2017.08.19 Saturday

リペア ファイル その336

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    Sugi Guitars NB4 MH / フレットすり合わせ・調整

     

    Made in Japanのハイエンドギター(エレキ)を製造している”Sugi Guitars”。精巧な作りと厳選された木材がそのサウンドを支えています。ちなみにアコースティックギターでも”Sugi”を名乗るブランドがあります。杉田健司 率いる『SUGI CRAFT 』。『Sugi Guitars』のSugiさんは杉本眞。

     

    磨り減ったフレットのコンディジョンを高めるため「ロッド調整・すり合わせ」します。が、その前にフレット浮きがないか一本一本叩いて調べます。丁度、鉄道員が線路を叩いて調べるように。 異音がすればそこにアロン一滴を流して固定し、それから「平屋ヤスリ」でフレットピークを整えます。

      

     

    指板が傷つかないようにマスキングしてから、各種ヤスリを使って台形になったフレットに山頂をつけ直します。なるべく鋭角な山にしたいので、半丸ヤスリより三角ヤスリを使うことが多いですかね。(その分時間が掛かるが・・・)

      

     

    ヤスリ傷をペーパーを使って均して行って、最後はコンパウンドで磨きます。指板面もクリーニングしてあります。

    バインディングに見える白いラインは、白木の薄板がサンドイッチされていて、面をカットするときにバインディングに見えるように削り出してあります。トップのメイプルは着色してありますから、白木の部分はマスキングしてから塗装してあるようですね。手間がかかることをあえてやっています。

     

    指板エンドとF・PUの間に”こうもり”のインレイがワンポイントで入れてあります。おしゃれ。ここに入れるのは”センス”だけが頼りなので勇気がいります。もちろん大成功。フレット端は”ハイエンド・ギター”の定番の「丸め処理」がしてあります。

      

     

    ネック・ヒールは3次元にカットさせています。トラスロッドカバーの杢はヘッドと合わせてあるところなど、細部まで手が込んでいます。

      

     

    知人の若手のリペアマンの手で「フィンガーリスト」が増設されていました。よくできた楽器を手にすることでプレーヤーもリペアマンも育ちます。ポリシーを感じさせる「Sugi Guitars」のBASSでした。

     

     

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    2017.08.14 Monday

    リペア ファイル その335

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      フリッツ・ミューラー 8弦ギター / 指板補強・フレット交換・ナット補修・肘当て補修

       

      若手ギタリスト大手文明氏の8弦ギターが調整にやってきました。前にネックのリセットを行い弦高を下げたのですが、ネックの「腰折れ」でやや弦高が高くなって来ました。このミューラーは特殊な楽器であちこちに工夫が施されています。指板下には穴が何本も開けてあり、ネック自体を鳴らすようになっています。だがそのためにネック強度にやや難が見受けられます。(トラスロッドは12フレットまで効く構造)

       

      ネック強度を上げるためとセーハを楽にするため「ジャンボフレット」に交換することにしました。(タング調整でネックにクサビを打つかっこうで剛性を作る)それと14フレット以降に補強を施します。ネックはボルトオンジョイントなので一旦外します。指板調整しますが、黒檀は極薄くほとんど削ることができません。おまけに「トーションネック」(ねじれた構造)なので、軽く指板面をペーパーで均す程度に留めてあります。

        

       

      各フレットの溝の厚みをゲージで計測しながら、それよりフレットタングを厚くなるように調整し一本ずつ打ち込んで行きます。

       

      ナット下をご覧ください。薄い黒檀の下は柾目の松材で 指板エンドから穴/トンネル(空洞)が上まで貫通しています。

        

       

      ステンレスの円棒をその穴に通し10フレット下を補強します。一弦側の方が「腰折れ」現象が強く現れていましたので、1弦側に2本ステンレス棒を打ち込み固定しました。すべての穴に補強を入れたらもっと強くなることは解っていますが、プロの方の楽器は鳴りが生命線です。「補強してネックは強くなったが、鳴らなくなった」では許されません。一度に大きく作り変えることはリスクが高いので、控えめにしてあります。(問題が残れば次回に手を打てばいいのです)

        

       

      オーバーバインディングなのでフレット端が処理されています。それとステンレス棒が入っているところは、跨ぐ様にフレットタングを加工してあります。

        

       

      「すり合わせ」と「フレット整形」「磨き」を終えてリセット前のカット。

       

      弦溝を確認したところ、6弦だけ低くなっていました。たぶんチューニングするたびに擦れて下がって来たのでしょう。素材は象牙製で作り換えはもったいないので、そこだけ鋸刃(テーブルソーで加工)でカットし、牛骨ピースで補修しました。(象牙はいい素材ですが私は基本的に使いません。象の保護が優先されると考えるからです。需要があると密猟を助長させかねません)

        

       

      簡易の処置ですが、精度高く加工すれば音にはまったく問題ありません。(これだけですが加工時間もけっこうかかります)

       

      8弦すべてチューニングしたら、まだ「腰折れ」は残っていました。補強がまだ不足だったのです。しかしそれも想定してフレットを背の高いジャンボフレットに交換してありますから、弦を外して再びハイフレット部の「すり合わせ」でフレットピークを調整しました。サドルも各弦のバランスと弦高を見ながら調整してあります。

        

       

      ジャンボフレットに交換して演奏に支障はないか心配でしたが、そんなことはなく「セーハなどすべてにおいて楽になった」と返事を頂きました。「響きも楽器のもつもつ可能性を引き上げていただけたように感じています」ともおしゃってくださりました。このフリッツ・ミューラーのように設計思想が確立している楽器は、そこを変えないでリペアすることが大事だと思います。なおかつ良くしないといけないのは言うまでもないこと。

       

      関連ブログ:http://blog.9notes.org/?eid=571

            http://blog.9notes.org/?eid=590

       

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      2017.08.10 Thursday

      リペア ファイル その334

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        マーチン 000−28 / ブリッジ浮き・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・サドル交換(オフセット加工)

         

        クラプトンがアンプラグドで使って以来 世界的にヒットした”マーチン000−28”ですが、元々はDタイプ以前の弦長の短いギターとしてずっと作られて来た機種です。(ほかにも”0””00”とかある) ”000”をスケールアップしたのが”OM”です。

         

        ブリッジ浮きがあるとのことで、一旦外してから改めて「にかわ」で接着をお勧めしました。ラバーヒーターを使って外しているカットですが、しっかり付いていて中々外れる気配がしません。もっと攻めれば外せるのですが、ブリッジの裏側を多少は傷めることになるのでその案を変更して「エポキシ接着剤の充填」にしました。

          

         

        マーチン修理は「にかわ」を使うのを大原則にしている当工房ですが、今回はそれを曲げてエポキシを使いました。その方が楽器にダメージを与えずサウンドを維持できると判断したからです。極わずかに隙間ができた程度なのでそうしました。(エポキシは熱で弛めることができるのでブリッジ全体の接着力を落ちてきたら、今度こそヒーターで外して「にかわ」接着しますね。)

         

        「ネック元起き」が進ん来たので「アイロンヒーター」でネック矯正しました。14フレット付近から折れ曲がるように矯正しています。こうして「仕込み角度」をつけるのです。

          

         

        次ぎは「フレットすり合わせ」、平ヤスリでフレットピークを整えます。その後 台形になったフレットに再びピーク(山頂)を三角ヤスリと半丸ヤスリで付け直し、そのヤスリの傷をペーパーの番手を変えながら消して、最後はピカピカになるまで磨き上げます。

          

         

        マーチンブリッジには、ブリッジピン用穴に弦通しの溝が切ってあるのとないのとありますが、これはないタイプ。6弦5弦はないとピンがタイトになり過ぎて抜けにくいでしょ、切った方が実用性が高いと思います。サドルへの誘導溝も切って「立ち上がり角度」を稼ぎます。

          

         

        下図はオリジナルサドル。なぜか半分”日焼け色”塗装がしてあります。(米国人の美学と想像しています)仕込み角度が付いた分、弦高が低くなったのでオリジナルが使えず、新たにサドルを牛骨で作りました。(オフセット加工も)立ち上がり角度が強くなったので、サドルへの圧力が増えました。そういう場合 サドルピークを鋭角に作製すると弦が喰い込みやすくなるので、ここはあえて緩いピークを作ってあります。

          

         

        ナット側は、タイトで立ち上がりのいい音を目指して 鋭角なピークを削り出して弦の接地面積を減らす加工を施しました。

          

         

        「すり合わせ」でフレットの減り(轍 わだち)も解消したので音程もしっかりました。指板もクリーニング。

          

         

        フィンガーピッカーの依頼者は、”000”ではドロップチューニングはつらいと感じていらっしゃりましたが(弦長が短いのでドロップにするとテンションがさらになくなるので)今回のリペアでテンションとタイトさが出たので、使える楽器になったとおっしゃって下さいました。さらにスカスカだった「音の間」に”余韻”が表れたとも。

        「楽曲と演奏スタイル、楽器のチューンは密接だ」と改めて感じた仕事でした。

         

         

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        2017.08.06 Sunday

        リペア ファイル その333

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          オベーション model 1983-B /  電池ボックス新設・電装系チェック・ロゼット剥がれ補修・弦高調整

           

          ナロウボディのオベーションです。エレアコ界では一世を風靡したオベーションですが、近頃はテーラーに押され気味です。でも私はそのオリジナル性の高さを買っており、再びポピュラリティーが出ると信じています。

           

          オリジナルの電池ボックスはボディにビスで取り付けられていますが、交換時に外したりするときの手間が面倒でした(左の写真)。これをLRバックスのバッテリーバックに交換し、バッテリースナップもファイバーを使ったものに交換しました。

            

           

          ロゼット(リング)が浮いて剥がれて来ました。接着剤が切れたのですね。再び接着剤を流し込みしっかり圧着します。

            

           

          はい、元通り。透明のプラスティックリングの下に本物のアバロン貝の薄板が敷かれてピカピカ輝いています。

           

          電装系もチェックしました。オベーションはサドルとピエゾが一体化していますが、シールドのつなぎ目がビロビロしています。これを剥がして新品の絶縁テープを巻き直しました。

            

           

          出力の要、エンドピンジャックでノイズが発生することも多いので、綿棒にコンパウンドを付けて磨き/クリーニングしておきます。

           

          オベーションはサドル下のファイバー製の薄板が敷かれていて、これによって”弦高”を調整されています。弦高を下げたいときは,この板を抜いて調整します。(ナット溝も点検します)

           

          表板をバフで磨いてきれいになりました。オベーションはファンブレーシング/グラスファイバー・バックと独創性の高いギターのようですが、カーマン社の創業者は中世の楽器の音を模したと聞いたことがあります。なるほどその音をPUで増幅すれば近代でも通用する、と言えますね。

           

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          2017.08.03 Thursday

          リペア ファイル その332

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            ヤマハ The FG / ペグ交換・弦高調整

             

            ヤマハの”赤ラベル”はジャパンヴィンテージの定番になりましたが、ヤマハはこれをリアル化しました。『The FG』を作ったのです。最初は冗談かと思いましたが、実際 弾いてみて「これは本気だ」と感じました。

             

            オープンバックタイプの糸巻きを、ゴトー製の”510”に交換します。ブッシュを抜きときに塗装を傷めることがあるんですよね。このまま放置すると塗装と木地の間の隙間が広がってしまうので、瞬間接着剤をその隙間にうまく流し込んで止めます。

              

             

            レトロな感じとモダンな感じがうまくマッチしていますね。 ”510”のギヤ比は1:18または1:21になっており 通常にギヤ比より大きく細かなチュ−ニングに適しています。

              

             

            弦高を下げて欲しいとの要望でサドルを下げて12F 6弦2ミリ 1弦1.5ミリに設定しました。(わずかですがナット溝も調整。両支点で弦高調整します)古いFGはローズブリッジを黒く染めてありますが、このthe FGは黒檀が使用されています。

              

            全体に軽く作られていて無駄なところが見受けられません。トップのスプルース・バック&サイドのマホガニーなどの木材も厳選(ピアノやクラシックギターの製造で豊富な材のストックがある)されていて国内生産品の良さが出ています。オールドファン対象の企画なんでしょうが、それを超えています。

             

            かつて国内でヤマハのギターがOEM生産されていた時、他のメーカーのギターよりもヤマハブランドの品質管理が厳しかったと聞きます。製造を委託された方は手間がかかりやっかいでしょうが、ブランドを守る育てるとはそういうことでしょう。

            Lシリーズとは違う味のあるFG。現代の”赤レベル”は新たな伝説を作るかもしれません。

             

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            2017.07.29 Saturday

            リペア ファイル その331

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              トップ割れ補修2例

              「割れ」や「傷」「打痕」修理はけっこうやっていますが、『絵』になりにくいからか いい写真がなかったり、撮り忘れが多いです。今回は貴重な2例を紹介します。

               

              タカミネ EF325RC

              メーカーでずい分「補修」はやっています。塗装の種類と塗膜の厚さが解っているので、どのくらいまで攻めていいのか判断できますね。

               

              トップに割れが入っています。木地着色なので色を落とさないように仕上げるところがミソになります。接着剤を流して割れを止めてから充填しながら塗装膜を盛り上げて行きます。その際、割れ面がくっ付くように内部の湿度を管理して自然に付くように養生しておくことが肝要です。

                

              私は断面が2.5舒幣紊△襪箸はパッチで補強しません。その厚さがあれば接着だけで持つと考えているからですが、パッチによって割れ箇所が目立ってくる例も知っているからです。

               

              「割れ」箇所が解らないくらいの仕上がりになりました。やはりタカミネは慣れていますね、我ながら・・・(数やってますから)

               

              Y・K・CRAFT

              友人のギター製作学校時代の作品だそうです。塗装が上手。

               

              トップの接ぎ面が「割れ」ていました。接ぎ面が切れる理由はいろいろありますが 1・接着面の精度の問題 2・材の乾燥不足 3・木目に対して垂直あるいは横断する力木が強すぎる 4・接着剤の浸透不足/クランプ力不足 などが考えられます。修理方法は同じで、湿度管理で自然にくっつくように養生してから接着剤を流し込む。

               

              クリアー塗装に下に着色した塗装が吹いてあります。接着面がどの程度色が載るかが問題。うーん修理した箇所が濃くなっても目立つし、薄くても目立つので難しいですね。やり直しが効かないので”勘”が頼りです。

                

               

              はっきり言って上のタカミネよりうまく行っていません。でもプロとして及第点はもらえると思います。「塗装」した面の「割れ」「打痕」「傷」修理は完璧には直りません。完璧を求めるならば、一旦塗装を全部剥がして下地から塗装をやり直すしかないです。部分塗装だって「つなぎ面」は解ってしまいます。ウレタン系塗料ならば接着剤との馴染みがいいので、それをうまく使って補修するのがベストでしょう。

               

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              2017.07.25 Tuesday

              リペア ファイル その330

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                モーリス S−92R(南澤大介モデル) / フレット交換・ナット交換・サドル交換

                 

                ”ソロギター”奏者の南澤大介・アーティストモデルです。モーリスはフィンガーピッカーに特化したシリーズを作っています。その完成度は高く他社を寄せ付けません。

                 

                弾き込んでフレットが減ってしまったので「フレット交換」することに。指板上にはポジションマークがなく(サイドのみ)真っ黒な黒檀指板は玄人好みです。トラスロッドに頼ることなく剛性が保てるよう、フレットタングを調節しながら真っ直ぐな指板を作って行きます。

                  

                 

                軽くフレットピークを整えます。(すり合わせ) その後 専用ヤスリでピークをつけ直した後、ヤスリ痕をペーパーの番手を変えながら磨き上げて行きます。

                  

                 

                クラシックギターのようなシックな雰囲気の指板。サウンドホールにはマグネットPUが装着されています。LRバックスの最新マグネットPU「M80」、ボディの振動もタイトに拾います。(電池残量をチェックできるスイッチが便利ですよ)

                 

                ナットも新調します。底面も首も広がっていくタイプ(加工技術がいるタイプですね)で、マーチンに模しています。弦の張力に対してナットがブリッジ側に転ぼうとする力が、底面が指板と平行のタイプより抑制されるでしょう。またネックとの接地面も広いので弦振動をネックに伝える量も増えています。

                  

                 

                ペグのボタンも黒檀製です。シンプルなヘッドです。

                 

                サドルも交換します。(モーリス特製のタスクサドル) 指板面で仕込み角度を修正してありサドル高が上がっても、弦高は同じです。ブリッジピンを使わないタイプのブリッジなので、力木パターンは「ラティス」かと思ったのですが、「ダブル・エックス」でした。ギブソンにも「ダブル・エックス」ブレイシングがありますが、この92Rは「ラティス」と「ダブル・エックス」の中間くらいの力木(ブレイシング)でした。

                  

                 

                トップはシダー(杉)でサイド&バックはマホガニーで、バックはラウンドバックです(バックの力木にもエックスブレイシングが採用されています)。フィンガーピッカー用のギターらしくピッキング反応が早く、どのポジションでも均等に鳴るように作ってありますね。

                  

                飾りの少ないシンプルなギターですが、ツボを押さえたいいギターだと思いました。

                 

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                2017.07.20 Thursday

                リペア ファイル その329

                0

                  ヤマハ FG-250S  / 9notesカスタムゼロワン加工・ナット交換・ペグ交換・フレットすり合わせ

                   

                  ”9notesカスタムゼロワン”加工とは、アコースティックギターにシンクロナイズド・トレモロ・ブリッジを搭載する『ギター改造』のことです。今回はヤマハFG250を改造しました。

                   

                  右がオリジナルで左は加工後です。ブリッジの位置決めを正確にしなくてはなりません。またギターのよってネックの仕込み角度や表板の状態が違うので それに応じた設定を算出して加工しなくてなりません。毎回、設定が違うのが『改造』の手間が掛かる部分です。

                    

                   

                  オリジナルの力木がやや弱かったので補強してから、スプリングをかける部位を取り付け加工しました。この加工は開放部からギター内部へ手を突っ込んで行うので「ビンの中でピンセットで帆船を組み立てる」ような作業です。

                    

                  裏蓋は弦交換がしやすいように透明アクリルを使用。またマグネットで脱着できるようにしてあります。

                   

                  ブリッジは「フローティング」状態に設定してあります。この設定が一番響きがいいからです。アコギでアーミングプレーができるようになるのがこの改造のミソですが、スプリングによる残響音が生音に掛かり独特のサウンドキャラクターを持っています。

                   

                  エレキ並みの演奏ができるようにほかも手を加えてあります。ペグはゴトー製の”マグナムロック”に交換してありチューニングの狂いを止めてくれます。また「フレットすり合わせ」と「ナット交換」もしてあるので弦高を下げてプレー可能で、出音もしっかり受け止めてくれます。(アコギの弦高設定はエレキより高いので、フレットとナットの精度が甘いことが多いです)

                    

                   

                  元々、マグネットPUが後付けされていましたが、アウトプットに弦アースを落とすようにしてPU出力もノイズが少なくなりました。生音は期待できる改造でないのですが、PU出力によるエレキとアコギのハイブリットサウンドが、この楽器の特徴です。

                    

                  依頼主からは、「見た目も、サウンドも、インパクトも想像以上」と絶賛してくれました。よかったぁ。このギターでどんな演奏をしてくれるのか楽しみにしているところです。頑張ってね!

                   

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                  2017.07.17 Monday

                  ギブソン(アコギ・エレキ)ギター修理・インデックス

                  0

                    ギブソンギター修理 インデックス

                    過去に修理したギブソンのアコースティックギターとエレキギターの「リペアファイル」を索引しやすい様にindexにしました。

                    (ファイル上をクリックしてください。そのページに飛びます。)

                        

                     

                     

                     

                    リペア ファイル その326(ギブソン LP ’92 classic plus / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ロッド調整・ナット再整形)

                     

                    リペア ファイル その321 (ギブソン J-45 / ネックアイロン矯正・フレット擦りあわせ・ブリッジプレート増設・ブリッジ上面削り・ブリッジピン穴修正)

                     

                    リペア ファイル その318(ギブソン ES -335 TD / オーバーホール(オーバーラッカー塗装・ピックアップ交換・スイッチ交換・フレット交換・ナット交換・一部配線引き直し・金属パーツ磨き)

                     

                    リペア ファイル その306(ギブソン J−45 /  表板の膨らみ矯正)

                     

                    リペア ファイル その300(ギブソン J−200 / 「スモークド乾燥」処理・フレット交換(オーバーバインディング)ナット交換・サドル交換・ブリッジ調整)

                     

                    リペア ファイル その295(ギブソン J−45 /  「ANTHEM」PU取り付け)

                     

                    リペア ファイル その286(ギブソン レスポール・カスタム / フレット交換(オーバーバインディング)・ナット交換・電装系チェック)

                     

                    リペア ファイル その284(ギブソン LG-1 /  弦高が高い(ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換・サドル交換・ブリッジピン交換

                     

                    リペア ファイル その256(ギブソン J−45 / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・ナット交換)

                     

                    リペア ファイル その255(ギブソン J−45 /  トップ矯正(補強材加工)・弦アース加工・フレット交換・ナット交換・サドル交換)

                     

                    リペアファイル その249(ギブソン CF-100E / ネック元起き修理・ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・サドル調整)

                     

                    リペアファイル その247(ギブソン ES−345 / ナット交換・ピックガード共振対策)

                     

                    リペアファイル その244(ギブソン ES-335 /  ネック折れ修理(接着・補強・部分塗装)

                     

                    リペアファイル その239(ギブソン レスポール・スタンダード/ ネックバインディング補修 フレットすり合わせ・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その238(ギブソン レスポール・スタンダード /   ネック折れ・補修・ボリュート作製)

                     

                    リペアファイル その237(ギブソン RD・スタンダード / フレット交換(フレット打ち換え)・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その207(ギブソン ブラックバード / 塗装はがし・再塗装)

                     

                    リペアファイル その200(ギブソン レスポール / フレット交換(オーバーバインディング)ナット交換)

                     

                    リペアファイル その199(ギブソン レスポール・カスタム / 電装系チェック)

                     

                    リペアファイル その190(ギブソン SG FUTURE / パーツ脱着・ペイント用 下地作り・塗装 )

                     

                    リペアファイル その195(ギブソン J−45 / ネックアイロン矯正・フレットすり合わせ・弦高調整)

                     

                    リペアファイル その185(ギブソン ES−335  /  ネックねじれ(ネックアイロン矯正)・フレット擦り合わせ・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その176(ギブソン LPダブルカッタウエイ  / ネック折れ・接着修理・塗装・ブリッジ交換・ストップテールピース交換)

                     

                    リペアファイル その175(ギブソン LPダブルカッタウエィ /  ネック折れ・補強・塗装)

                     

                    リペアファイル その164(ギブソン サザンジャンボ /  サドル交換・オフセット加工・PU取り付け加工・ストラップピン取り付け)

                     

                    リペアファイル その163(ギブソン J-50 /   サドル交換 オフセット加工(オクターブ調整)

                     

                    リペアファイル その161(ギブソン J-45   /  弦アース加工 ・フレットクリーニング)

                     

                    リペアファイル その155(ギブソン ハミングバード / フレット交換・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その154(ギブソン ダブ 1965年製 Gibson dove   /   ブリッジ剥がれ・補修・再接着、駒下補強、PU取り付け)

                     

                    リペアファイル その145(ギブソン SG 90  / フレット擦り合わせ・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その144(ギブソン J−45  /  フレット擦り合わせ・サドル交換(弦高調整)

                     

                    リペアファイル その127(ギブソン レスポール・スタンダード /  ネック折れ補修  正確には、ネックひび補修)

                     

                    リペアファイル その115(ギブソン J−50  /      ナット交換 )

                     

                    リペアファイル その111(ギブソン レスポール・スタンダード / ノイズ対策・導電塗装)

                     

                    リペアファイル その109(ギブソン SG / ネック折れ修理)

                     

                    リペアファイル その103(ギブソン Jー45 / ナット交換・サドル交換・フレットすり合わせ)

                     

                    リペアファイル その102(ギブソン・L−00 / ロゼット作製)

                     

                    リペアファイル その100−2(ギブソン ファイヤーバード后/ ピックガード作製・ヴァイブローラアーム取り付け)

                     

                    リペアファイル その100−1(ギブソン ファイヤーバード后/ ネック折れ修理)

                     

                    リペアファイル その97(ギブソン アコギ / ピックガード作製)

                     

                    リペアファイル その92(ギブソン J−45 / ピエゾ出力不良・アコギ弦アース加工)

                     

                    スモークド乾燥 (ギブソン J−200 カスタム)

                     

                    リペアファイル その90(ギブソン J−45 ADJ / PU取り付け・ナット交換)

                     

                    リペアファイル その89(ギブソン LPカスタム /PU交換)

                     

                    リペアファイル その87(ギブソン レス・ポール / 「テンションがきつい・強い」調整)

                     

                    リペアファイル その81(ギブソン J-45/サザンジャンボ  など)

                     

                    リペアファイル その62(ギブソンESー125 /エンドブロックはずれ・バインディングはずれ)

                     

                    リペアファイル その57(ギブソン SG・BASS/ボディ割れ修理)

                     

                    リペアファイル その41(GIBSON 4弦バンジョー MZSTERTONE / クリーンアップ 再セットアップ)

                     

                    リペアファイル その37( GIBSON  LesPaul カスタムショップ ”シルバーメタリック”   作業内容:アッセンブリ交換/フレットすり合わせ)

                     

                    リペアファイル その30(ギブソンLP・チェリーサンバースト / コンデンサー交換 )

                     

                    リペアファイル その29(ギブソンJ-45 /フレット打ち換え・ナット交換・ピエゾノイズ対策)

                     

                    リペアファイル その22( ギブソン SG / ブリッジ用アンカーピン )

                     

                    リペアファイル その18(ギブソン サザンジャンボ :ナット交換 フレットすり合わせ 弦高調整など)

                     

                     

                    ◎マーチン・ギター修理 インデックスはこちら→http://9notes.jugem.jp/?eid=307

                     

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                    2017.07.15 Saturday

                    リペア ファイル その328

                    0

                      アストリアス Tree of Life Gurand Concert / トップ膨らみ矯正・弦アース加工・フレット交換・ナット交換・サドル交換(オフセット加工)

                       

                      丁寧な作りで定評のある”アストリアス”の中でもハイグレードなギターがやって来ました。ただトップの膨らみが進行していて、その矯正が必要でした。

                       

                      トップの裏側を覗くとブリッジプレートと2本のトーンバーの間の空間が広く、ここが持ち上がったようになっていました。(似たタイプのギターのラルビーのトーンバーはブリッジと平行に付いていて、そこをカバーする設計になっています) トップの矯正のため、内部の湿度調整を行いと外部からは熱を加えながら圧力を掛けてます。

                       

                      ずい分圧力を掛けましたが、2ミリほどしか下がってくれません。大きな理由は厚い黒檀のブリッジです。これがつっぱり棒のようになっているのです。これ以上はトップの接ぎ面が切れる心配があるので、膨らみの進行を止めるべく補強材を入れます。低音側の膨らみが強いので、そちら側の面積を広くしたメイプルプレートを張りました。

                        

                       

                      ブリッジ裏にもプレートを張り、ボールエンドの位置を下げてサドルへ圧力が掛かるようにしてやります。その際に弦アースが取れるように銅箔をプレートに貼ってあります(PUのノイズ対策に効果大)左の写真にドリル刃が突っ立っているのは、位置決めのため。

                        

                       

                      下側がブリッジプレートでその上に写っているのが増設した補強プレート。

                       

                      フレットも磨耗していたので交換(オーバーバインディング)になりました。フレットを抜き去り木地を調整しています。全面に貝が入っています。よく見るとフレット溝の中央部分が広くしてありました。これはフレットを打つときに貝にタングが当たって割れるのを防ぐためでしょう。細かい気配りですね。

                        

                       

                      タングを調整しながら剛性の高いネックを仕上げて行きます。その後プレットピークを整えるため「擦り合わせ」します。

                        

                       

                      強く「擦り合わせ」していないのでフレットピークは簡単に付けられます。それでもこの作業が大切です。この作業によって、どのポジションでもビビリのない正確なイントネーションが生まれます。

                        

                       

                      アース線をアウトプットジャックにハンダ付けします。このギターにはLRバックスのマグネットPUが装着されていましたが、弦アースはマグネットPUだけでなくピエゾPUやコンデンサーマイクにおいても有効です。

                        

                       

                      ボディトップだけでなくヘッドにも貝が回してあります。ペグはゴトーの510。サドルも新調しました。オフセット加工を施してあります。

                        

                       

                      真っ直ぐなネック。トップは補強によりタイトになった分、出音が少し硬いです。それでも調整してる間に良くなってきましたので、弾いている間にもっと鳴って来るでしょう。ネックのバイブレーションの効率アップとサドルに掛かる圧力が改善しているからです。

                        

                       

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