0

                    モーリス M−001N  / 駒はがれ・再接着

                     

                    ブリッジ(駒)がめくれ上がってしまっています。アコースティックギター弦の張力は、6弦全部合わせると60キロ以上あります。なのでこんなことも起きるのです。この楽器は合板トップでしたので、板が引き裂かれていました。

                     

                     

                    少しづつパレットナイフを差し込んでブリッジを外します。なるべく表板のダメージに与えないように慎重に進めます。外したらブリッジが変形していたのが解りました。このままだと使えませんので、ネック用のアイロンの上で熱を加えてブリッジを矯正してやりました。

                     

                      

                     

                    ブリッジのすぐ後ろ側の表板も大きく変形していたので、こちら側も矯正してやります。表板の裏側に大き目のメイプル製ブリッジプレートを補強材として貼り付けました。

                     

                      

                     

                    ブリッジの形に添って表板に接着面を作り、ブリッジをエポキシ系ボンドで接着します。合板の表板に接着剤だけでは充分な剛性が得られないと判断し、ボルトも併用しました。

                     

                      

                     

                    丸い貝がボルトの頭を隠すために入れてあります。これで見た眼もいいです。またボルトがブリッジと表板を挟んでかしめてあるので再び剥がれることもなく安心です。

                     

                     

                    合板製でもよく鳴るギターでした。弾き込んでいくと鳴ってきますね。それをブリッジが剥がれたからといって 新品に変える選択をすれば、せっかく鳴り出したのにもったいない結果になります。だんだん良くなるのが”楽器”という木製品です。

                     

                     

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                    2017.03.17 Friday

                    Katayama Guitar インフォメーション

                    0

                      調整にやって来た「Katayama Guitar(片山ギター)KE−13」をリポートします。

                       

                      この楽器の特徴は新しいPUシステムが搭載されていいるところです。”SMPU”と名づけられたこのPUは従来の

                      ”アンダー・サドル・タイプ”ではなくサドルとブリッジピンの間に取り付けられています。このPUは”コンタクト・ピエゾ”で、弦振動とトップ振動の両面を拾うことで「エアー感」のあるサウンドが得られます。

                       

                       

                      またアンダーサドルPUは、どうしても隣合った弦の振動も拾ってしまうので2〜5弦の音の分離が悪く(また音量が大きくなる傾向になる)なるのですが、この”SMPU”は分離感がいいのも特筆できます。

                      http://www.katayamaguitar.com/advantage

                       

                      ドレッドノート・タイプのKE−13はトップ・シトカスプルース、サイド&バック・ローズウッド。中国工場で生産されていますが大変完成度が高く、国産品と比べても遜色がないレベルです。生音も十分豊かでアコギとしても通用しますね。

                       

                        

                       

                        

                       

                        

                       

                      この機種の以前の「カタヤマ ギター」といえば、ブリッジ下に箱状の共鳴板を取り付けた「「アコースティック・チャンバー」が売りでしたが、これはそれをさらに発展させたモデルでしょう。このドレッドノートタイプ以外にもクラシックギターに”SMPU”を搭載したモデルKE−33もありますが、私がメーカー勤務時に「クラシックギターの新しいPUは俺が作る」と言っていたことがあり、ついに完成したんだ と感じました。(片山氏は元上司です。だからといってヨイショはしていませんよ。私は”開拓者”が好きなんです)

                       

                      オリジナリティ溢れるこのPUシステムが多くの人の耳に届くことを祈っています。

                       カタヤマ ギターHP http://www.katayamaguitar.com/

                       

                      関連ブログ・http://9notes.jugem.jp/?eid=305

                            http://9notes.jugem.jp/?eid=378

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